なぜ世界の至るところに宗教があるのか?
災害
古代の人々は雷、日食、天災などの自然に悩まされた
死
また死んだらどこにいくのだろうなどと悩まされた。不完全な部分情報である人間は、自分の生まれる前の過去と自分が死んだあとの未来を知ることはできず、語れません
生まれる前のこと、死んだ後あとのことの説明のつかない世界に対して、部分情報である人間な何らかの説明を求める気持ちを強く抱くのは当然です。そして、それを解き明かしてくれるはずの、完全情報として神を求めるようになるわけです
不安
不安が大きくなると「病」になる。それを事前に回避するたコーピングの一つとして「宗教」をつくった
人々は、人知を超えた自然現象が起きた時「神の怒り」と考えた
宗教「儀式」「祈り」によって心の拠り所を作ったのだ
「神は必ず死ぬ運命にある人間の不安を解消するために作られたものなのね」
宗教のはじまり
新宗教は、多くの場合、町の「拝み屋さん」から始まる。「拝み屋さん」とは、霊能力を使って、病気治しや祈祷、占い、さらには人生相談までするような霊能者である。拝み屋さんをサポートし、組織を運営できるパートナーがあらわれると、町の拝み屋さんは、教祖へ発展します
やがてお客さんが増えてくると、信者同士を組織化する仕組みが必要です
縦線
縦線とは自分を入信へ導いた人と導かれた人、導かれた人が更に他者を導き、それを繰り返すと数珠のような縦の組織ができます。これは親から子へ「擬似家族」のようなものです
横線
近隣の信者たちが地域的な連帯の組織
この縦と横のネットワークが完成すると、信者同士の連帯は強まり組織は安定します
宗教の構成要件3種
1.教義
- 人間観 人間とは何か。生と死の意味。運命
- 世界観 世界全体の見方
- 実在感 神、悪魔、預言者、法
2.儀式
- 念仏、お経、祈り
- 舞踊、神楽
3.教団、集団
集団心理
人間は複数の他者との関わりの中で、毎日を暮らしている社会的な生き物です。人間には誰かと共に行動したい親和要求がある
誰とも会話んせず、顔も合わせず、一人で過ごすと神経が過敏になり、強い不安を感じます。こうした精神的苦痛は最大となったのち、急激に減少し、今度は無力感に支配されます
幻覚などが見え、最後は「生きていこう」という気力さえ失います
人間は社会的動物
動物の新しく産まれた個体は、親からの保護や教育を受ける事なく、独自の力で成長する。哺乳類においても、授乳によって育てられる期間は人間と比較すると短く、生きるのに必要な能力馬予め本能の中に組み込まれている
人間は他者からの保護や教育を受けることによって、初めて生きうる存在となる
人が教育において修得する知識のほとんどは、自分が産まれる前に存在した人々によって作り出され、伝達されてきたものなのである
人間は常に、自分より前に生きた人間の「続き」を生きていか行かなければならないのである
人間は生まれ、育ち、老い、最後には死を迎える。全ては無に変えるかのように見える。しかし、実はそうではない。死んだ人間が生きている間に作り上げた財産、彼が伝達した知識は残された者に継承されるのだ。このように考えれば、人間の生は、その死後も存続する
人間が死者をゴミとして廃棄することができないのはそのためである
生存者たちは、死者の継続の証を葬儀、墓というものにして記録するのだ
宗教とは生死を超えた人間のつながりなのだ
先祖崇拝
土地や家、田畑など あなたはこの土地をどういう理由であなたは所有しているのですか?と問われたら
この土地馬先祖が切り開き、その子孫が代々継承したものである。我々は祖先の魂を弔う儀式を今でも継続している。この土地を所有する権利があるのだ
土地の所有の正当性
土地の所有を安定するために先祖崇拝が行われるのだ
キリスト教
中世ヨーロッパは、地域住民の誕生、結婚、死亡、裁判。教会や修道院は地域住民の共同体なのだ
人間は、他者とのつながりの中で生きていく存在なのである
集団に属すると強くなれる
人間は一人では生きていけない。そのために同じ目標、夢を持つ人々と群れたい要求があるの
学校や会社だけでなく、サークル活動やクラブ私たち人間は様々な集団に所属するの」
集団力学
グループ・ダイナミクス(レヴィン)
共同体 人間は集団の共同体をつくる
1.企業、学校
その集団の活動の魅力。やりたい仕事ができる企業。将来の目的が達成できそうな学校など。集団そのものに魅力を感じる
2.集団が持つ目標の魅力
好きなスポーツチームのサポーター。好きなタレントの親衛隊、ファンクラブ。その集団が持っている目標そのものが魅力になる
3.社会価値
一流企業、一流大学。所属することで社会的ステータスになる集団
4.目標達成のための魅力
有名スポーツクラブ。予備校など。そこに通えば実力が磨ける。知識を得られる
5.人間関係
所属する者同士が仲間となり、そこでの交流が喜びとなる
集団に所属すると、一人ではなし得なかったことができ。仲間と切磋琢磨して同じ目標を達成できるというメリットがある
私たち人間は古代から群れをなして、同じ神を崇拝すれば「結束」して「安心」できる。集団は強くなる。これを不敗幻想といいます
集団ができれば必ずリーダー、中心的存在が出てくる
リーダー
リーダーになる人(テイラー)
目立つ人(顕著性)今そこで起きている出来事の原因であると考えられる
集団の人間関係はフェアではない
1対1の人間関係は「支配」「服従」の力関係かあり必ずしもフェアではない
支配と服従
1.強制的勢力
言うことを聞かなければ体罰を与える
例
- 教師と生徒
- 親と子
- 上司と部下的
2.報酬的な勢力
食事を奢ってもらう約束で仕事をする人
「パパ活ね」
3正当性勢力
病院での医師、看護婦、災害現場の消防士、レスキュー隊
4.準拠的勢力
師弟関係
5.専門的勢力
スポーツクラブのインストラクター、電化製品が壊れた時直してくれる人
6.情報的勢力
情報の発信者
「インフルエンサーね」
集団になれば「支配するもの」「服従する者」が必ずでてくる
これらの人間関係は受け入れる側によって決定する
支配しようとしても受け入れり方が服従しなければ成り立ちません
企業などは、部や課ごとに上司がおり、その下に部下がいるという組織が形作られている。このような組織の中で、人は社会的存在と認知されて社会的アイデンティティを確立していく
組織的コミュニティ
1.情報の授受
2.指示の授受
3.許可の付与
部所、課などのフォーマルコミュニケーション型形式的
インフォーマルコミュニケーション型 所属する部署、課以外、枠を越えた関係。独自の集団。これを「派閥」という
派閥
フォーマルコミュニケーションよりも仲間意識が強い
人間は自分の通う学校、会社、サークルなどは
帰属意識
自分が所属する集団に対し、親近感、一体感を感じるを持つ
「うちの会社」「うちの学校」と表現するのは
職場や会社を自分の一部と考えているとみなしているからです。こうした感覚をコミットメントという。ただその組織に所属しているだけでは生まれません
1.組織に対する信頼
2.自分が組織の代理になろうとする姿勢
3.組織の一員でい続けたい
以上の感情が芽生えた時、人はその組織に帰属意識を持ちはじめる
会社てビジネスマンの関係ならば
ビジネスマンは能力、知識、経験を会社に提供し
会社はその仕事に見合う報酬、仲間との連帯感を与える
こね報酬が個人にとって満足できるものならば組織に対するコミットメントは強くなる
「うちの会社」
「うちの学校」
「うちの地元」
と表現するのは、その人自身を表す一部となっている。所属する集団があることで人間は安心するのだ
社会的アイデンティティ
自分の所属する地域や集団が高く評価されると 自分の社会的アイデンティティが高く評価されたことになります
例えば自分の母校が甲子園に出場すると、自分が野球部でなくとも、自分のことのように誇らしげに感じる時があります
この心理を「光欲」といいます
大阪人は皆阪神タイガースを応援する心理
名古屋人はドラゴンズを応援する心理
WBCになると日本を応援する心理
この心理を内集団ひいき性といいます。何かを成し遂げるためには「集団」「組織」を結成するのは重要です。でも組織は必ずしも安心とはいえません
人は集団の中で生きる時、自分の意見や考えを違うことでも受け入れ、集団と足並み揃えてた考え方や行動パターンをとります
「同調行動ね。長いものに巻かれる」
同調行動
ソロモン=アッシュの同調心理
被験者にまず左の基準線を見せ、右の3本の線の中から、基準の線と同じ長さの線はどれか答えてもらう
(画像livedoor news)
被験者が一人の時正解率は100%でした
次は、サクラを用意してサクラが全員間違った解答をすると
37%の人が間違えてしまったのです。私たちは「正しく」なくとも周囲に合わせてしまうのです
1.屈服
報酬や罰による受容
2.同一化
他者や集団の意見や方向性を進んで受け入れる。例)親、尊敬する誰かの生き方、価値観を真似する
3.内面化
他者、集団の持っている価値観と自分の価値観が一致する
企業などの「組織」「集団」には、メンバー全員が同じ考えや行動をするように働く斉一性の圧力がある
その組織の目標達成への意欲や協力し合う気持ちを、高めて維持するために必要な圧力
国の法律に則っている就業規制、誰もが納得する拠り所があるならば問題はないが
物理的な拠り所が何もない場合、社会的真実性が、斉一性の手がかりになります。これは「皆んなが同じように考えることが正しい」というのが判断基準になる
最初の誰かの判断に倣っていくうちに、それがそのまま組織の判断になり、その集団の基準になる
そして「集団」は、合理的判断よりも、こちらを優先させる
入社した会社で変、非合理的なルールがあった場合
「このルールは非合理的だ」と発言できるだろうか?
会議で自分の考えだけ皆と違ってもその違う意見を発言できるか
ほとんどの人は皆と同じ意見に合わせてしまう
これを満場一致の幻という
一人で意思を貫くことは非常な精神力がなければならない
私たち個人は皆それぞれ自分の考え、意見を持っている
しかし集団の中に入っていくと自分の考えを主張できなくなり、行動も集団の動きに従ってしまう
宗教組織
「宗教とは人知を超えた現象に対する心の回避行動と集団行動なのね」
「信仰」「信念」
1.教祖
個人の直接知覚によって形成
2.社会的推論によって形成
3.信念
他者(教祖、開祖)の信念を取り入れる形
宗教では、1と3の要素が強くなる。指導者などの言説を繰り返し聞いていると
聞かされた思想、考え、教義が肉体化され刷り込まれていく
この刷り込まれた思考が「信念」となり、「思考」になり、同時にパーソナリティの大きな構成要素になる
「洗脳ね」
このようにして形成された「信念」は、今度は他者や社会に向けて影響を及ぼす
「勧誘ね」
教祖の教えを自分の言葉で他者に勧めることにより、さらに信念と信仰は強固な信念となる
肥大した組織
信者が増え、組織が大きくなるのは良いことなのですが人間が肥満体になると、身動きが取れなくなり、そのうちに様々な病気を併発します。人間の身体には標準体型があるのと同様に集団にも適正規模があります
イタリアには「船を動かす人数」数十人から200人程度
狩猟、採集民族の適正規模を調査した結果、150人程度が集団の適正規模。150人以上になるとまた新たな共同体を作る
150人以上は組織が結束しにくいのだ
例えば
小学校のクラス40人クラスと30人クラス教師の接し方はどちらが質が良いだろう
組織の教育の質を高めるには適正人数があるのだ
宗教組織にはしても一人の支部長につきせいぜい100人。それ以上増えると支部長目が行き届かなくなるのだ
「だからエホバの証人の会衆は数十人から150程度なのね」
宗教組織は信者が増えれば、指導者(教師)不足になるというジレンマを抱えます
組織は指導者を育てなければなりません
指導者以外にも布教者を育てることも、宗教組織には課題です
日本の新興宗教は、この問題を解決するためにある方法を思いつきました。それは「信者全員を布教者にする」という手法です
伝統的宗教は布教信者と一般信者は分けられています
信者全員が布教者になれば、組織の機動力も強まります。布教することを信仰の一環に位置づけば、信者のモチベーションを高めます
組織が強化されると組織外との思想の違いが明らかになります。思想の違いは時として集団間の争いを引き起こす
肉体化された思考は、正しい主張は我にあるという姿勢になり、他者や思想の集団の争いが激化する
例)血液型占い
A型は真面目で神経質、O型は能天気など科学的根拠もない
人間はもともと集団をカテゴリー別にして分類したい要求があるカテゴリー化である
人間をカテゴリーするとシンプルで楽だからだ
人間を分類する時は、自分自身も何処に入るか分類します
自分の所属する集団「内グループ」それ以外「外グループ」と線引きします
私たち人間は「自分の所属する集団」を好意的に見て 外集団には否定的になりがちです
あまりに集団意識が強くなると外の人に対して
- 分断
- 対立
- 不寛容になります
原理主義が無差別テロを起こすのは線引きのさいたるものだ。
人間は楽をしたいから人間をカテゴリーに分類化する。しかし、わけ過ぎれば思考停止につながる
教義を信じる信仰に支えられた思想は、一般の価値基準からズレてもそれを容易には修正できない
信仰心は、盲目的で一元的な意思によって支えられている
そこが宗教団体の信者と普通の社会的集団と違うところなのだ
鋼の錬金術師
死んだ母親を錬金術で錬金術で生き返らせ(ようと試みたエルリック兄弟(人体錬金は禁忌)神の領域を侵したため身体を奪われた。身体を取り戻す為「賢者の石」」を探し旅にでる。
新興宗教により支配された街に立ち寄る主人公たち
信者のローズによると「奇跡の業」によって生きる者には不滅の魂を死せる者には復活を与えるという教えだった
「何処かで聞いたことがあるような」
幼い時に両親をさらには恋人を亡くたローズは奇跡の復活の業を信じ信者になったのだ
教祖の「奇跡の業」が「賢者の石」によっておこなわれていたと勘付いたエルリック兄弟は教団に潜入する
教祖との直接対決の場面
「ペテンで教祖におさまって何をのぞむ?金なら賢者の石を使えばいくらでも手に入るだろう?」
「金は信者の寄付という形で入ってくる。むしろ私のためなら喜んで命も捨てようという従順な信者
こそが必要だ素晴らしいぞ死をも恐れぬ最強の軍団だ・・馬鹿信者どもはこの私に騙されきっているのだからな!」
カルト宗教の真の目的はカルト上層部の権力追求です。
その後教祖は兄弟によってペテンと町の人に暴かれたその時、ローズは兄弟に向かって
「これからあたしは!何にすがって生きればいいのよ!」
この少女は「依存症」です。あまりにも不幸な生い立ちに宗教に救いを求めたのです
理不尽、または不幸が立て続けにおきた精神不安定な人が宗教に傾倒します
「信仰」と「盲信」を履き違えていてペテンでもなんでもいいからとにかく依存したいのです。そのため女性が多い(女性は依存心が強い傾向にある)
カルト教祖は9割が自己愛性人格障害といわれています
自己愛性人格障害
ありのままの自分を愛せず他人を利用、犠牲にして権力などを得ようとする
特徴
1.特権意識
2.他人を利用する
嘘ついても
3.共感能力の欠如
4.常に賛美、称賛を要求
5,他人に嫉妬する
他人が自分を嫉妬してると妄想
6.弱者に尊大な態度
7.非現実的な目標
8.権力追求
鋼の錬金術師では教祖はペテンであることを認めているけどカルトの教祖は自分が本気で神の代弁者と思いこんでるようです
空想虚言症
自分が神の代弁者であると本気で妄想しているため嘘をついているように見えません。ですから依存症の人は信じてしまいます。
宗教依存症
現実の事柄の因果関係を考えて問題解決や目標達成の努力をせず、宗教の勉強や儀式などを熱心に行うことが問題解決になると思いむ
結果
全ての物事の判断を宗教に委ねるので私生活が破綻する
https://shukyoizon.com/shikumi/
カルトとは権力欲を持つ自己愛性人格障害(教祖、幹部)となんでもいいからすがりたい依存症(信者)のムーブメント集団です
信者は教祖、幹部の奴隷にされる
現在のカルト
スピュチアル
自分探し
自己啓発
宗教とは、人間の生死にかかわる問いに究極の解答を与えようとする
そうである故に、宗教的なものはなくならない
資本主義
「お金」という完全情報に対しては憧れを抱き
「お金がないと不安」
「金こそ全て」
などそこに普遍の価値を見いだす脳内現象です
共産主義
資本主義に対こうするために作られた主義。労働こそが唯一絶対の価値観であると信仰する宗教現象です
ある宗教は、その宗教文化に属さない人から見れば、滑稽な信念に見えてしまう可能性もある
宗教=怪しいもの
というイメージがあるため、「宗教を否定する宗教が、むしろ今のトレンドである