村井秀夫
大阪府立高校→大阪大学物理学学科→同大学院宇宙物理学専攻→大手鉄鋼メーカー就職
「自分はこんな研究したい」と上司に提案したが「会社の利益にならない」と退けされた。研究は10年やってナンボの世界 村井は研究者として虚しさを感じた
今、やっている研究が将来にどうつながるかわからない(会社の自己申告書)
何かに夢中になれば寝食を忘れて没頭する「天才型」。しかし、何ごとも長続きしなかった
凝り性
非社交的
科学好きだが、人間には興味がなかった
見た目は大仏に似ているが、人間に冷たかった
高校生の時代の愛読書は サマセット=モームの「魔術師」
魔術師
オリヴァ=ハドゥは 恋人のあるマーガレットに片想いをする。オリヴァはマーガレットの意思の力を奪い、自動傀儡人形にして自分と結婚させる。しかし彼女は心臓病に亡くなってしまう
マーガレットの恋人はボエロ博士と招魂の魔法でマーガレットを呼びだし、真実を知る
彼らはハドゥと格闘して倒したあと、ハドゥの実験室を発見した。実験室では彼の作り出した奇怪な生き物がうごめいていた
オウムではサリンのことを「魔法」と呼んでいた
人間の限界に挑戦したい(村井)
妻と共にオウムに入信→出家
反対する両親に「僕の気持ちはこの本の中にあるから」と「カモメのジョナサン」を両親に手渡した
カモメのジョナサン
ジョナサンはより良い飛び方を独りでひたすら練習していた。仲間たちからも、両親からも理解されなかった
お前は一羽のカモメに過ぎない。もともとお前にできることには限りがあるのだ(ジョナサン父)
練習に練習を重ねたジョナサンは「限界突破」という低空飛行を習得した
漁船と岸との間とのよたよたとする代わりに、生きる目的が生まれたのだ
我々は無知から抜け出して自己を向上することもできるし
知性と特殊技術を備えた高等生物なのだと自認することも可能なのだ
我々は自由になれる
いかに飛ぶかを学ぶことができる
限界突破飛行を完成したジョナサンは尊敬されるどころか、群れから排斥されてしまう
そんな馬鹿な(限界突破)なんだぞ!連中にはわからないのか!奴らが間違っている
「ジョナサン リヴィングストンよ、汝もやがて悟るであろう
無責任な行いが割に合わぬものだということを。‥ただ我らは餌を食べ、そして与うる限り生きながら得るべくこの世に生を受けたということのみなのだ」
生きることの意味や、生活のもっと高い目的を発見して行う、そのようなカモメこそ最も責任感の強いカモメじゃありませんか
排斥されたジョナサンの元に向上心の強いカモメたちが続々と弟子になる
移動するしか念頭になく、完全なるもののことなど軽蔑しているカモメどもはノロマで、どこにも行けぬ
群れの仲間たちみたいにただ飛んで、餌を啄み、ヒナを産んで‥そんな生き方ではなく、より良いカモメ生を送りたいというカモメのジョナサンと自分を重ねた
自由に飛びたい
噂というやつは誰かを悪魔にしちまうか神様に祭りあげてしまうかのどちらかだ
村井は自称「超能力者」である「魔術師」麻原に出会ってしまう。村井は「魔術師」の傀儡人形にされた
麻原の空中浮遊こそが彼の向上心になり
麻原こそが彼の「神」になった
そうすれば、お前は過去と未来を自由に飛行できるようになる
魔術師から「実験室」を与えられた村井は数々の兵器を発明をする
麻原「宙に浮く座布団を作れないか」
村井「はい、すぐに作ります
麻原「空気よりかるい金属をつくれ」
村井「はい、わかりました」
潜水艦、ビラ配りマシーン
全て失敗
これが村井が宗教に逃避した理由だろう
勉強はでき、真面目だが、コミニケーションにかなりの偏りがある。そのくせプライドばかり高く、使い物にならない
麻原のイエスマンとして気に入られ No.2になり数々のテロ、リンチを支持のもと実行された
正しい掟というのは、自由へ導いてくれるものだけだ
穏やかな見た目は裏腹に残酷と恐れられた
君がおそらく100万羽に1羽という、滅多にいない鳥だったてことさ
人間の限界ではなく、人間性の限界を超越した
天国とは、場所ではない。時間でもない。天国とはすなわち、完成なる境地のことなのだから
最後の言葉
ユダにやられた
天国
お前が真に完全なるスピードに達しえた時には、お前はまさに天国に届こうとしているのだ‥完全なるものは、限界を持たぬ。完全なスピードとは、よいか、それはすなわち、即ここに在る、ということだ
村井が天国(地獄かな?)に行った途端 信者たちが「村井の指示がー」と一斉に言い出した。殺され 本人に言い分がないためスケープゴートにされた感は否めない
両親は「カモメのジョナサンなど見たくない」と無念そうに語る
「ジョナサンのようになりたい」ジョナサンかつての仲間に毒ガスをまくとか、テロ行為はしなかったのだが
彼の生き方は誰からも理解されなかった
我々は自由なんだ。好きなところへ行き、ありのままの自分でいいのさ
カモメのジョナサンより引用
新実智正
鋭い眼光と、広角の上り気味の印象的な顔。もともとは礼儀正しく、明るくて、優しい、真面目な人
少年時代 障害のためイジメを受けていた。そのため空手を習う
青年期には鉄道自殺を2回目撃
劣等感に悩まされた新実は「人間は何のために生きるのだろう」と常に考えて 阿含宗などいくつかの宗教団体に所属した
大学は法学部、商科をまなんでいた。大学卒業後は地元の味噌会社に就職。明るくものおじしない性格で営業を担当。営業成績も良く会社から信頼されていた
オカルト好き、ノストラダモスの大予言、雑誌「ムー」の愛読者の新実は麻原の空中浮遊記事によりオウム道場に通いはじめた。神秘体験後は麻原に盲信する
自分は守られていると信じて時速120kmの車で田んぼに突っ込むが、全く怪我もなかった常軌を逸した行動をしてしまう
出家後、修行中信者の突然死に麻原の命令のまま死体遺棄をしてしまう。この死体遺棄のあと脱会しようとした田口さんの首の骨を折って殺害
坂本一家殺人事件にも参加。信者の中でも最も血生臭い役割を果たした。26人の殺人事件に加担
1990年に、オウムではすでに何かの菌の培養をやっていて、村井と新實はそれを何処かにばら撒きに行った。二人とも頭はツルツルで、真新しい作業着をきて、いかにも目立つ異様な格好なのに、本人たちはそう見えることがわからない。この頃にはもう、普通の感覚を失っていました(元信者)
田口さんの事件の後、新実は痛々しくなるほど苦悩する姿が出家信者たちから目撃されている。坂本一家殺人事件は苦しみながら実行した。もともとは性根の優しい青年が様々な違法事件に関与しているうちに、現実感覚が無くなってしてしまったと考えられる
麻原「もし新実に1人殺してこいと言ったら百人殺してくるんだろいな」
新実「はい、頑張ります」
裁判で新実は麻原を憧れの女性に再会するように陶酔したように見ていた
洗脳され、自己を失ったのではなく、自分の責任で果報としての覚悟を決め、行ってきた。他人と尊師の責任と言い逃れをしたくない
ポアについて
ポアは慈悲の心による救済
坂本一家殺害について
このまま真理に背かせるては良くないから、殺害してやったほうが、寧ろ本人のためにもなり、ましな世界には転生できるという考えるもありました。私たちはこのような考えを持っていたから、通常の人ではできない殺害や、死体遺棄ができたのです
信者リンチ死について
私の頭は尊師ばかりで、自分にとっての功徳は、相手にとっても良くないことであるとの教えを、ひたすら唱えております‥自分のした事について「すいません」とか「申し訳ない」とか、言うつもりはありません。それを言うくらいなら、最初からしなければよいのです
信仰を自分の真理を最後まで貫いた新実は被害者遺族はただ呆れ返った
私の言葉で傷つくなら、傷つかない「本当の心を求めて欲しい
シャンバラ化計画
以外に優しい
井上被告を庇って当初井上の役割を供述しなかった
井上さんが死刑になりたくないと考えているなら、出来るだけ協力をしたかった
麻原について
「私が尊師に希望することは一つ。最終完全解脱を目指していただきたい」
「将来もグルから人を殺せと指示があれば喜んで実践する
死刑判決の時は こくりとうなづいた
他の信者から見た新実
日本語のわかるドーベルマン(岡崎)
オウム神仙の会時代の弟子 佐々木が新実がオウムに入信した理由を聞くと新実は「偉くなったら、付き合っている彼女を迎えに行きたいんです」と答えた。信仰よりも超能力目当てだったようだ
新実なんて宗教の「し」の字も知らなかったから単なるイエスマンで上の言うことにへつらうだけだった。新実が全ての事件な関与してるのは当然だと思う(元幹部)
晩年
来世では(麻原)の弟子になることはないだろう
遠藤誠一
1960 北海道出身
小中学校時代 真面目で成績優秀。学級委員を務めたこともある。帯広地区さん大獣医学科に合格。大学入学直前に父が癌で亡くなる
父の死
京都大学院に進学。母親は京都大学院に進学したことを近所に自慢した。院ではウィルス学を専攻する
浮いた存在
一度、それまでやっていた研究を放り出して3ヶ月行方不明になっていたことがあり、研究室の中で人間関係が悪くなり、浮いていた
看護学校で講師のアルバイトをやっていたが、ある日突然ですが「明日から頼む」と同僚に押し付けて何日か居なくなってしまうこともあって、我儘だと評判だった(読売新聞)
オウム入信により退学した。京大では浮いていた遠藤は 教団ではジーヴァカ楝という研究室を与えられ生物兵器を作るように指示された。生物兵器は全て失敗したがチオペンタールを製造した
遠藤は生物兵器の専門家と思わない。遠藤の方法では有毒種はできない。有毒なものができなかったのは(製造している)幸運だった。もしできていたら(あの程度の設備では)君たちが死んでいただろう(17年目の真実)
気性が激しく癇癪を起こしては部下に物を投げつけることがあったため評判は悪く、部下である土谷からは嫌われ、中川からは無能扱いされた。地下鉄サリンの製造に関わり逮捕
裁判では証言拒否。弁護人解任して訴訟を遅延させた
裁判
拒否します
弁護士を解任
99 1月14日 第103回公判で
もともとサリン事件を支持したのは、この法廷にある麻原さんです
人を直に殺したことはないが死刑判決を受けた。死刑判決後は
他の12人(自分を含む)は死刑でも麻原を死刑にしないでくれ
と麻原に帰依していた。麻原の4女の婚約者でもある
死刑執行
(享年58)すでに身寄りがなく遺体はアレフに引き取られた。その後火葬され遺骨は故郷の北海道の海に散骨された
殺人マシン
林秦男
1957 3人兄弟の末っ子として生まれた
無理をしたせいで、体を壊してしまい健康のためにヨガ教室に通ったのがオウムのヨガだったのが運の尽き
地下鉄サリン事件では一袋余計に持つ役せざるを得ない状況に置かれた。林泰男がサリンを撒いた車両とホームでは合計8人も亡くなった人がいた。兵器を持ったまま2年間逃亡 そのため「殺人マシン」と呼ばれた
裁判では誠実に証言をした
判決文では人格を褒めちぎられながらも死刑判決を受けた
最後の言葉
生かされて感謝しています
横山真人
サリン配布実行犯。一人も殺していないが死刑。寡黙で口下手な男性。裁判では動揺し、感情的になりあまり話せなかった。気の弱い性格からかかなり暴力的な取り調べを受け萎縮したという
誰にどう話しても、理解してもらうことはできない
饒舌な林医師が2人殺したのに無期懲役で口下手な横山は一人も殺してないのに死刑になった。オウム裁判は饒舌であればあるほどに死刑を免れるということになる
麻原の執行から1週間後、弁護士の「また会えるかな」に対し
これまでお世話になりました
と笑顔で返した
信者たちは普通の感覚を失っていた
(修行で逆さ吊りにされて死んだ信者について)
「一時間半坂さづりすることだけで残酷なことでしょう」
「オウムの常識と一般常識を比べられても」(オウム信者)
現実感の欠如、他人の感情、想い、人権などに対する想像力の希薄さはカルト信者の特徴である
感情をおし殺すようにと洗脳する
オウム真理教では、あらゆる感情を滅却するべきと教えている。両親の死に臨んでも、平然としていることが義とされる。嘆き悲しむのは修行が足りない証拠と教えられるのだ
死にゆく者の魂を惑わすことによって高い世界への生まれ変わりを妨害することになる
日常的に感情を殺すように努めているうちに、自然と喜怒哀楽が表に出ないようになりました
偏った死生観
死の恐怖は、ほとんどの生物の中には情報として書き込まれており、死を恐れない生物はありません。死の不安のない生物がいたとしたら、とっくの昔に絶滅しています
カルト信者は各々のカルトにより、死の概念を植えつけられる
あんたの話は淡々とし過ぎている。人間の死に対して現実的な感覚がない。あっけらかんとしている。他人の死に対して現実的に考えられん奴は、自分の死に対しても現実的になれん。死刑をどの程度考えているのか疑問や。まぁこれはあんただけやなくて、被告人を含めたオウムの人全般に感じることやな(岡崎被告に対しての弁護士の言葉)
交通事故
オウムでは信者が結構死んでるいるんです。僕はそれは何か変だと思いまして他の信者に質問したんです。そしたら
「そういう人たは死んでも良いのよ。尊師は40億年後に弥勒菩薩となって生まれ変わって今、死んだ人の魂を引き上げてくださるんですから」
という答えが返ってきた。女性幹部さえ
「この世で尊師と縁を持つことができた人間は幸せなのら。今仮に地獄に落としておいても、後からちゃんと引き上げてくださるから」
カルト宗教の教えとは、現世で不幸な人に、現世の否定し、来るべき背後世界(天国、楽園、極楽浄土、輪廻)で信者をハッピーにする事だ。「背後世界で輪廻転生する」「背後世界で永遠で生きる」信者たちにとっては背後世界がほんとうの世界であり 現世の今ある命を人生を否定する
彼らは現世の生命は仮のものと考え、団体の無料奉仕に人生を費やす
現世の自分の命を顧みない彼らは他人の生命をも軽んじるようになる
私たちの考えは六道を輪廻転生しています。死はあくまでも通過点です(A4)
約束された「輪廻転生」は背後世界世界であるため「ない」と検証はできない
世を憎む
彼らは社会経験がない学生さんばかりなのにぜか社会を敵視していた
常識は真理ではない
社会がみた「こちら側」はただの「常識」であり「真実」でも「真理」でもない
常識は時代とともに変わる
勉強して学歴をつけて、一流企業に勤め、毎日電車乗って会社に通って、結婚して、子供を育て、親の介護をして、最後は年老いて死ぬ
その生き方が真理なのかどうかは誰も知らない
私たちは皆 自分の生き方が正しいかわからないから、人生の節目ごとに「これでいいのだ」と「常識」を「真実」にするしかない
リキュルゴルス、ソロン、マホメット、ナポレオンといった人類の法の制定者たちはですね、皆が皆、一人の例外もなく犯罪者であった
カルト信者は必ずしも間違っているわけではない。麻原のテロが成功すれば 麻原が法律になるのだ
彼らは新しい法を与えることによって‥古い法を破った‥彼らは流血も辞さなかった(罪と罰)
カルト信者からみたら向こう側の「常識」は偽りの世界で、自分のいる「こちら側のが「真理」の世界なのだから