カルトの心理学

私は赤い獣にまたがっている一人の女を見た。この獣は全身至るところ神を冒涜する数々の名で覆われており、七つの頭と十本の角があったーヨハネ黙示録17章3節

カルトを辞められない理由

カルト信者はなぜやめられないのか

カルト宗教にハマる人は依存症です

カルトにハマるのはギャンブルと一緒です

ギャンブルをやめられない5つの理由

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1.大当たりの誘惑

2.投じた努力に見合う結果で得られ(天国、楽園、極楽浄土など)

3.時折 小当たりがある

4.マシンに身ぐるみ剥がされ、その場を去ろうとするとジレンマに直面する。今までつぎ込んだお金、時間、エネルギーに見合った成果を取り戻したい

「あと…もう少しだけ」今までつぎ込んだ投資も少額ではない

5.辞めれば長年に及ぶ自分の恥を認めることになる

以上の理由でカルトやギャンブルはやめられないのだ

ブラジル日系人の悲劇

1908  日本のブラジル移民が始まる

大東亜戦争が始まる

連合国側のブラジル政府

開戦前の邦字新聞発行を禁止

開戦後は公共の場の日本語を禁止

日本から入ってくるのは短波放送「ラジオ・トウキョウ」だけ。地球の裏側ではなかなか聞き取れない。当時ラジオは高価であった

出稼ぎ目的の移民たちの多くはポルトガル語を習得せずコロニアと呼ばれる共同体のなかで生活していた。そのため戦争中、移民の多くは情報遮断状態に置かれた。戦時中の不安に駆られていた移民たちは日本人意識を強め団結した

一方 ポルトガル語ができる知識人層はブラジルの報道で日本の敗戦を覚悟していた

移民たちはそんな知識人たちを「非国民」とみなした

1945  8月15日  日本敗戦の玉音放送が流れる

ラジオ・トウキョウで玉音放送を聞いた移民たち

しかし玉音放送は「デマ」とガリ版刷りのニュースが流された。日本の勝利を報じるガリ版は移民たちの間で飛ぶように売れた。その後も「日本の勝利」を報じるガリ版が続々と発行された。

「9月24日に日本からブラジルに使節団が来る」という報道が流れた。このニュースに

「.歓迎祝典が開催される」

「歓迎祝典に参加した者は日本へ帰国できる」と尾ひれがついた

何千人の日本人が日の丸の小旗を手にサンパウロの街を闊歩した

戦争に負けた日本人たちが戦勝国民として歩き廻る姿は異様そのものだった

日本が負けたことを認識している知識人層は「日本は負けた」ことを教えたが移民たちは

知識人たちを「負け組」(敗戦希望派)

自分たちを「勝ち組」(信念派)と名乗った。勝ち組は9割もいた

「勝ち組」の臣道運動はエスカレートしていく

敗戦を口にする日本人の家に脅迫状が送られた

1946  3月 「勝ち組」たちは日本敗戦を認識している日本人を暗殺した(記録にあるだけでも23人)

ブラジル人にからかわれた日本人が持っていたナイフでブラジル人を刺し殺してしまう事件が起きた

ブラジル人が日本人を襲撃した。軍隊が出動する事態にまでなった

日本人移民の9割が未だに敗戦を認識できないのは情報不足のためと考えたブラジル政府は日本語新聞発行が再開した

しかし

日本が敗戦したという新聞は全く売れなかった

「日本は勝っている」という記事を載せた新聞のみが売れた

「勝ち組」「負け組」を認めない者は数家族でまとまって奥地に移り、一切の情報を遮断して生活した。中には集団自殺に至ったケースもある

1973  「勝ち組」の3家族14人が帰国。羽田空港の賑わいを見て

「私たちが信じたとうりです。こんな立派な日本が負けたはずありません」と語った

「勝ち組」異聞─ブラジル日系移民の戦後70年

「勝ち組」異聞─ブラジル日系移民の戦後70年

  • 作者:深沢 正雪
  • 発売日: 2017/03/02
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ブラジル移民たちは日本の共同体から切り離された仮想空間にあった

「日本が負けた」という情報は彼らが信じたくない情報だった

「日本が勝った」という情報が「勝ち組」の信仰になったのだ

カルト信者は現実の世界から切り離された仮想空間にある

「自分たちは騙された」という情報は彼らが信じたくない情報だった

「自分たちが真の宗教だ」という情報が彼らの信仰になったのだ

カルトに代わる価値観が現実の世界になかった

自ら進んでカルト宗教にハマった人間にとって

自分が「カルト宗教に騙された愚かしい人間」であることを認めることは難しい

長年カルトに費やした時間が虚無になる

しかも

「終わり来る来る詐欺」まてしているのだ

自分の恥を認めることはできない

カルトが彼らののアィデンティティであり、それを捨てることは

自分の人生を否定することなのだ

彼らはブラジル移民のように自分の信念を貫くのだ

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人間の脳は自分で判断を行うことが負担で、それを苦痛に感じるという特徴を持っています。これを認知負荷という

「認知不協和」という現象もあります。人は、自分の中で矛盾する認知を同時に抱えて不快感(葛藤)を覚えると、その矛盾を解消しようと都合のいい理屈を創作する

いったん自分で「これが正しい」と思い込んだことが後から「間違っている」と証拠を突きつけられた場合

人間は「言い訳」の理屈を考え出し、何とか間違いを認めずに済むようにしている

人間は「何か」を信じたら、そのまま信じたことに従い、自分で意思決定しない方が、脳に負担がかからず楽なのだ

宗教を信じている人の方が、そうでない人より幸福度が高いエビデンスがある

それな詐欺的商法宗教であっても

カルトに騙されている人に

「騙されている」

「目を覚ませ」と真実を教えるのことが彼らの幸せになるとは限らないのだ

常人の考えでは理解できない、信者のこの思いは、金銭、人生を費やしたことに対する自己弁明であるのかもさ知れないが、まだカルトのマインドコントロールが効力が効いている状態なのだろう

もし、

「カルト信者として生きた人生が全て無駄だった」

と思えば、それがマインドコントロールから解放されたと判断できよう

本当は「無駄だった」と思っていても、あれは無駄ではなかったと

自分を納得させようとするこの状態を

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自我防衛合理化

という。なぜ詐欺的宗教商法がはびこるのか、騙された人が騙されたと思わないように、もしくは、効果があったというようにマインドコントロールされているからである

信じる者は救われるのだ

誰しもが ブラジル移民、カルト信者を

「バカだなぁ」なんて笑うことはできない

ニーチェは言った

真理は醜い

そして

人はみな自分の信じたい情報しか信じない

生き物だから

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