サウルの回心
サウルはキリスト教徒を迫害していた。キリスト教を迫害しに行く途中サウルは光に包まれた。サウルは3日間にわたり目が見えず、食べも飲みもできなかった。この困難はキリスト教徒を迫害した報いと思ったサウルはキリスト教に改宗した
中世キリスト教は拷問による改宗を迫った。改宗が起こるのは肉体、精神的に衰弱している時
洗脳のルーツは拷問によって衰弱した状態の改宗なのだ
中には改宗より死を選んだ者もいた。全員が拷問を加えられれば改心するわけではない
エドウィン=スターバックの研究
改宗者の年齢は10代から20代が多かった。実際カルトに洗脳されるのも若者てある
拷問による改宗
- 監禁
- (拷問、死の)恐怖
- 睡眠遮断
- 自供の強制
- 訊問者の忍耐強く責め続ける
- 訊問者は寛容と暴虐を使い分け ダブルバインドにより精神不安にさせる
- 秘密主義
- 法的保護の剥奪
などにより罪を告白させた
人の心が完全に他人の権利の下に置かれるなど、決してあり得ない
パブロフの犬
現代ビジネス 出典
イワン=パブロフはロシアで初めてノーベル医学賞を受賞した
Wikipedia 出典
彼は檻に閉じ込めた犬たちストレスを与えて犬たちの行動原理、性格に変化があることを発した。パブロフはそれを条件反射と名付けた
パブロフは人間にも同様のことが当てはまると考えていた。時代は
帝政ロシアの崩壊
レーニンはパブロフの実験が「新しい人間」を作るという国家目標を増進させると考えパブロフの研究所を訪れた
「それはロシアの人民を標準化したいということでしょうか?全人民に同じことをとらせよと」パブロフ
「その通り。それこそが私の望みである」レーニン
レーニンはパブロフの研究所の援助を増額し、彼に精神病患者へのアクセス権を与えた
パブロフによると強烈なストレスを与えれば予見可能な反応が引き出せる。全ての犬には、各自の限界点があった。超限抑制(ストレス)に直面すると彼らの気質、嗜好、行動が変化した
人間に対する研究では重度のトラウマを受けた人は非暗示性が高まるということに気づいた。特に矛盾するトラウマを与えられた場合はその傾向が強まった
行動はストレス、トラウマによる疲労により変容する。その獲得行動は遺伝子得ると考えられた
パブロフの発見はソヴィエト全土に広宣された
スターリンはNo.2トロッキーをはじめ様々なライバルを暗殺、追放、または潰して後継者となった
そのためスターリンは疑い深かった。スターリンは自分に異議を唱える者、空想であれ次々に捕らえ、拷問、処刑した。スターリンは海外からのスパイが国内にいると信じていた
第一次世界対戦からロシア革命、ソヴィエト樹立にまでの内戦、海外の軍事介入により経済は破綻していた。社会主義国家の私企業の禁止や食糧配給は失敗に終わり大量の餓死者をだした
スターリンは生産が下落したり経済効果が批判されると、スターリンは自分の政策のせいではなく、反逆者の所為にした
人民を支配するにはバンとサーカス
スターリンは反逆者たちを投獄、公開裁判にかけ国難、政策の失敗から目を背けた
大粛正(テロル)
ある日いきなり秘密警察が来て連行された。職種を問わず様々な人が逮捕された。高官でさえ例外ではなかった。政治局の高官、委員、候補者、将官たち中で生き延びたのは僅かである。処刑、自殺、獄死。粛正(テロル)は当人のみならず配偶者、子供、親族にまで及んだ
自供を拒んだ者は即処刑
元指導者、官僚たちの間に心臓病が流行する時もあった
自殺は証拠隠滅とみなされた
党の幹部が粛正されると、それに従い文書や写真が改竄された。オーウェルの1984の世界である
公開裁判
公開裁判はおよそ20分、長くとも数日で終了した。弁護士はそのせず、検察官の陳述と被告人の自供のみ
「疑うな。そこには正義が遂行されている」党は人民たちにこう警告した。少なくとも1936年から1938年の2年間で100万人が公開裁判で処刑された
被告人たちはこぞって自分、仲間たちに不利な証言を付け加えた
「ゲシュタポのスパイでした」
「豚に疫病を流行らせ白ロシアのウマに貧血を起こして農業を破壊した」
ある囚人は1932年にコペンハーゲンのブリストルホテルでトロッキーの息子と陰謀を企てたと証言した。そのホテルは1917年に解体されていたのである
滑稽無頭、奇天烈な自供をして自ら進んで処刑を望む被告人たちに海外は驚愕した
ジョージ=オーウェルはこのありえない罪の告白を風刺した
西側の共産党シンパたちは滑稽無頭な裁判を称賛した
集合的な目的はあらゆる手段を正当化する。コミュニティは個人を、実験用のネズミや犠牲の仔羊のように扱うのだ
イワノフ
スターリン主義者にとって個人は国家の犠牲になるものだ。大いなる善に使えるための真実と道徳こそが必要だ
党が誤りを犯すはずない
個人は無であり、党は全てである
真昼の暗黒より
海外ではソヴィエトは被告人に自らの罪を認めさせる秘密の技法をしたのではと考えられた
ナチスはこの裁判に狼狽した。スターリンがソヴィエトが闇の説得術に関する新しい兵器を開発したことを示したのだから
私の名誉に懸けていう
私は訊問中に自供した犯罪に関して、全くの無実である
私は、私の知らぬ、私が何一つ解らぬ罪に関しても、その責任を負う
なぜ やってもいない犯罪を自供したの
パブロフの脚本はキリスト教の異端審問、帝政ロシアの秘密警察より洗練した洗脳システムだった
ある日いきなり連行される
「私が何をしたというのか?」
「党が大義なく人を逮捕しない。罪を犯したからこそ ここにいるのだ」
囚人たちは自供すればより良い食事、独房を提供すると提案される
拷問されている人の悲鳴が聞こえる中での訊問者
訊問者は優しくなったと思いきやいきなり怒鳴り散らすを繰り返す
矛盾点が有れば徹底追求
独房監禁
粗末な食事
睡眠遮断
ゲオルギ=ビャタコフ(経済学者)は罪を自供した
自業自得で全てを奪われ、党を失い、友人もなく、家族もなくし、自分自身を失った
ヨブ
裕福で恵まれた人ヨブという人がいました
ヨブは家族、財産、家を失いホームレス状態になります。さらには皮膚病にかかります。皮膚が痛痒く睡眠さえとれません
ヨブの友人たちは「神に罪を犯したからこのような目にあうのだ。お前は神に対して何の罪を犯したのか?」と問いただす
妻でさえ「神を呪って死になさい」と詰め寄った
ヨブの唯一の出口は悔い改めと、神の叡智にたいする信仰である
部族のある者は剣にかけられ、野獣に食われ、疫病で死ぬだろう‥だがそれでも部族そのものが何がどうあれ勝利する
ソヴィエトはスターリンが神にあたるのだ。ソヴィエトではスターリンは神となったのだ
ユーリ=スレズキネ(歴史家)は自供とヨブの物語との不気味な類似を指摘した
やがてパブロフの脚本は同じ共産主義 毛沢東に受け継がれて「洗脳」になる