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ストックホルム症候群

1973 ヤン=エリック=オルソンはストックホルムの銀行に強盗しに押し入った。オルソンは4人の銀行員を人質に取り籠城した。警察は銀行を数日に渡り包囲し警察はオルソンと交渉を続けた。オルソンは大金と仲間の釈放を要求。仲間は釈放したが交渉は難航した

政府へ人質の健康状態を確認するために警察に調べさせるように求め、犯人は承諾した

警官はめんくらった。人質たちは敵意に満ち満ちて黙りこくり、オルソンは人質たちの腰に手をまわしていた

人質 「私たちが恐れているのは、警官の攻撃で私たちが死ぬことです」

首相 「警察はそんなことしませんよ」

人質「犯人たちとは一緒に行かせてください‥警察が追ってくることさえなければ、彼らは私を解放してくれるんです」

首相「警察があなたを傷つけることはありません」

人質 「でもいまの状況では、信じることはできません」

オルソンは人質たちに銃を突きつけ、人間の盾をつくらせているのにも関わらず、人質たちはオルソンに愛情的なポディディブの感情を抱き救出者である警察には敵意をあらわにした。犯人たちが寝ている間は人質たちが警察に銃を突きつけた

犯人は投降した。犯人も人質も無事だった

世間を驚かせたのは、人質たちが犯人に接吻し、お別れの握手をしたことだ。解放後の事情聴取さえ被害者たちは自分たちが助かったのは犯人のおかげであり、警察に敵意を示した。獄中の犯人に会いに行った被害者もいた

この現象はストックホルム症候群と名付けられた

凶悪犯のちょっとした親切で被害者は好感を持ってしまう

クリスティンはトイレに行く時、オルソンはローブを外したという。その途上、彼女は警察が廊下に隠れているのを見た。警察が人質が何人いるのか聞かれると、彼女は指を立てて示した

「(その時)まるで裏切り者のように感じました。何故だかわかりません」

人質ビルギッタは武装警官の接近に気づき、叫んだ「撃たないで」犯人はその声に応射し、警官は負傷した

被害者たちは自分の感情が理解できず医者に尋ねた

「何故彼らが憎くならないのでしょう?」

よど号ハイジャック事件では解放された人質たちが実行犯に「頑張れよ」とエールを送った

2002 14歳のエリザベス=スマートが誘拐された。誘拐犯に9ヶ月にわたり連れ回されたが一度も彼女は逃げようとしなかった。もし逃げたら、どこまでも追いかけてきて、お前と家族を皆殺しにすると脅されたからだ。

なぜあなたは逃亡したり、叫んだり、反撃しなかったんですか?

何故何もしなかったんですかって聞くもんじゃないわ。訊いている本人にだってどうすれば良かったなんて全然わからないんだし、当然だれかを裁く権利もない、あなたしがやったのは、全部が全部生き延びるためよ。もっと何かをやっていたら、助かった時もあったかもしれない。けど助かってなかったかも。だから何を後悔してるかって?ないわ

「犯人は私の生存権を掌握した

しかし、犯人は私を殺さなかった」

解放の際には友好的に別れ、互いの健闘を祈る。元人質の中には犯人を好ましく思い出す者もいる

犯人が私を生かせてくれたから、生きていたんです。誰かの命を自由にできて、なのにそれを返してくれるような人はあまりいません。それが終わって、私たちは安全になったのに、あの人は手錠をかけられています。わたしは彼に近づいて一人一人にちがついて、一人一人に接吻してかと『命を返してくれてありがとう』と言いました

人間は「生きたい」という要求がある

人質は生き延びたいが、人質の命は完全に犯人に依存している

依存

幼児は食事、排泄、移動もままならない。幼児の命は養育者に依存している

同様に 武器を持った犯人により拘束され、監禁させられる

人質は食事、排泄、移動も人質の命は犯人に依存している

感覚遮断と絶え間ない死の恐怖

犯人は人質の生存権を支配する

生殺与奪を掌握 

この狭い世界で犯人は神のような存在となる

人質は飲食を犯人から与えられ、会話、移動、トイレなどを犯人の許可を得なくてはならない

犯人が食事を与えてくれた。トイレを許可してくれたと感謝する

命、生活の全てを犯人に依存する人質は幼児のような存在になる

幼児が親に依存し、愛情を感じるように、人質は犯人を慕うのだ

犯人と親しくなることは、実際に生き延び率を上げる

生き延びるために 最悪(人質にされた)の中の最善の策(犯人と親しくする)を目指す

人質は犯人の野蛮さよりも、時折りみせる優しさ(トイレに行かせる。食事を与えるなど生理的要求)に集中する

しかし。矛盾が生じる

死の恐怖と理不尽の感情

自分の生命の危機を作り出しているのは犯人であるのにポディディブな感情を抱かなくてはならない

その矛盾を解消するためには、何か別のものにネガティヴな感情を向けなくてはならない

そのネガティヴな感情は、自分がポディディブな感情を抱がなければならない犯人に攻撃しようとする 警察にネガティヴな感情に抱くのだ

「犯人の言う通りにしなければ私は助からない」

警察さえいなければ、万事上手くいってと犯人は言いました‥私が犯人に拘束されたのは警察の所為だと私は思ったのです

警察は犯人に向け銃を構える行為も、盾にされた人質にとっては自分に銃を向けていると感じ恐怖、敵意を感じる

実際、救出の際に人質も一緒に亡くなってしまうケースは多いので人質たちが被害妄想に陥っているわけではない

被害者は加害者に「自分の体験したことがあの程度で済んで良かった」と感謝する。この体験を作り出したのは加害者なのに

人間は死にそうになると、性的欲求が高まる。死ぬ前に子孫をつくり自身のDNAを残したい欲求がある

生き延びるためには「強いDNA」を持ったものが必要だ

今この場所を支配する最も強い者のDNAは この空間を支配する犯人なのだ

最も強いDNAを持った犯人に(犯人のせいで死にそうになっている)を好きになってしまう

吊り橋効果もある。恐怖のドキドキは恋のドキドキと同じなのだ

被害者は恐怖のドキドキを感じていたが、犯人を肯定的にみるといマインドコントロールをかけて恐怖のドキドキを恋のドキドキと認識したのだ

犯人は(犯罪を効果的に行うとためにそうした)人質の命、生理的要求を支配することにより、人質にとっては犯人が神となったのだ 

私たちに優しく接している時には‥神様だと思いました

人質は犯人に逆らえば殺され

犯人の言うことを聞けば生き延びれる

人質は生き延びるために

恐ろしいのは犯人を捕らえようとする救出者をと信じる

人質は自分で自分にマインコントロールをかけるのだ

立て篭もり事件の犯人と人質の関係性は

教祖と信者、毒親と子供の関係性と同じである

ストックホルム症候群の件では、犯人は人質を支配したが、痛めつけたり、強姦はしなかった

全ての立て篭もり、誘拐事件の被害者がストックホルム症候群に陥いるわけではない