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娘はなぜ母を殺したのか?ディーディブランチャード事件

2006 ハリケーン カトリーナ災害で 難病を抱えた娘を持つシングルマザーが被災者として報道された

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娘 ジプシーは生後3ヶ月で 睡眠無呼吸症候群になり8歳で 筋ジストロフィーになり立つことができず車椅子生活。それ以降は学校に通っていない。ジプシーはそれ以降 白血病、喘息、聴覚障害視覚障害など様々な慢性疾患を抱え7歳程度の知的レベルしかない。

この不幸な被災者親子がメディアで報道されると全米中からディーディ親子に義援金が集まったf:id:jw1972w:20231023093002j:image

  • ディズニーワールド無料招待
  • 無料の航空便
  • コンサートのバックステージのパス
  • バリアフリーの一軒家がプレゼントされた

2015年6月14日 ディーディのフェイスブック

あのメス豚、やっと死にやがった

あのデブ豚を切り刻んで、可愛くて純粋な娘をレイプしてやったぜ

という奇妙なテキストが投稿された。ディーディの友人たちは不審に思い警察に通報した。警察が家宅捜査を行なったところ、がベッドルームで他殺体のディーディ(48歳)を発見された。娘のジプシーの姿は見当たらない。ジプシーの酸素マスクや栄養チューブ、車椅子は残されたままだった。警察はジプシーが拉致され監禁されていると考えた。酸素マスク、栄誉チューブもない状態であれば、生命の危険性がある。事態は一刻を争った

フェイスブックの発信源であるニコラス家に突入した警察官の視界に飛び込んだのは、金色のウイッグを被り、自らの足でしっかり歩くジプシーだった

ディーディ=ブランチャード

1967年 ディーディ=ブランチャード生まれる。ディーディは幼い頃からディーディは問題行動を繰り返した

  • 自分に都合の悪いことを誤魔化したり
  • 小細工してやり過ごそうとする一面があった
  • 何か気に入らないことがあると、その「報復」として、相手のモノを盗む手癖の悪さがあった(家族、親族の証言)   
  • 実の母親の介護に食事を与えず死亡させた疑い
  • 継母の食事に「薬物」を混入した疑い。継母はディーディの作った食事を食べると具合が悪くなった。ディーディと別居した途端 継母は体調を取戻した

ディーディ24歳の時、高校生のロッド=ブランチ(17歳)と交際し、妊娠する。ディーディとロッドは結婚するが、娘 ジプシーが生まれる前に離婚した

ジプシーは生後3ヶ月無呼吸症候群と診断され、数々の難病に見舞われた。それは全てディーディの自作自演だった。ジプシーの障害を疑う医師もいたが看護師だったディーディは理論武装していたので、検査をせず診断は確定された

ディーディの目的
  • 給付金と 
  • ジプシーの父親からの関心と養育費
  • 世間から「重度障害児を甲斐甲斐しく介護する慈悲深いの聖母」として注目を集めることだった

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「慈悲深い聖母」という物語をディーディが脚本をかき、監督であり主演であり助演はジプシーだった

ジプシー7歳の時、転んで脚を擦りむくと、ディーディは歩行器であるかせ、車椅子生活をさせた

  • 薬、注射漬け
  • 何度も手術
  • 食事はチューブ
  • 髪を坊主に剃り上げる

ジプシーは歯をほとんど失った

幼くみせるためにジプシーの出生証明書を偽装して年齢を4歳ひくくした。ジプシーは15年間自分の年齢を知らなかった。ディーディはミュンヒハウゼン症候群と考えらる

ミュンヒハウゼン症候群

ミュンヒハウゼン症候群とは、虚偽製障害の一つである。周囲の関心を集め同情されたり、注目されるために、虚偽の病気を装い、自分の身体を傷つけ、次々と病院を渡り歩く精神疾患。「ほら吹き男爵」のミュンヒハウゼン男爵の名前をとってつけられた

代理ミュンヒハウゼン症候群

自分の子供や近親者などを病気に仕立て上げて周囲の関心をひく代理ミュンヒハウゼン症候群という。子供に代理ミュンヒハウゼン症候群するのは98%が母親である。ミュンヒハウゼン症候群境界性パーソナリティ障害の一つである。この病気が残酷なのは、健康な子供を薬漬け、注射打ちまくり、必要ない手術を何回も受けさせられる。場合によっては死に至らされる

共依存

機能不全家族で育った子供は自分の家、親が普通と信じている。やがて学校に通うようになりクラスメートとコミニケーションを重ねると自分の家が親が普通でないことを気づく。難病とされたジプシー8歳から学校に通えず四六時中毒母と共にいたため母の異常さに気が付かなかった。二人は共依存関係だった

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ディーディはジプシーを学校に通わせないことでジプシーを完全支配したがほころびがあらわれる

ほころび

ほころびとはジプシーの成長である。ジプシーはいつの頃からか、自分は本当は歩けること、チューブをつけなくても食事ができることが理解できるようになっていた

ジプシーは公衆の門前で、母の描いた「難病の娘を慈しむ慈悲深い母親」という脚本どうりに演じなけければならなかった。人前に出る時は母親は常にジプシーの手を握り ジプシーが年齢相応の振る舞いをすると母親はきつく手を握りしめ警告を発した。母の意向とうりに演技ができない日は、後でお仕置きがあった。ジプシーは手錠をかけられベッドに縛り付けられ、ハンガーで殴りつけられた

ジプシーが母の虐待を外部に訴えないよう「お前の言うことは誰も信じない」と洗脳した。またジプシーの父親について「アル中でDVを振るい養育費を払わないクズ」と洗脳していた

「母の言っていることは本当なのか?母を信頼していいのか?」ジプシーは母に疑念を抱き始めた。やがてジプシーは母親が眠りにつくとSNSで外の世界とつながることを覚えた

2011 ジプシーはオンラインで知り合った男性と結託し二人で逃亡を試みたが、母親にすぐ見つかり連れ戻された

怒り狂った母親はジプシーのパソコンをハンマーで壊し「今度逃げたら、あんたの指をハンマーで叩き折るわよ」と脅し2週間ベッドに縛り付けた

それでもジプシーの探究心は抑えられない。母の寝静まった後を見計らい、インターネットを続け2013年 ニコラス=ゴディジョンという青年と知り合いSNS上で逢瀬を重ねた。2015年ジプシーとニコラスは映画館で落ち合う約束をした。ジプシーは映画館で「トイレに行ってくる」と母親に告げ母親のもとを離れた。ジプシーはニコラスをトイレに誘い性交渉した。なかなか帰ってこないジプシーを心配したディーディは2人を引き離した

ある日ニコラスは「君のためならなんでもするよ」とメッセージを送るとジプシーは「だったら私の母を殺して」と返信した。二人はディーディ殺害計画を練り始めた。ニコラスにとってジプシーはお姫様だった。ニコラスはディズニーみたいな悪い母親に監禁されたお姫様を救う騎士になったつもりなのかもしれない

夢を叶えよう

塔の上のラプンツェル

2015 6月9日 ニコラスはジプシーの自宅にやってきた。ディーディが眠りにつくと、ジプシーはニコラスを自宅に招き入れ 事前に用意したガムテープと手袋とナイフを渡した。ニコラスは母親の部屋に忍びこむと17回ナイフで刺した

ジプシーはバスルームで耳を塞いでことが終わるのを待っていた。悪い魔女を倒した二人は紙おむつで血を振り取り証拠隠滅をしたあと、となりの部屋で何度も身体を重ねた。その後二人は4000ドルの現金を持ち出しタクシーでモーテルに向かった

世界は広い。出る勇気ある?

塔の上のラプンツェル

フェイスブックの投稿がもとで二人は呆気なく捕まった

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裁判

ジプシーは長年にわたり母親から虐待を受けたことが情状酌量され懲役10年

共犯のニコラスの弁護士はニコラスが境界知能で自閉症であり判断力がなかったと減刑を訴えたが 第一級殺人罪として終身刑が言い渡された。終身刑となったニコラスはジプシーと過ごした日々を

人生の中では最高の日々だった 

と語る。境界性知能で自閉症のニコラスにとってこの世界は生きづらかったであろう。ジプシーとの逃避行数日間は 彼にとっては このような輝く日々だったのかもしれない

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一方 ジプシー「本当に殺すなんて思わなかった」「怖くて止められなかった」と梯子を外した。初めて対面した映画館ではジプシーはニコラスのことを「気味が悪かった」と述べていた。ニコラスにとってジプシーは悪い魔女に囚われたプリンセスだったがジプシーにとってニコラスは王子様ではなかった

生まれてからずっと支配され、操作され ジプシーは母親の背中から何が人間を動かすのかをつぶさにみていた ジプシーは母から人心掌握と対人操作を学んでいた

私はおとぎ話のように救われて、お姫様になれると思っていたの。でも、おとぎ話ではじまった物語は… ホラーで終わってしまったわ 

ラプンツェルは母親のエゴで髪を切らせてもらえず18年間塔に閉じ込められた

ジプシーは母親のエゴで髪を刈り上げられ16年間閉じ込められた。ディズニーの世界では悪い母親を殺してハッピーエンドになるが現実の世界では悪い母親を殺したら逮捕される

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ジプシーは刑務所に入ってからチューブ食ではないちゃんとしたご飯が食べれるようになり 体重が六キロ増え、髪を長く伸ばしお洒落を楽しめるようになった。ジプシーは代理ミュンヒハウゼン症候群を調べ「母とだいぶ当てはまる」と語った

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母と暮らしていた時よりも、今のほうがよほど自由だわ。だって、私は普通の女性のように生きることをゆるされているのですから

ジプシーの父親であるロッドは、娘が早く刑務所から出所できるよう、署名活動を続けており、これまでに20万票が集まっているという

ジプシーの今

支援者と獄中結婚しました。ジプシーは出所したら、自分と同じ境遇の人を支援したいと語っている