2018年3月10日 滋賀県守山市で母親から長年教育虐待を受けた娘が母親を殺害した
複雑な家庭
被害者である桐生しのぶは私生児として生まれた。母親はアメリカ人と結婚するが離婚して、軍医であるアメリカ人と再婚するとしのぶは叔母に育てられた。工業高校卒業後、しのぶはアメリカに住む両親と暮らした。医者である義理の父は羽振りが良くしのぶは「医者の娘」として特権意識を持ったのかもしれない
お見合いで結婚したしのぶは娘に「希望の灯火」という意味の名をつけた。しのぶは娘を医者にしたいという夢をみて娘に英才教育を施した
教育虐待
あかり（仮名）はものごころついたときから母親から罵倒されていた。なにかを壊した時母にクローゼットに閉じ込められたことはトラウマになっている
５才の時英会話教室に通わされた。幼いときから叱責されながら勉強させられた。間違ったり答えられないと 怖い顔で机を叩いたり舌打ちしたりされた
怖い顔で威圧する
「みっともない」 が母の口癖だった
子供の前で悪口を言う
改築された近所の公立中学の校舎を「バカ学校なのに綺麗にして」と見下すように呟いていた
小学校に入学するとテスト９０点以下禁止というルールがつくられた
テストの問題は授業で習ったことしか出ないんだから、…満点が取れて当たり前！
お母さんは人に言われなくても、塾に通わなくても自分の意思で努力してよい成績をとってきたのだから、お母さんよりずっと恵まれてるあかちゃんはできて当然。できないのがおかしい
人に言われなくても良い成績の母は工業高校である。もし、９０点以下を取ると
脅す
こんな点数じゃ、付属なんていけないよ？バカ学校しか入れないよ
平日は二から三時間、休日は４から六時間母と勉強 間違えると
他人と比較して否定
本当にあかちゃんはバカよね。他の賢い子はみなできてるよ
高学年から塾に通うが成績は芳しくなく家庭教師をつけられたが成績は良くならない。小六の時、母から包丁で切りつけられた。今でも切りつけられた傷がある
料理はいつもスーパーのお惣菜を盛り付けるだけだった
母はディズニーランドなどテーマパークが好きで、毎年一度は母子二人でディズニーランドを満喫した
勉強しないとお父さんみたいに名前が書ければはいれるような大学にしか入れない
子供の父親を否定する
父は止まり木のような存在（娘）
父はあかりにとって休める場所だったが母は些細な事から父を罵った
子供の前で夫婦喧嘩
温厚な父はあかりが小六の時 父は会社の寮に入ってしまう。母にとっては父親不在のほうが良かったのかもしれない
選民思想
母親は公立中学はバカ、みっともないと話していて あかりもそう思い込んでいた
あかちゃんは誰かの下で働いたり、人と上手くやっていったりできる性格じゃないの。だから人の上に立つような仕事に就かなきゃいけないの。お医者さんは…誰からも尊敬される仕事でしょ…あかちゃんは誰からこきつかわれたり、嫌いな人と仲良くしたりとかしたい？
否定できない誘導詰問をする
あかちゃんはアメリカのおじいちゃんみたいに立派なお医者さんになりたいんでしょ…お母さん(祖母)もあかちゃんがお医者さんになりたいというから、アメリカのおばあちゃんにお金をだしてもらったり…頑張っているんでしょ
私立中学進学したあかりは中学生の時作文コンクールで入賞。しかしこの作文は母が代筆した。それだけではなく祖母や親戚に贈る手紙、読者感想文、作文は母が全て代筆していた
娘はこんなかわいくて出来のいい子だとなんだと演出するためだった（娘）
医学部に行くには金がかかる。裕福な祖母、親戚から金銭援助を受けるため 娘優秀伝説を創作したようだ
あかりは 始末書という名の長々した反省文(私が至らなく母に迷惑かけてご免なさい的な内容)を書かされた。全て母親監修のもと書かれたものである
私立中学で成績はのびなやんでいく。成績が悪いと罵声と「罰」と与えられた
罵声、詰問
何でこんなこともできないの？結果がでないのは努力が足りないからだよ
罵倒
- 嘘つき
- バカ
- デブ
- 不細工
命令
- 言い訳しない
- 寝るな
- 素直に謝れ
- 家から出ていけ
- 学校をやめろ
家から出ていけ、学校やめろに対し「分かった」と答えると「開きなおりやがって」土下座強要された
蒸し返し
あんたは保育園、小学校、中学校の時から…クドクド
脅迫
- お父さんみたいになるよ
- バカ学校にしか入れないよ
- ちゃんとした成績とれなかったら学校辞めさせるからね
存在否定
- あんたなんか生まなきゃ良かった
- 死ねばいいのに
- 消えろ
恩をきせる
お母さんはあかちゃんのために働いている
罰から逃れるため あかりは成績表を改竄して母にみせたが偽造は見破られ母は激昂した。ストーブのやかんに入っていた熱湯をコップに注いで 娘の太ももにかけて火傷をおわせた。泣きじゃくる娘に
…今後は挽回しなさいよ…病院に連れていってあげるから、勉強中にうっかり飲み物こぼしたって言いなさい
追い詰められた娘はテストでカンニングしてし。カンニングは教師にばれてしまう。不正行為をしたあかりは学校で評価は良くなかった
高校一年生の時、あかりが工業高校の男子生徒とデートをした後振られたことを知った母親は
工業高校のくせに生意気な
母も工業高校卒である。母は娘の友人をかたりメールでやりとりして責め立てて 男子高校生に謝罪させた
過保護すぎる母に辟易してあかりは高校の時、何度も家出をしたが母に連れ戻された
母が希望する大学は滋賀医科大学だった。家から通えることとお金のかからないという理由からだ
滋賀医科大学は現役で医学部に合格する人の割合 ３５%。三者面談で看護学科はA判定だが、医学部のほうは厳しいと志望校の再考を勧められた
何なのあの担任！あかちゃんが医者にふさわしくないって失礼な！たかが高校教師風情でなめた口利きやがって！そもそもあかりちゃんがあんな恥さらしな成績しか取れなかったからでしょうが！バカたれが！お母さんに大恥かかせやがって！ちゃんと勉強しろ！
志望校の偏差値が足りないぶん掃除機のえで叩く。偏差値が１０足りなければ１０回叩かれる。そのうち掃除機のパイプにヒビが入ってしまい。洋服タンスの鉄パイプに変更した。叩かれたあとは「申し訳ありません。ありがとうございました」という
勉強は母が購入した問題集を解かせられ それを母が監視した
携帯電話は全てチェックされた
毎晩母と入浴(ガス代節約のため)
就寝前母を３０分から一時間全身マッサージ
試しに受けた防衛大学、別大学の理学部も落ちてしまう。本命の滋賀医科大学落ちてしまう
娘は親に内緒で浜松医科大学を推薦でうけた
母の希望は医者の娘をいつまでも手元に置くことのため浜松医科大学ではだめなのだ。結局試験さえ受けれず 連れ戻された
母は自宅から通える京都大学看護学科を受験しろと命令した。娘に拒否権はない
京都大学看護学科も不合格になってしまう。母親は京都大学看護学科を合格したと親戚に話し仮面浪人して京大医学部へいけと命令した
私はあんたを生んだ時から、医者にすると決めていたのよ。逆らうんなら慰謝料と今までの学費１０００万円払ってね
あかりは再び家出したが。 母に内緒で寮つきの会社を面接した。未成年のため会社が家に電話をかけたため母親に知られて断られた
あかりは京大に落ちたと祖母に伝えると祖母からは「あんたは親心をわかっていない」と責められた。母は「私とお母さんと大おばさんはあんたの倍以上の絆があるんだから」と勝ち誇ったように言った。あかりには逃げ場がなかった
２０歳になると親の許可なく就職できる。あかりは家出して会社の面接を受ける。家出したが母親は私立探偵を使ってあかりを連れ戻した
あきらめて勉強しなさい。あかちゃんはそうするしかないの。また逃げてもいいよ。でも、お母さんは探すよ。あかちゃんが合格するまで、ずっと
結局あかりは９浪した
母は鬼の看守で、私は卑屈な囚人だった。母は私を嘲り、叱責し、罵った。私は嘘をつき、媚びへつらった。互いに憎み、死を願っていた。狭い家の中と、近所のスーパーと、ショッピングモールが暮らしの全てだった（娘）
母は眠れないと睡眠薬を大量に飲む
娘に「私は自由になりたい！私も好きなようにするから、お母さんも好きなこと見つければ」って言われても…母親は娘あっての母親でしょ？今さら好きなようにって…今までしたことは何なの？
２０１４年 看護学科を主席で合格
成績も良好で、授業料免除の対象者となった。入学後の母は柔和で社交的になり友人と出かけるようになった。あかりは母から 看護学科に入る女子は、皆、馬鹿で意地悪な遊び人と刷り込まれていたが同級生は みな教養、目的があり、優しかった。あかりは９歳下の同級生たちと打ち解けキャンパスライフを楽しんだ
二回生の時に助産師課程選抜試験に落ちると母はモンスターに豹変した
またお母さんとの約束を破りやがって！嘘つき！馬鹿！死ね！助産師になることが条件で大学に入れてやったのだから、助産師になれないならやめてしまえ！
大学の交通費は高いと 母は嫌みを言われ続けたあかりは追い詰められた。あかりは嫌みを言われないためバスの回数券を偽造交通費を浮かそうとしたが 偽造は見抜かれ 警察のお世話になる。この一件で母は助産師学校に行くように強要した
毎年五万人が受かる看護師と比べ助産師は２０００人。模試の判定はD
あんたの頭にあるのは、ただ自分が好きに生きるためなら人を利用して、裏切ることなんて何とも思わず、その場限りの口からでまかせが幾らでも言えて、バレたら逆ギレして、最後は逃げる…結局は自分以外の人間の気持ちなんて無視…
人を利用するのも、自分以外の人間の気持ちを無視しているのも逆ギレするのも娘ではなく母である。あかりが嘘をついたのは母の要求が達成できないものであり 母の体罰、罵りを回避するために嘘をつかざる得なかった
母にとって、助産師になるという約束を果たせない私は娘ではないのだ（娘）
あかりは附属病院の看護師として勤務することが内定していた。あかりは助産師より看護師のほうになりたかった
深夜娘が隠し持ったスマホを発見した母親はスマホを庭に投げ壊した後、その場で娘に土下座強要し土下座の写真を４枚撮影した。あかりの中に殺意がわく
２０１８年 １月１９日 あかりは助産師の試験に落ちてしまう
母はラインゲームをしながら、娘を長々と激しく叱責した後、マッサージをするように命じた。母が寝入ると、母を刺した
モンスターを倒した。これで一安心だ
遺体は浴槽でバラバラにして解体してゴミの日に捨てたが、胴体部分が解体できなく、近所の河川に遺棄した。死体が発見され娘は逮捕された
あかりは 母は自分で包丁で首をきって自殺した。自分は死体遺棄をしただけと主張し続けた
大津地裁 懲役１５年
お母さんに敷かれたレールを歩み続けていましたが、これからは自分の人生を歩んでください(裁判官)
あかりに同情し温情的な裁判官の判決文を聞いた時、あかりは自分の苦しみを理解してもらえたように感じ少し楽な気持ちになった
あかりの父は、月に一度面会にきた。生活費を援助し、本、衣類、日用品の差し入れ、年金の支払いなど諸々の手続きまで支援した。あかりは父に「何でお父さんは、私をずっと支えてくれるの？」と問うと父は「家族だから」
母は 医者か助産師になる約束を果たさなければ愛さないという条件付きの愛しか与えられなかったが 父は 殺人犯の娘を無条件に受け入れた。あかりは母を殺したことを認めた
「娘が看護士として就職することを断固反対し、内定を蹴って助産学校に入るよう母親が強制してくる」という、私ですら理解できない苦悩を…誰に何を切り出して相談すれば良いのか、全く思い付かなかった（娘）
２０２１年 あかりは大阪高裁で懲役１０年に厳刑された
あかりはカンニングしたり、試験の結果、バスの回数券を偽造したり、不正行為を繰り返した。全ては母から叱責を回避するため。母からの叱責を回避するためには母の口を封じ込めるしかなかった
お前みたいな奴、死ねばいいのに」と罵倒されては、「私はお前が死んだ後の人生を生きる」と心の中で呟いていた（娘）
母親という監獄から解放された娘は今は監獄にいる
いずれ、私か母のどちらかが死ななければ終わらなかったと現在でも確信している（娘）
家出を何度も繰り返しても連れ戻されたあかり、殺さなければ母親が寿命を全うするまで支配されただろう。母の監獄よりリアル監獄のほうが短く救いがあった。娘は母の狂気は自分のために良かれと思いやったこととは認識はしていると述べてはいる。Yahoo!ニュースなどsnsでは「刑期が重すぎる」加害者である娘に対する同情と共感の声が溢れかえっている
