「春だから苺ケーキを作ったの」
「ケーキを切るわよ」
「ケーキを切るといえば社会問題よ。最近はケーキを三等分きれない若者が社会問題になっているの」
埼玉県で高校生が惨殺した猫の死体を晒しもにし、さらに中学校に侵入して教師を刺しました。少年は「誰でもいいから殺したかった」
スシローなど格安寿司チェーンで回転するお寿司にイタズラする少年の動画が次々に貼られる食テロが横行
なぜ、こんな事件がおきるのか?
子供の問題行動は突然降ってきません。生まれてから現在に至るまで、全てがつながっています
食テロ少年たちにしても、猫少年にしても
認知の歪み
共感力、想像力の欠如
があり、それを見過ごされていました。犯罪者と同じ特徴があったのです
少年院の子供たちの特徴
少年院の子供たちに丸いケーキを三等分しなさいという問題をだしましたが
彼らはできません
A君もB君も大きいのは自分の分なのだろうか?
「120度にして三つの切り込みをつくる」という発想がないのです
- 簡単な足し算、引き算ができない
- 漢字が読めない
- 簡単な図形を写せない
- 短い文書すら復唱できない
- 感情のコントロールができない
- 人とのコミュニケーションがうまくいかない
- 集団行動ができない
- 忘れものが多い
- 集中できない
- 勉強のやる気がない
- やりたくないことはしたくない
- 嘘をつく
- 人のせいにする
- じっと座っていられない
- 身体の使い方が不器用
- 自信がない
- 先生の注意を聞けない
- その場に応じた対応ができない
境界線知能
知的障害 知能指数70以下
境界知能 70から85まで(35人に一人の割合)
見る力がないのは
認知機能の歪み
世の中の全てが歪んでみえる
正確に書き写す器用さ
見る力がなければ聞く力もありません
考える力がなければみえないものを創造する力がありません
少年たちは「犯罪をなぜやったの?」と聞いても彼らは答えられません
非行行為をなぜしたかについて
「なぜ盗んだの?」
「うーん…欲しかった」
被害者に対してどうおもうの?
「悪い」
「後先のことを考えていなかった」
これからどうするの
「後先のことを考えて行動をする」
彼らは何が悪いのか理解できていません
捕まったから悪い
よくわからないけど怒られないために反省しよう
そのため、彼らはまた同じ非行を繰り返します
非行少年の特徴
- 認知機能の弱さ
- 融通のきかなさ
- 不適切な自己評価
- 対人スキルの乏しさ
- 身体的不器用さ
- 想像力の欠如
なぜ、犯罪を犯すのか?
想像力の欠如
想像力
想像力は相手の気持ちを汲み取る、周囲の空気に合わせる。自分の行動にたいしての周囲の影響を考える力です。想像力が欠如すれば先の計画ができません
人を殺してどうしていけないの?
どうして盗んでいけないの?
このような問いかけをする子供は自分が殺される。盗まれる可能性を想像できません
計画性はない
計画力は実行機能と呼ばれます。計画力が弱ければ、何でも思いつきで行動している状態になります
欲しいものがあるがお金がないとき。欲しいものが高額な時、その場合私たちは
- 親に欲しいものがあると説得する
- バイトをして稼き、貯金して購入する
などで欲しいものを手にいれます
実行機能が弱いとより安易な方法、つまり犯罪
万引きしたり、窃盗をしたり、脅し取ったり、騙し取ったりする安易な方法をと選択します。将来を想像できないため、犯罪をしたら、捕まるリスクを考えません
想像力が弱ければ努力できない
想像力が弱ければ、時間の概念はみえません。時間の概念を想像できない子供は
昨日
今日
明日
の三日間の世界しかありません。数分先のことすら管理できない子供もいます。このような子供は
- 今、我慢して努力すれば将来より良い人生が送れる
- 勉強して定期テストで良い成績を取り内申点を良すれば推薦で進学できる
- 部活のトレーニングを頑張って試合に勝つ
- 勉強して資格を取る
- 将来医者になりたいから勉強する
といった将来に対しての具体的な目標が立てられません。具体的な目標がたてられないと人間は努力しなくなります
努力しなくて何が悪いの?
努力しなければ
- 成功体験
- 達成感
- 成長がない
日々の小さな達成と成功体験がない人間はいつまでたっても自信や自尊心が得られず、自己評価が低い人間になります
また、努力しない人間が「他人の努力」が理解できません
誰かが労働という努力をして稼いだお金でバイクを買います。努力を知らない人間は、他人がようやく努力して得たバイクを平気で盗んでしまうのです
また、彼らは想像力が苦手です。他者を慮る気持ちは想像力です。想像力が未熟であれば
万引きしたらお店の人が困る
窃盗をしたら 被害者が傷つく
ということがわかりません
警察に補導され、少年院で反省するように促されても他者を慮る想像力がなければ
罪悪感もありませんし
葛藤もなく、後悔もなければ
反省することはできません
計画性、想像力の未発達の彼らはまた同じ犯罪を繰り返します
少年院の子供たちに
「自分はどんな人間ですか?」
八割の少年は「自分は優しい人間だ」と答える。傷害、傷害致死、連続強姦、放火事件をおこした少年たちは、自分を優しい人間と評価していた
自己評価ができていない
少年院では
- 自分のことは棚にあげて、他人の欠点ばかり指摘する
- どんな酷い犯罪を行っても自分は優しい人間だという
彼らの自己評価は極端な誇大妄想か被害妄想であり、等身大の自己評価ができている子はいなかった
問題を抱える人間が「自分はこのままでいい」と思い込んでしまったら問題を正そうとしません
また、自己評価の低すぎる人は「何をやってもダメだ」と思い込み問題を正そうとしません
自尊感情をあげれば良いのでは?
自尊感情は高ければ高いほど良いのではなく、ありのまま、等身大の自分を受け入れ自分はこれからどうするか?というプロセスが必要です
人間性の向上
ある人が不適切な感情がある場合。その人がそれを正したいという気持ちを持つには、まず「今の自分を知る」という適切な自己評価がスタートになります
自分の問題行動力や課題を気づかせ「より良い自分になりたい」という自己洞察、自己内省が行えます
人間は理想と現実の中で揺れ動きながらも、自分の中に「正しい規範」をつくり、それを参照しながら、努力し、理想の自分に近づいていくのです
更正のためには、自分の行った非行、悪行としっかり向き合うこと、被害者のことも考えて内省すること、自己洞察が必要ですが、彼らは自己洞察する能力がありません
自覚状態理論
自己に注意が行くと、他人からみられている。自分を客観視する。自分の声を聴く、自己規範が生まれます
ある行為が自己規範にそぐわなければ不快感を感じ、悪行を回避します
認知機能の欠如
認知機能の歪みのため彼らは、少年院に入っている自分の立場すら理解できていないのです
認知機能が弱い少年は、矯正教育を行っても積み重ねができません
「今日はここまで学んだのだから、次はここから学ぼう」と指導する側が思っていても、以前教えた内容はすっかり抜けて0になってしまいます
被害者の手記を読ませようとしても、文章を読むことから教えなければなりません
反省以前の問題なのです
対人スキル
認知機能が弱いと対人スキルにも影響します
聞く力が弱い
友達の話を理解できず話についていけない
見る力が弱い
相手の表情、仕草が読めず空気が読めず周囲と馴染めない
想像力が弱い
相手の立場、気持ちが理解できず、相手を不快にさせてしまう
自分の言動の先の予見ができない
原因
勉強ができず、遅刻、忘れものだらけで不真面目な生徒にみられ
教師から皆能力前で叱られたり、体罰を受けた、虐め被害者
親から虐待、ネグレクト
いち早く発達障害、境界線知能を発見して支援を受けさせる
苦手なことはやらせてはいけないの?
苦手なことをさせないとは、恐ろしいことです、いつまでたってもそれができません
得意なこと出来ることを増やし、理想の自分に近づくようにサポートしてあげましょう