「私たち監禁されているわ」
「逃げれないわー」
「監禁、逃げれないといえばパトリシア=ハーストよ
今日はパトリシアハーストを学ぶわよ」
パトリシア=ハースト
新聞王 ハーストの孫として生まれた。ハースト家の相続人として何不自由ないセレブな人生を謳歌していた
大学生となったパトリシアは婚約者と高級マンションに同居していた
1974 2月4日 高級マンションで寛いでいたところ、パトリシア(19歳)はSLAに銃を突きつけられ銃の台尻で殴られ殴られ、車のトランクに押し込まれた
Symbionese
Liberation
Army
リーダーのドナルド=デフリースは刑務所に服役中 マルクス、革命に関する本に啓発された。脱獄したドナルドはSLAを創設した。
メンバーはアフリカにちなんだ名前に改名した。彼らは武装した
レイシズム、ファシズム、資本主義、個人主義、所有、競争‥の復讐という妄想に耽った。彼らの声明文は
「人民を貪るファシストたちに死を」
SLAはオークランド教育委員会の委員長を殺害することによりテロリストデビューした
SLAは有名になるための更なるターゲットを定めた。彼らは大富豪令嬢パトリシア=ハースト誘拐を企てた
ハースト令嬢を拉致したSLAはパトリシアの両親に反抗声明とカルフォルニアの貧困層に70ドルの食料を与える要求をした。大変な金額だったがパトリシアの両親は貧困層に食料支給した。それでもパトリシアは解放されなかった
パトリシアのテープはラディカル、プロパガンダ的になって行く
4月3日 パトリシアがSLAのメンバーになったと反抗声明と写真が送られてきた
4月15日 SLAは銀行を襲撃。2名の市民を殺害。防犯カメラには銃を持ったパトリシアが映っていた。大富豪の令嬢が誘拐されテロリストに‥この事件は世間に衝撃を与えた
画像 Wikipedia
5月6日 万引きして捕まったメンバーを救出するため、パトリシアはマシンガンを乱射した
私は本能的に行動していました。何故ならそうするように訓練され叩きこまれたからです
5月17日 FBIはSLAのアジトを襲撃。銃撃戦なよりメンバー6名射殺。パトリシアは他の2人のメンバーと外出中だった
6月7日 SLAの反抗声明テープが送られた。パトリシアは自分をテーニアと名乗り「死を恐れず戦う」両親を「ファシストの豚」と呼んだ
潜伏中、パトリシア一行は小説家にインタビューを受けた。「洗脳されているのですか?」という問いに対し
「学校教育にはじまって‥社会で支配階級の奴隷としての地位を受け入れるように人々を条件づけるプロセス」洗脳とは権力に従えと教える学校教育だ」と答えた
数々の爆破事件
再び銀行強盗(妊婦殺害)
1975 9月18日 FBIはパトリシアと残りのメンバーを逮捕。逮捕時にパトリシアは失禁した
画像 Wikipedia
パトリシアは「ムカつくぜ。クソ野郎」と悪態をつき、自分の職業を「都市ゲリラ」と名乗り拳の挨拶をしてみせた
しばらくするとパトリシアは落ち着いてきた
自分はクローゼットに閉じ込められ、毎日暴力を受け、メンバーのウィリアム=ウォルフとドナルド=でフリーズからクローゼットの中で強姦されされ続け「殺される」と思った。生き延びるために洗脳されたと主張しはじめた
SLAのメンバーは
- クローゼットには絨毯がひいてあった。時々外に出していた
- 自分たちはパトリシアに暴力を振るっていない。慰めていた
- 誘拐の怪我はかすり傷
- パトリシアはウィリアム=ウォルフからから貰ったお守りを逮捕さるまで肌身離さず持っていた。誘ってきたのはパトリシアである
ーパトリシアの(過激な)反抗声明テープは編集したのか?
「そうよ。テーニアがあまりにも過激なことを言うので編集しています。テーニアがあんな人とは思わなかったわ」
潜伏中パトリシアは一人になった時がいくつかあった。だがパトリシアは逃げなかった
パトリシアの行動には矛盾がたくさんある
なぜあなたは逃げなかったのか?
パトリシアは裁判で検察官からこの問いを何度も問いかけられた。更に「あなたの恋人について教えて下さい」と問われた
パトリシアとパトリシアの弁護士は洗脳されたと主張した
ハーストは洗脳されたのか?
何であれ二ヶ月で革命家に仕立て上げられるものではない。これは政治的というよりも宗教的なものだ‥彼女は生き延びるためにどうしても適用しなければならなかったのです
レジス=ドゥプレ(革命家)
パトリシアは懲役35年の判決を受けた
パトリシア=ハースト洗脳の手口
トランクに押し込められたパトリシアが泣いていると「口を閉じろビッチ。さもなきゃそのファックなオツムを吹き飛ばしてやるよ」
私は殺されると思いました
1. 情報遮断
拉致されたパトリシアは手枷、猿ぐつわ、目隠しをさせられ、二ヶ月程 荷物の詰まったクローゼットの暗闇に閉じ込められ押し込められた
2.生理的要求の剥奪
パトリシアは常に飢餓状態に置かれた
3. 人権、自尊心の剥奪
お手洗いに行かせてくれと懇願すると
「おい見ろよ。このファンシーなお嬢様よぉ。リアル マリ=アントワネットか?いいか。しょんべんしないならよぉ。こう言うんだ。「しょんべんしたいです。うんこならだ「うんこ出ます」だぁ
4. 恐怖
パトリシアは毎日暴力を振るわれた。癇癪持ちのハリス夫妻は彼女を殴打した
「メソメソしてんじゃねぇ、いい加減しやがれ‥このクソッタレのブルジョアビッチが
更に2人のメンバーからはクローゼットの中で強姦された
5. 不安を煽る
SLAは世界中で活動していて、パトリシアがどくに逃げても必ず追いかけてハースト家を粛正すると脅した。「逃げても無駄だ」
情報遮断、人権剥奪、暴行、死の恐怖、ターゲットは学習性無気力に陥る
5. 訊問
メンバーはパトリシアに訊問をはじめた
「‥違うわ‥」
と答えたら殴られた。SLAにとって都合の良いことを答えると彼らは優しくなった
私は人民の敵である私の家族について彼らが言ったことを全て認め、彼らが望んでいるような答えをすることを憶えました
6. 暴虐と優しさを不規則に繰り返す
パトリシアは殴られないため、クローゼットの闇から出してもらうため、食事をもらうためパブロフの犬のようにSLAの気にいる答えを模索し彼らの気にいる言動をするようになった
8週間後
彼らの意のままに動くパトリシアをみたメンバーはパトリシアに問いかけた
「俺たちはなぁ。お前が気に入った。だからお前を殺したくないんだ。殺さずに済むんならな。良く考えろ」
パトリシアには2つの選択肢が与えられた
7. 究極の2次元選択肢
- 仲間になるか?
- なぶり殺されるか?
あなたがパトリシアと同じ状況に陥った時、あなたはどちらを選ぶだろうか?
パトリシアは生き延びることを選択した
メンバーはパトリシアにチェ=ゲバラと共に戦った女性「テーニア」の名前をパトリシアに与えた
8. 新しい人格
ターゲットに別の名前を与え、以前の人格を捨てさせ新しい人格を植え付ける。「テーニア」と命名されたパトリシアは大富豪ハースト令嬢パトリシアを捨て去り、SLAに忠実なメンバーとして行動した。常にパトリシアはメンバーに監視されていた
SLAでは主要メンバー以外は、白人のインテリ層の子息か多かったことから、この手法でインテリメンバーは洗脳されたといえよう
人間は極限状態に置かれた時、生き延びることを最優先する本能がある
人は生き延びるために洗脳を受け入れるのだ。どんな人間でも、優秀でも、馬鹿ても、貧困層でも、大富豪の令嬢でも誰でも洗脳されるのだ
生き延びるため洗脳された
この判決は厳しすぎるとパトリシアに同情の声が集まった。後に大統領となるレーガン議員などらがパトリシアの釈放を署名した
1977 ジミーカーター大統領はパトリシアを仮釈放した
釈放後、パトリシアは様々なメディアでインタビューを受けた
2000 クリントン大統領はパトリシアに恩赦を与えた
パトリシアはボディーガードの男性と結婚し、母となり、女優として活躍している
参考文献