ことりの啓示

カルト宗教、洗脳研究

宗教ブログ

生きる意味を求めて

広瀬健一 1964生まれ

共働き夫婦と妹四人家族 父親は現場技術者で出張が多くかった

小学校時代から賢く名門塾に通う。中学では天文部

教師、親から見て「理想の子供」

学級委員として包容力があり、統率力あり、クラス内で絶対的な信頼を得ています。級友の面倒見がこんなにいいは今まで見たことがありません。健一君のような生徒、学級委員に出会えたことは私にとっても幸せなことでした(中二の時の通信簿)

真面目

彼は 弱者を笑い者にする80年代の漫才ブームが大嫌いだった

優秀だが、複数のことを同時進行するのが苦手

早稲田高校入学 奨学金を受けた優秀な孝行息子。高校では剣道を辞めフェンシング部に入部

高校3年生の時、値引処分された家電を目撃した広瀬。商品価値がうしなわれるのを見て虚しさを感じた

厭世観

結局は、宇宙論のいうように「全ては無に帰してしまう」だけではないのか

「生きる意味」絶対的な価値に関心をもつようになった。内部進学で大学に行けたたため暇だった。暇を持て余した広瀬は「人は何のためにいきるのか?」と考え 哲学、宗教史を読み漁る

当時50歳だった彼(トルストイ)は外面的には申し分なく幸福な状態でしたが、価値観の崩壊から「生きる意味」の模索を始めています特に「自分の立っている地盤がめちゃくちゃになったような気持ちがした。立つべき何物もないような気がした」という表現には共感を覚えます。それゆえに絶対的な価値を求めるのは真理になるのではないでしょうか(偽りの救済)

孔子

あさに道聞かば、夕べに死すとも可なり(人がどう生きるべきか悟ることができれば、その日の夕方に死んでも悔いはない)

エホバの証人

広瀬は 暑い最中にどの家にも門前払いされながらもひたむき布教をしているのエホバの証人に興味を持った。エホバの証人と話せば自分の無情感を克服するヒントになると思い エホバの証人の述べ伝える話を聴いた

男性は(エホバの証人)は困ったときに創造者(エホバ)に助けられと言うのですが、なぜそれが創造者の助けと言えるのか根拠が示されない。話についていけないと思いました教会(集会)にも誘われましたが、断りました。大勢の信者に囲まれて取り込まれたら困ると警戒したのです…かといって、男性を論破したり、問い詰めることもしませんでした。他人の信仰を壊すのはよくない、と思ったのです。教えが正しいかどうか確かめる方法がなく、不確かな教典を信仰の柱にしている。宗教はやはり人を袋小路に迷わせるものではないか(偽りの救済)

理系の天才広瀬は科学的根拠のある進化論を否定し、神に祈るだけで救われるというエホバの証人に違和感を覚えた

この団体の聖書の解釈が正しいという保証はないのだから(私には他の解釈も可能に思えました)そのような不確実なことに基づいて命を犠牲にすることが信じられませんでした。ですから、この事件で、私の新宗教に対する不信は決定的なものになっていきました

広瀬は新興宗教に対し警戒心を持っていた。TMという真言宗に所属して神秘体験をしこともあったたがら大学入学した広瀬は勉学とバイトに忙殺された

1988  大学院1年生の時、麻原の「超能力の本」を本屋で見つけた。麻原の説く解脱、悟りが気になり購入した。1週間後の3月28日 深夜

寝入りばなに、バーンという音がして目が覚めましたら。尾骶骨から熱いドロドロしたものが頭に流れていき、胸や腹に広がり、喉のところで止まって、そこから気体のようなものが、上がったて頭蓋骨が軋むような音が聞こえました

クンダリニーの覚醒をした広瀬はオウムに入信した

入信1週間後に、麻原のエネルギーがを込めた石ころに触れたところ、気体のようなものが入って来ました 

神秘体験は広瀬の宗教に対する警戒心を取り除いて盲信者にさせた

麻原をグルとして、解脱、悟りを目指すことが私の「生きる意味」であると確信しました

街中のいかがわしい広告を見かけたり非信徒と話すとカルマ(業)が移り体調不良を感じるようになった

松本の言う通りに修行していくと、教義と言われている様々な体験をすることができるので、松本の示す世界は真実であると思いました。松本は神のような存在であり、全ての魂の苦悩を取り去ることのできる存在だと信じていました

天才

工学部物理学科首席。超電導(リニアモーターカーなどに応用)の研究をした。教授と共同執筆論文がスイス会議で認められトップサイエンスとなり将来のノーベル賞候補になった

広瀬君は秀才だが、無邪気で人を疑うことを知らないのが欠点だった‥(教授)

もともと広瀬は出家は希望ではなかった。広瀬の読んだ麻原の本は在家でも解脱できるとされていた(解脱には出家は必須とするならば入信のハードルを低くするため)広瀬は麻原に出家するように説得された。広瀬の頭脳が目的だった

両親、親戚、大学教授も皆反対した。広瀬は大手電気会社に内定も決まっていたのを蹴って出家してしまう

出家前には親友(牧師)を呼び出し勧誘した。親友を喫茶店に呼び出し一方的に6時間も話す。親友は広瀬から渡されたオウムの本を目を通したがあまりにも内容、構成が稚拙で「広瀬は騙されている」と思った。広瀬と再会した親友は「この間は君の宗教の話を聞いたから、今日は僕の宗教の話を聞いてくれ」と言うと

オウムとキリスト教は公理が違う

「目的のためには手段を選ばない」

「嘘も方便は仏教用語である」

などオウムの話を一方的に話始めた広瀬に戦慄を覚えた親友。「オウムは危険だ。出家は辞めた方がいい」と親友が懇願すると広瀬は去っていった

出家後

集中修行で丸一日、食事を取らずに不眠不休の礼拝で赤、青、白の光を見て解脱したことを麻原に認められた

(解脱後)以前は身体が硬くて組めなかった蓮華座が組めるようになりました

食事が味気なく、砂でも噛んでいるように感じ、食事に対する執着が消えたと思えました

広瀬はオウムの世界が真実で現実の世界が虚構と感じるようになった

自分は絶対的な真理の道を歩んでいると確信して毎日が喜びだった

オウムではすぐ幹部になり、参院選ではホーリーネーム サンジャヤで さいたまから出馬。選挙で麻原はじめ皆落選すると教団はヴァジラヤーナの救済に舵をきった

極秘説法

広瀬はボツリヌス菌の大量培養の責任者を任された。3ヶ月間研究室に缶詰状態で、寝る暇もなく、風呂は二度だけ(業者から部品を購入するために入浴指示だった)。研究室は杜撰で安全対策もなかった。菌作成は失敗に終わる。成功したらボツリヌス作った人たちが死んでいた。広瀬は数々の兵器開発研究をさせられた

  • ボスゲン(サリンより強い毒ガス)生産プラント
  • プラズマ兵器
  • レーザー兵器
  • ロシアの武器調査
  • 炭疽菌散布
  • ウラン調査
  • 自動小銃の製造を麻原から指示されました

平成7年 3月 地下鉄サリン事件で村井から実行犯に指名された

崇高なミッションを与えられたと思いました

麻原にサリンを撒いたことを報告すると

ポアは成功した。シヴァ大神と全ての真理勝者が喜んでいる(麻原)

亡くなった人たちの魂がポアによって高い世界に送られたことをきいた広瀬はホッとした

逮捕後

母「うちの子がサリンをまくなんて‥信じられない」

父「(現場で)死んでしまえばよかった」

逮捕された広瀬は、拘置所で十分な睡眠、食事が与えられると広瀬の思考は活動し始めた

これは(麻原の教えは)矛盾するのではないか

母親の差し入れた本で神秘体験が脳内物質によるものと知った広瀬は洗脳が解けた。麻原に盲信した広瀬はいつのまにか袋小路に彷徨っていたのである

償い

広瀬は裁判で事実を話すことが償いと考えた。母親は息子の裁判を毎回傍聴した

裁判

広瀬は声が小さく聞き取りにくい弁護士、裁判官から「よく聞こえないのですが」と何度も言われる

衆院選の全員落選で、これからの教団はヴァジラヤーナの武力による救済を目指し、権力を得て、悪行を積む人をポアすることによって救済するということです」

検察官「最終的には」

「オウム真理教の王国をつくるような」

検察官「王国の王は」

「松本被告です」

被害者遺族の女性が感情を抑えられず「お父さんを返してー」と泣き叫び続けた。女性は周囲に支えながら退廷した。その後、広瀬は罪悪感からかしばらくの間何も話せなくなる

オウムのマインドコントロール

1.「解脱」することが人間が生まれ、生きる意味である

2. 麻原彰晃だけが「解脱」に導くことができる

3. 修行しない人間、普通に仕事する人を畜生道「凡夫」とみなす

4. 麻原に従わない人を「罪人」とみなし見下していました 

5. 麻原に従わない「罪人」をポアで救出してあげた

オウム自らハルマゲドン(テロだけど)を起こし、現世で殺してあげることによって来世には良い人間として転生(ポア 悪から救出)してあげたのた。カルトの思想は滅茶苦茶だ。だが信者は本気て信じてしまう。「来世にいいステージにしてあげるためにポアしてあげました」こんな傲慢な思想、どんな言い訳も謝罪も遺族の感情を逆撫でするだけであるのも承知だろう。広瀬は麻原が自分の法廷に出廷する時でさえ発語できなかった

Q. なぜ善良で優秀な若者が麻原に騙されたの

広瀬は感応性精神障害と言われている

感応性精神障害

妄想分裂病や狂信性の精神病質者などと一緒に生活している人が、その患者の妄想分裂や幻覚に感応して、自分も同じ妄想や幻覚を抱くことである。信者は 誇大妄想虚言症の麻原を自分の師範とみなすことにより 同じ妄想、幻覚を抱いたのだ

オウムの神秘体験の正体

広瀬は拘置所で数多くの本を読んだ。広瀬は覚醒と神秘体験は「脳内に分泌される物質」という結論に至った

気功術

気功師が気功をするときの科学データーがある。この時、気功師の身体には、呼吸数、心拍数、血圧の上昇、体表面温度の上昇、脳波のベーター波からアルファ波への変換が認められる。それと同時に、気功師からは遠赤外線がでて、中には1ヘルツ前後のシグナルが入っている。その気功を受ける者は、脳波などに身体的な変化するが生じることによって、精神的な安定を感じる。気功師は自律神経をコントロールすることができるから、受け手の血圧計や心拍を変化させており、それが体表面温度をあげる。ドーパミン(快感、覚醒)が大量に報酬され右脳前頭部でアルファ波の電位が高くなる。ドーパミンが過剰に分泌されると前頭葉だけでが過剰に活動をはじめて、幻覚や妄想があらわれる

オウムの神秘体験」とは人間の脳が放出する神経伝達物質による幻覚症状なのだ

マインドコントロールと洗脳

洗脳

洗脳 旧ソ連、中国の共産党が行った。共産主義政府に従わない人を

1 .拉致、監禁

2.食事、睡眠薬を充分に与えず

3.尋問、罪悪感を植え付ける後、人格否定により自己を崩壊させる

4.思想を植え付ける

マインドコントロール 

1 勧誘

2.セミナー、合宿で缶詰にする

3.自発的に食事、睡眠を減らし思考力を失わせる

4.不安、恐怖で思考停止

5.救済案を与える

6.新しい人格を植え付ける

マインドコントロールは本人自身が洗脳されることを望んでいる

マインドコントロール手順

1.勧誘

勧誘者はターゲットを選ぶ

2.セミナーに誘う

コンプレックスを持った人間を選び、自尊心をくすぐる

3.神秘体験させる

(身体の中枢が熱くなるり、光がみえる)をさせる。オウムの神秘体験とは情報遮断(閉鎖された空間に長時間閉じ込められたことによる)による幻覚症状である。上祐によるとオウムの神秘体験は性的快楽よりも遥かに快感だった語る。性的快楽時に放出されるドーパミンよりも、神秘体験の方のドーパミンのほうが多いのだ。おそらく覚醒剤並みのドーパミンだろう。同時に「神秘体験体験することが真の宗教である」と刷り込む。オウムには大学生が多かった。最も性的に強いこの時期に、性的快楽よりも多いドーパミンを放出したことにより宗教依存症になったのだ。まさにアサシン

アサシン 

イスラム教が若者を宮殿みたいな場所に誘い出し、麻薬を使用した後、美食と美女たちの接待を受け麻薬中毒にした後、洗脳し暗殺者に仕立てる

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オウムの洗脳システムは、イスラム教のアサシン育成の進化形成体に非常に似ている。教団が大きくなれば、手っ取り早くLSDで薬ドーパミンを放出するようになる

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オウムの若者たちは暗殺者とされたのだ。ドーパミン漬けにされた彼らはオウムこそが「真の宗教」麻原こそが「神」的なものと洗脳された

ドーパミンの大量放出でターゲットはこれまでの人生観を180度転換してしまう。こうなると、誰か何を言っても、聞き入れなくなる。セミナー参加者をドーパミン中毒にして依存症にさせたのだ

Q.神秘体験が真の宗教というロジックもエビデンスもない。なのに何故信じるの?

人間の思考の中には、図書館のような知識がいっぱい入っておりその一冊をビリーフ(信念)といいます

ビリーフ(信念)

人間が物事を判断する時は、図書館の本をフル動員するわけではなく

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ある種のビリーフだけを取り出して判断する人間の脳は思考を節約する働きがある 現場、事象に対して素早く判断、高度ための防衛規制だ

この一冊だけを「信念」にするシステムが一度形成されると他のビリーフが、なかなか呼び起こされなくなり思考停止状態になります。マインドコントロールでは思考停止状態になった頭に新しい人格を植え付けます

新しい人格

オウムではホーリーネームをつけ新しい人格を身につけました

パトリシア=バースト誘拐事件

新聞王バースト家の娘パトリシアは、自宅にいるところを拉致され誘拐された。彼女は暴行と暗闇監禁、人格否定を繰り返され、人格崩壊したパトリシアにテロリストは「テーニア」という新しい名前を与え、自分たちの仲間にした。「テーニア」となったパトリシアはテロリストたちと共に銀行強盗など数々のテロを実行した

オウムによるアサシン(暗殺者)の作り方

1. 「覚醒」という神秘体験(ドーパミンの大量放出)で幻覚症を起こさせる

この時、ターゲットの脳は覚醒剤並みの大量のドーパミンが放出されたと考えられる

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ドーパミン放出を継続的に取り続けると人間は脳の回路が変換する

2.麻原は前世では「自分はお前の父」だと前世の因縁で縛りつける

脳の回路が変換(トランスフォーム)されたターゲットは生まれ変わった高揚感を与えられる。支配者は新しく変換された脳に新たな価値観を植え付ける。それがカルトの人格だ

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3.麻原は新しい人格「ホーリーネーム」を与える

支配者から新しい名前を与えられたターゲットは「新しい人格(カルトの人格)を身につける」

4.新しい人格を与えらたターゲットは自分の親より麻原を慕うようになる

脳の回路を変換させられたターゲットは家族、友人たちから見たらまるで「別人」のような言動をします

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新しい人格は家族、友人の声は聞きません。新しい人格は支配者の命令なら殺人さえ厭わない。このようにしてカルトはオリジナルの人格の上にカルトの人格を植え付ける

「太郎」の上に「カルト太郎」があり、「太郎」は消えないが沈められる

Q. なぜオウムはテロを起こしたのか

終末予言カルトの教祖は皆パーソナリティ障害

これに加えて麻原は強い攻撃性と反社会性があった。子供時代はイジメを繰り返し、オウム立ち上げ前には、詐欺紛いの犯罪を幾つも犯している

例えば麻原は説法で‥宗教経験で「知った」自身の前生を物語ることがありましたが、そのテーマの多くが「戦争」だったからです。「戦って世界の王になった」というパターンが典型的でした‥麻原の宗教的経験は攻撃性と結びつく傾向があったと考えられます

洗脳された麻原信者は麻原彰晃の攻撃性、反社会性、邪悪さ、自己中心性までもミラーリングした

麻原のエネルギーが頭部から流入するのを日常的に感じていました

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麻原からのエネルギーとは「洗脳」である。麻原のコピー人間となった彼らは麻原から命令されたらどんな反社会行動さえも厭わない

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画像 プレジデントオンライン

この滑稽にみえる麻原着ぐるみ軍団、信者のグルのコピー化の完成版なのだ。これこそが麻原彰晃の目指した世界なのだ

これが真面目で優しく、賢い彼らがテロ行為をおこした「悪魔的メカニズム」である

本当のこと言うと、躊躇も葛藤もなく、乗客の人たちが麻原によってポアされて嬉しかったんです

広瀬(偽りの救済より)

終末予言カルト教団では「平等」を謳うが、それは建前で カーストのような縦一列の上下関係がある。下のステージのものは上のステージに絶対服従である。これを上位の権威という

カルトは上位の権威があり上位に絶対服従なのだ

上位の者に対して反論、異論は許されない

この上位概念が出てくると、3悪趣(オウムでは地獄的なもの)に落ちないために それが違法、殺人行為であっても、ただロボットのように行ってしまう

広瀬の弁護士たちは廣瀬の精神鑑定を要求したが「責任能力はある」とされた。オウム全員精神鑑定はなかった。あれば教祖をはじめとして全員「責任能力なし」になるため

そもそも、ノーベル賞級秀才の人格者が選挙でゾウの被り物してショーコーダンスしている時点で精神病院強制入院レベル

判決

実行犯の広瀬(早稲田卒)、豊田(東大卒)は黒のスーツで、杉本(運転手)は くたびれたトレーナー、スニーカーで3人で公判を受けた。豊田、広瀬は終始ぶれることなく、取り乱すことなく、粛々と理路整然に説明した。それでいて必要なことは口にしない。杉本は脱線したり、暴走しかけた時もあったが2人に引っ張られたかのように理知的に話始めた

教団にいたものすべてが教祖な歯車となり、教祖のため、真理のためとして、自らの欲望を満たすためにそこに集合していた。教祖は私たちの「欲望」象徴だった。最終解脱の状態というのは、今の麻原の状態に他ならない。麻原説法を真面目に実践した結果は私である‥もういい加減 救済ごっこ、幼稚なくだらない宗教ごっこを辞めて目を覚ましてほしい。私と同じ過ちを繰り返さないように             杉本繁郎

一審判決

広瀬、豊田、杉本は並んで判決を受けた

「豊田 並びに広瀬を死刑に、被告人杉本を無期懲役に処す」

その瞬間、明らかに動揺したのは杉本の方だった。顔を真っ赤に膨れ、罪悪感を感じたように豊田、広瀬のほうをみた

日本に終身刑はない。無期懲役と死刑は天と地の差だ。もし 杉本がサリン配布役で、豊田、広瀬が運転手を指示されれば逆の判決になる

豊田、広瀬は冷静に構えていた。裁判官は豊田、広瀬の人格を褒めたたえた後

通常であれば、たやすく松本、オウム教団の欺瞞性、反社会性を看過することができた両被告人は その生真面目さ、純粋さが災いして‥オウム教団に留まり続け‥遂にはサリン事件を迎えたもので‥自ら招いた帰結である

廣瀬と豊田は公判中ずっと黒のスーツを着用していた。一切の言い訳をせず、まるで自分自身に死刑を求刑していたかのように

男なら黙って責任とれ(広瀬父)

彼らは黙って責任をとることにした

罪は到底償えるものではないと思います。どのような言葉を持って謝罪しても、どのような裁きを受けても償えない

獄中の広瀬

死刑囚は作業がないため暇である。広瀬は被害者補償のため高校入試数学問題集を草稿した。獄中生活のため、時代のニーズに合わなかったので出版されなかったが、電子書籍として出版された

参考文献

 

 





 

 

 

 

 

 

 

a fish out of water (教祖の娘)

松本総香(ペンネーム)

1989 教団施設で松本智津夫の4女としてうまれた。この時4女を取り上げた遠藤誠一は神秘体験をして 産まれたての赤子に恋をした。その後遠藤は4女の婚約者となる

2歳から1人部屋で寝ていた。母親に抱かれた記憶がない。身の回りの世話は、信者が代わる代わる行った

両親はよく喧嘩をしていた。父が母を言葉で挑発していた

パワハラ

子供たちは両親の折檻をよく受けた

さとかさんは信者たち皆んなの前で、父から下着を脱がされ生尻を丸出しでお尻を叩かれた記憶がある。男性信者までいたのだ。さとかはこの記憶がトラウマになっていた

モラハラ

麻原が自分の家族、つまり妻や子供たちを精神的に苦しめる場面はよく目にしました。特に長女の扱いは酷く、一人で泣いていれのを慰めたことも何度かありました(オウム真理教元幹部の手記)

姉は父に竹刀で叩く時、体罰を受けた理由を問うと「動物に言っても無駄だ!」と怒鳴られた

自分のされた不条理は耐えられない。相手に返せない場合はより弱い者に自分された不条理を投影する

姉の怒りは手近な弱い者に向かう

さとかはいきなり姉に水をかけられた。泣きながら水をかけた理由を尋ねると「動物に言っても無駄だ」と父の言葉を真似る姉

やり場のない怒りと悲しみ。総香は弟に同じことをして当たり散らす。「僕は何もしていない。どうしてこんなことするんだよ」と理不尽を訴える弟の涙にさとかはわれにかえる

オムレツ事件

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母がオムレツをつくっていた。「これ運んでくれる?」と母から父のオムレツを手渡された。幼いさとかにとってオムレツ皿はずっしり重たく転んでオムレツ皿を割ってしまう。「父にまた暴力をふるわれる」と怯えるさとか

長女「この卵、どうしましょうか?」

父「さとかに食べさせなさい」

長女「破片が(卵に)混じっているので、危ないとおもいますが」

父「いや、食べさせなさい」

長女は破片を取り除けるだけ取り除き、4女はジャリジャリ食感のオムレツを食べた。長女以外の家族は知らんぷり

父は‥この人は人が死ぬことをなんとも思わないのだ。この人に逆らったら殺される

恐ろしい父だった。一方で、父は優しい時もあった。どんぶりに入ったメロンを「食べなさい」とすすめてくれた時もある

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人体実験

ある日寝苦しくて起きると、信者たちがいて頭に電極を沢山取り付けられていた時もある

教団施設の生活

藤宮市から上九一色村に移転すると、家族が贅沢になってきた

毎日のようにファミレスに家族で出かけた

第六サティアン

麻原家族は第六サティアンを自宅にしていた。リビングにはルームランナー、ジャングルジム、2台のグランドピアノが置かれ子供たちは時折グランドピアノを弾いていた(オウムからの帰還)

毒ガス事件

教団施設が毒ガスが撒かれていると噂がたち、みんなが不調を訴えた

1993年秋 麻原のダーキニーの一人が湿疹ができた。麻原は第2サティアンの側にある肥料工場が原因とした。「あの工場は教団施設に毒ガスを撒くために作られたものだ」と断定しは杉本に工場を調べるように命令された。工場はオウム移転前からあり、ただの肥料の匂いだった。杉本は登記表を麻原に報告すると、意を唱えた杉本に退室を命じた。それ以来、麻原は、四六時中、政府や米軍から毒ガス高原を受けていると妄想を語り始めた

94年4月に名古屋で中華航空機の事故のニュースがおきた時、麻原は説法で「私を狙って大量のガスがまかれたからだ」と発言した

また 中川がガス探知機で毒ガス反応を検出したと報告をしたことが麻原の妄想を助長させた

(偽りの救済より)

この自分たちが攻撃されているという妄想がこうじて、毒ガスまかれるまえにまいてやれ!と麻原は追い込まれた

地下鉄サリン事件が起きると警察の強制捜査がはじまり、父、母は逮捕された

俗世の生活

両親逮捕後は3女以外の子供たちは母方の祖父母に預けられた

祖父母は優しく、また仲睦まじい夫婦であり、家族の温かさを知ったような気になりました

祖父母は4女が学校に通えるように地域の人を説得、教育委員とかけあい。4女は学校に通えるようになった。しかし、姉たちとお付きの信者たちは4女が「(俗世の)悪いカルマがつく」と反対した

小学校に通う4女、お友達もでき、毎日遊び、喧嘩友達もでき、勉強も楽しかったそうです。何よりも(まともな食事をしてこなかったため)学校の給食は感動的だった

しかし、ある日上級生に囲まれて「松本さんってオウムなんでしょ」と執拗に問い詰められ イジメにあうようになった

親しいオウム信者の事故死により、4女は不安定になり不登校になる

長女は兄弟と気があわず別々に暮らしていた

99年 長男連れ去り事件かマスコミに大々的報道され警察沙汰に

麻原子供たちは責任を取る形で教団から脱退することになる

長女は精神病院に入院。お見舞いにいくと「おまえはさとかの偽物だ」妹のことさえわからなくなった姉

さとかさん 龍ヶ崎で就学拒否を受けるが裁判て勝訴して学校に通い始めたがイジメにあう。さとかさんは、皆は最初は受け入れてくれたのに自分の独自のオーラ的なものが馴染めなかったと語る。リストカットをはじめたさとかさん。家族は教育委員会に対策を訴えた

「さとかはリストカットしているのですよ。もしイジメが原因でさとかが死んだらどうするのですか?」と2女が問い詰めると

さとかさんの命は一つですよね。あなた方のお父さんは、沢山の人殺しましたね。あなたが死んでもしょうがないでしょう(校長)

さとかは目の前が真っ暗になった。転校することになる

15歳ごろから、教団のおこした事件を自ら書籍、インターネットなどて調べ、自分がどうして今のような環境に置かれているのかが少しずつ理解していくと同時に自分の家族に不信感を感じはじめた

違和感

母と姉は表向きは教団から脱退したとしているが、実は裏で支配していた。更に家族は遺族に賠償金を支払っていないのに信者の献金で贅沢三昧な生活をしていた。4女だけが普通の生活を送っていることに罪悪感を感じるようになった

「何かがおかしい。何かが狂っている」私のそんな気持ちは、家族と信者の相反するものでした

「アーチャリー正大師はね‥」陶酔するような信者たちと姉たちたをみて違和感を感じた

考え方の合わない人のいるところに、たまたま生まれてしまっただけ

オウムであることを隠していたのに 先生は自分がオウムであることを知っていた。他の生徒から聴いたと先生は述べた。家にも学校にも居場所がない。自分を産んでおいて事件をおこした父を恨む

いっそ生まないで欲しかった

家出

16歳になったさとかさんは児童相談所に保護してもらう

「教団、家族から離れて自立したい。自立の仕方がわからなく途方に暮れている」と江川紹子さんにメールを送る

4女によると江川さんがオウムに理解があること、母性を求めて女性である江川さんを頼ったと語る

江川紹子が4女の後見人となる

江川紹子さんは4女に学業に専念して、大学にいって普通の女の子として生きてほしいと、ショッピングに出かけ用服を買ったり、お洒落な美容院に行ったり、水族館やクラッシックコンサートにまで連れていった

江川さんとの約束

  • 毎日江川さんの犬と散歩する
  • 江川さんの父の話し相手をする
  • 家計簿をつける
  • 勉学に励み大学に行くこと
  • 教団には一切関わらない

しかし4女は苦痛を感じた

私からみたら良いことだと思います

動物と戯れるのは運動になるし、情操教育、責任感がつきます

江川さんの父とのお話は閉鎖された教団に閉じ込められた4女に社会的常識を身につけるためだと思います

江川父の報告は「一人の人間を自立させる」責任ですから、管理はしなければなりません

家計簿は自立するためには経済感覚は重要です

カルトを知り尽くしている江川さん。カルト信者の自立にサポートはぬかりはありません

大学までサポートしてくださる

一番甘えたい時期に母が逮捕されていて、帰っきてからも親子関係を築けなかった私は、きっと江川さんに母性を求めていたのだと思います

さとかさんは江川さん母性を求めたようです。江川さんの後見人は2年間と期限付きでした。それに対し突き放された感がしたようです

  • バイトをしたかったそうです
  • 犬の散歩をサボってしまったことを江川さんから咎めらた
  • 江川さんのお父さんが密告をしたと思った
  • 江川さんのお父さんから24時間監視されているような気持ちになった

カルト教団の閉鎖された世界で生きてきたさとかさんは世に期待し過ぎたのかもしれません「こんなはずでは」と辛くなり姿をくらまします

オウム信者からお金を借りて青春18切符で信者の家を転々とした

上祐と会い上祐から新しい宗教を立ち上げないかと誘われていた

江川紹子は帰ってこない4女に捜索願いを出した後、自分の手に負えないと感じ後見人を辞任しました

お世話になっておきながら江川さんを殺したいと思いました

1994 9月 オウム真理教江川紹子さんを殺害さようとしました

新實らが江川さんのマンションに(VXガスの10倍といわれる)ボスゲンを流し込みました。江川さんは喉の痛みを訴えたくらいで済みました。自分を亡き者にしようとした教団の教祖の娘の後見人になるなんて、相当肝が座っていなければできません

4女かオウム信者と関わり、身の危険を感じたでしょう

カルト2世の社会デビューの難しさ

閉鎖されたカルトに育ったカルト2世が社会にでるということは例えるならば「魚に陸で生活しるようなもの」カルチャーショックがおきます

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江川さんやその当時交流のあった方々を通じて関わりあっていたころでした。その時見た社会は、オウムが批判していたとおりに思えたのです‥程度の差はあれオウムでも同じことが行われていると感じたのです‥唯一オウムの方が世間よりましだと思うところがありました

それは、オウムがわかりやすい悪だということです

この世界は物質主義、争いごと、不正、みんな自己中心的、完全ではありません。宗教でなくともカルト的なもの、洗脳的なものはいくらでもあります

社会は違和感だらけそんな世間に厭世を感じた純粋な人々が宗教に救いをみいだす

4女は派遣社員、ネットカフェ、ホームレス生活をして、自殺未遂を幾度もした

オウムで育ったせいか、霊、予知夢、光などが子供の時からみえたそうです

麻原ファミリー

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  • 6人兄弟と、9人の異母兄弟がいる
  • 父には愛人100人いた
  • 娘たちには許嫁がいた

長女 村井秀夫

次女 上祐史浩

3女  I、H(東大卒の幹部)

4女  遠藤誠一

幹部たちは麻原の娘婿になるため、霊的ステージを競いあった

私たちはしょせん、馬の前に吊るされた人参だよね。誰かに嫁がないといけなかったら私は自殺する(2女)

麻原彰晃アブラハムを目指したのか?

父は、全ての信者を自分の息子や息子、婿にして血縁を増やしてき、世界帝国を目指す「麻原帝国」をつくりあげようとしていたのです

婚約者 遠藤誠一について
  • トランプで遊ぶと勝つまでやめなかった
  • 塗り絵をしたら必ず女の子の髪の毛を金髪にぬる

詐病

2004  刑務所で姉たち2人と父に面会をした時、父はもぞもぞした後、3回自慰行為を行った4女はオムツが蒸れて痒くなったとと思っていた

4女と2人きりの面談では(自分だけに聴こえる程度に)自分の名を呼んでくれた。自分の問いかけに反応した。そのため4女は精神異常ではなく、詐称と考えている

麻原奪還計画

麻原を詐病にしたてあげて、医療刑務所に移送されたら、奪還する計画があった。教団はそのためヘリコプターを購入していた

さとかさんはオウムからも父、家族からも距離をおく

さとかさんは、家族で唯一麻原彰晃と教団と絶縁をした

姉(3女)について

3女が自伝を出版しマスコミに登場した。さとかさんは「父の死刑を回避する行為」と非難した

死刑

麻原の処刑が実行された。麻原は自分の遺骨引取人を麻原は4女を指名した。非常に国にとって都合のいい遺言を遺していった。

この遺言には疑惑の声があがる

  • 麻原の精神状態はそんなことが決めれる状態ではない
  • 自分の遺骨引き取り人に、教団、家族と絶縁し、公然と父を非難した4女を指名するとは考えにくい

松本知子、次女、三女が訴訟を起こし 遺骨は2女が引き取ることになった

その後のオウム

一度狂った信仰は形を変えて存続する

今だに教団に居続ける信者、脱会しても再び教団に戻ってくる信者

さとかさんは教団に縋る理由を追求すると

だって、そうしないとなぜ生きているかわからないんだもの

そう言われるとそれ以上踏み込めないと語る

生きている意味がわからないからといって他人を貶めて、それを救うふりをして優越感に浸っていいのだろうかと

他人の心を支配することでしか存在意義を見出せない彼らは他人を傷つけたり、惑わせたりしないで生きることができないのかもしれません

もしかしたら彼らは救済活動をしていると思い込むことで、良心までも停止させているのではないか、と感じることもあります

さとかさんによると 

母は父の一審判決の後 10歳歳下のアレフ幹部と付き合っている。(江川紹子から教えて貰った。4女は母が利用されていると心配している)母 母は今でもアレフの教団運営に関わっていて弟たちを父の後継者とするように暗躍している

アレフを追い出された上祐は「光の輪」を立ち上げた。表向き麻原を排除しているとしているが

「尊師を隠してでも教えを広めることが尊師への恩返しだと思うのです」

上祐も未だに麻原の亡霊に囚われていた。4女は上祐は信用ならないと距離をおいた

オウム信者は依然として嘘をつき続けています。彼らはたとえ嘘なバレたとしても社会に受け入れられないで生きていけるから、嘘をつくなんて平気です

3女には20人の側近と100人の信者がいる。彼らは「3女の指示であれば犯罪行為も厭わない」という。3女は自分の側近、信者たちから多額の献金を受け取っている

高学歴信者が多いため(京都大学が多い) パソコン、IT関連、会社を立ち上げビジネスをしている信者たちかいて羽振りはいいらしい

現実的に今もオウムは形を替えて生き延びており、世間からどんな攻撃を受けても、どこかのグルは生き残るようなシステムになっています

リムジン謀議

サリン事件が麻原の指示の下行われたという井上証言

他のメンバーは寝ていたまたは空調設備がうるさくて聞こえず知らなかったと述べるが、4女もそこにいて、リムジン謀議をしっかり聞いていたという

ただ当時5、6歳の子供の記憶の場合 思い込みの可能性がある

オウムの最終目的

オウムが最終的に目論んでいることは、目に見える勝ち負けではありません。思想敵に日本人を洗脳していき、最終的に思想で支配するすることなのです。キリスト教も弾圧された時代がありましたが、今では世界で認められる宗教になっています。オウムもそのような長いスパンで考えているのです‥2000年後に父が神だったという歴史になっているかもしれません。

麻原彰晃の目的は

日本の王になること

アレフは今だに麻原彰晃を崇拝している

ローマにより処刑されたイエス=キリストの教えが3世紀後に、ローマの国教とされたように

大衆は‥彼らの権利を認めようとしないで、彼らを磔にしたり、縛り首にしたりします‥ところが次の世代になると、この同じ大衆が、処刑された人たちを台の上に祭りあげて、彼らに跪拝するのです

前者は世界を維持し、それを数的に増やしていく

後者は世界を動かし、それを目的に導いていく(罪と罰)

国家によって処刑された麻原の教えを日本の国教にしようと画策している可能性がある

高学歴信者たちが今度はもっと上手に日本支配計画を綿密にたてているだろう

かつて麻原の敬愛したヒトラー毛沢東が国家を掌握した「洗脳」をさらに発展させたシステムさえ彼らならばつくれるかもしれない

彼らは本気だ。彼らは幼稚だが知識と行動力がある。侮ってはならない

自分の選んだ人生はつらいこともあります。天涯孤独を貫くのは大変なことです‥、母や姉の元にいたらそんな苦労もしないで済んだでしょう。しかし、それは自分自身の良心が許しませんでした‥カルトや犯罪に、身内が一人でも巻き込まれると親族はみんな不幸になってしまいます‥子供が親の名前で偏見を持たれたり、親に信仰を強要されない日が、いつか日本に実現することを願いながらこの筆をとります(松本総香) 

参考文献

3女 松本麗華

著書「止まった時計」では父を麻原彰晃と表現

「私だけは父の味方」

「事件は弟子たちの暴走で父は利用された」

4女さとかさんの著書 松本智津夫と表現家族、教団を非難、絶縁もしている。父に対しては畏敬と恐怖的な感情があります

遺骨引き取り人2女 宇未さんは ツィッター、ブログで発信しています

宇未さんブログ

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宇未さんはさとかさんを「マスコミ受けの良いことばかり言っている」と主張しています

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パパ イケメンです

姉妹たちは別々の人生を歩んでいる

相違は 小学校、中学校に通ったという経験値だろう

イジメで辛い経験もしたが、学校での普通の子たちとの関わりがさとかさんの心にカルトの異常性を警鐘したのだ

私も自身のブログに何度も言及してきたが、学校に通うこと、沢山の人間との関わりこそがカルト2世の唯一の救命線となる

カルト2世は学校に通うようになると初めて自分が異常な世界に居ると認識できるのだ

更に、さとかさんは母方の祖父母に引き取られ普通の世界を見れたことも大きい

母方の祖父母、学校の同級生、先生をミラーリングできたこそさとかさんはオウムの異常性を気づき オウムから脱出した

小、中学校に通えなかった姉たちはオウムと普通の世界の違和感さえ感じる機会か与えられなかった。3女と2女はミラーリングできる人間が教団の中にしかいない

彼女たちはオウムの水槽の中でしか生きていけない魚なのだ

さとかさんはオウムの水槽から飛び出し大海で泳いでいる

さとかさんに見える世界と

次女、麗華さんの見える世界は違うのだ

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アーチャリーと呼ばれた少女の壮絶な半生

 

松本智津夫の3女 アーチャリー 彼女は日本で最も有名なカルト2世

彼女を有名にしたのは報道陣に向かって「アッカンベー」の写真だ。写真は目が伏せられていたが性格も、顔も父親ソックリ‥とそれがスポーツ新聞に掲載されたことによって「アーチャリー」日本中に知れ渡る

アーチャリーと呼ばれた少女

1983 4月 松本智津夫(28歳)の3女として生まれる。3女が生まれた時には、麻原彰晃として渋谷でヨーガ教室を開いていて父は家にはほとんど帰ってこなかった。母はは引き篭もりがち 母は公園で我が子と遊ぶことはしなかった。わざわざ遠くのスーパーで買い物をした。(夫の薬事法違反逮捕などからのストレスによる対人恐怖症)父がたまに帰ってくると

太陽のない世界に、太陽が来た(次女)

と子供たちは喜んだ

母は外では愛想良かったが子供たちには冷淡だった。母の言っていることがよく理解できず「〇〇ってなあに?」と尋ねると「バカじゃないの」と返し無視されるので子供たちも黙り込むしかなかった

3歳で家出

3歳の時、母に怒られ頬を平手打ちされた。泣くと「泣き止みなさい」。3女怖いから泣きやめようと息を呑み込もうとしたら「どうして泣き止まないのよ!」もう一発平手打ちされた。母の冷淡さに耐えかねてプチ家出をしたこともあった。母は優しい時もあった。(松本母はおそらく鬱病だろう)ほかの子供たちも母を肯定的にみてはいない

優しい父と冷たい母

蚊に刺されると痒くて嫌だね。でも蚊も生きているんだよ。私たちは死んだあと生まれ変わるんだよ。もしかしたら私たちも蚊に生まれ変わるかもしれないよ

蚊を殺す母と蚊も殺さない父 子供たちは父のほうを尊敬していた

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画像 現代ビジネス

3女の記憶には 子供を突き放したような態度の母に対して3女の目の前で

「アーチャリーは屈折しているだけで、やソーダラ(母)に愛されたいと思っているんだよ、ちゃんと応じてあげだらどうだ?」

「あらー、アーチャリー、そうだったの〜?知らなかったわ!よしよししてあげるわよ」その言葉に3女は凍りついた

母は宗教心はなかったが、父の本の原稿を執筆していた。千葉県船橋に家族全員で一つの部屋で寝る小さな家に住み余り裕福ではなかったが、やがて教団がどんどん大きくなっていく

1988   8月( 5歳)オウム真理教富士山道場が完成され船橋から道場に移転した。サマナ(出家信者)はお父さんを「先生」から「尊師」と呼びようになった。当時、教団内の階級は流動的で、降格もすれば昇格もあった

12月にアーチャリー(先生)というホーリーネームを与えられた

5歳の時くらいから「死にたい」と思った
  • 富士山道場の移転後は母は子供たちの面倒を見なくなった
  • 教団を離れる人が多い
  • 代わりの世話係が頻繁に交代する
  • 父、教団から期待をかけられ重圧に苦しむ

Q.オウムは理系エリート集団である

A 3女は否定する。理系エリートもいたが、むしろ社会に居場所がない人たち

などがオウムに入信していた

教団は、組織的に精神が未発達な大人サークルのようであり、神様のように宣伝された成就者たちには、エゴイストといっても過言ではない人もいたのが実態です

依存症

グルが全てを背負ってくれる

と信者たちは口癖のように語っていた

1989 坂本弁護士失踪事件

ニュースを知った時は「早く坂本一家が見つかるように祈っていた」と語る

弾圧

1990  教団は熊本県波多野村(人口2000人)の15haの土地を取得する。信者が沢山移転すれば選挙で村民議員を何人も当選し、村が乗っ取られると危惧した村人は「オウム出て行け」と反対運動を起こした。村は住民票不受理をする

警察の強制捜査の時、信者を警察が暴言を吐き、突き飛ばしたりした

当初は麻原の子供たちは私立小学校、出家信者の子供たちも公立の学校に通っていたが世論の非難により閉鎖的になり内に篭っていく

社会の偏見と出家信者の死を隠蔽したことをきっかけにオウムは次々に(自分たちにとって邪魔)と感じるものをポアしはじめ狂気に向かう

お父さん

お父さんは35歳で全盲になった

1988年「私は長くてあと5年だ」

1993年 「アメリカから毒ガス攻撃を受けている」ヘリコプターの音を聞けば「毒ガスだ」と避難したことも度々あった

「お父さんは幻覚、幻聴「内なる声」が聴こえていた」

3女は父を統合失調症ではないかと考えている。教祖は統合失調症が多い

遊園地や外食に家族をよく連れ出した。おもちゃも沢山買ってもらった

  • 麻原は高級車好き ベンツ、ロールスロイスいくつも所有
  • 信者には病気と言いながら 高級車7台で大名行列のように遊園地、ゲームセンターで家族で豪遊
  • 信者には「スポーツをすると、来世では動物に生まれ変わる」といいながら自分の子には野球道具を買い与え 自分は子供と野球で遊ぶ
  • カラオケ好き

自分の来世は 巨人軍のエースとして活躍する (麻原おっさん地獄)

1994 父の病状が悪化(美食で太り過ぎでは?)そのため教団は省庁制導入し、3女は11歳で法皇官房長官に任命された

この頃から社会性が更に失われていくと同時に、オウムの教義や価値観だけが正しいという雰囲気が強くなり、サマナが傲慢になっていたように感じます。救済してやる。自分たちは選ばれた民であるといった思想が強くなっていきました

1994 6月27日 松本サリン事件

教団内で鼻血、アトピーの気だるい症状を訴える信者が増えて教団が毒ガス攻撃を受けているという陰謀論がおきた

教団内では、アメリカは敵、フリーメイソンユダヤ陰謀論などが沸き起こる

1995年 3月20日 地下鉄サリン事件

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壊れていく世界

3月22日 強制捜査

警察はアーチャリーの部屋を捜査した時の台詞

「おおアーチャリーお前はこんなもの読んでいるのか?」

(お菓子を見つけては)「こんなもの食べているのか?」

4月23日 村井秀夫刺殺事件

幹部村井が徐裕行という暴力団員に刺された。報道陣に取り囲まれている中堂々と犯行が行われたのだ。3女はサマナたちと村井に輸血をするために病院に忙いだ。しかし機動隊に長いこと制止され死に目には間に合わなかった

「警察が殺したに違いない」と次姉と復讐を誓いました

村井刺殺事件疑惑

  • 犯行現場の青山道場はの出入り口はその日に限って施錠されていた
  • 道場にいつも待機しているはずの警察官がおらず、村井が刺されてから警察官が駆けつけた
  • 警備のサマナが村井の盾になろうとした瞬間誰かが後ろから羽交い締めされた
  • 暴力団幹部の司令で犯行が行われたと犯人は証言したが、証拠不十分で幹部は裁判で無罪となる

村井秀夫が殺された理由

(.父が関わったとされる事件のほとんどは村井さんの指示だった)村井さんが「事件は全て自分が首謀した。自分が尊師の指示と偽って実行犯を騙した」と言わせないため、父を主犯にするために村井さんは殺されたと思っています

1995 父逮捕の日はゲームしながらかっ父が捕まらないよう」にと思っていた

3人の警察官がニヤニヤしながら3女の写真を撮影した(令状無しの写真撮影は禁止)。母、幹部たちが次々逮捕され、信者も去っていった

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警察は父との接見を色々理由をつけさせてくれなかった。3女は他の兄弟と別々に暮らす

13歳の3女は「正大師」長老部の座長となった

3女主催のセミナーを開催

あまり厳しいセミナーのため、怪我、精神疾患を患う人が続出した(社会的経験のない13歳の少女を代表にするのがそもそも間違いなのだが)

1996 11月 サティアンを立ち退く絶えずマスコミに追い回されウィークリーマンションを転々とした

福島県いわき市に住む。香山さんという信者が世話係となり、転居、中学転入手続きをしたが教育委員会に小学校を通っていない3女は中学校に通えないと通告された

書類を提出し編入にこぎつけるが、3学年下の小学5年に編入になる(9歳くらいまで読み書きができなかった)しかし、地域の反対運動がおこる。学籍を貰うため自宅学習を受けることになった

猛勉強して中学卒業認定試験を合格が都立受験は失敗

1996 麻原子供たちは群馬県に移転すると、激しい反対運動が起こる。周辺に「オウム出て行け」などプラカードが乱立し

  • ゴミ収集、汚物汲み取り拒否
  • 電気を引き込みを邪魔する

「子供たちにサリンを飲ませろ!」と大声で叫ぶ群衆

教団は「謝罪と賠償」路線を考えるが長女は反対した。長女と幹部たちに溝がひろがった

追い詰められた子供たち

長女は日常の会話に支障をきたし、自分の世界に閉じこもっていく

次姉は熱湯修行で精神、体調を崩す

3女は大量に風邪薬を購入し、食べては吐くを繰り返す

姉妹対立

教団では3女派と長女派が対立する

長女(21歳)は長弟(7歳)を連れ去ったまま帰ってこない。3女は信者たちと弟を取り連れ戻しに行く。深夜未明にバールをもって門をこじ開けて侵入した

長弟を連れ出そうとすると長女から「お前なんて消えちゃえばいいんだ」と首を押さえつけられた。保護した長弟はご飯も風呂もせわされていなかった

3女、2女たちは不法侵入と長弟を「誘拐」したという理由で逮捕状がでた。長姉が警察に通報したのだ。暫く逃亡するが疲れて出頭する。次女はかなり厳しい取り調べを受けた

社会を知らない3女は物事を大袈裟に語る癖があり、警察からかなり疑われた。16歳の3女に対しキツイ取り調べはないが、2女には厳しい取り調べがあった

X君(長弟)もそのうちここにくるんじゃないか?犯罪者の血が流れているんだから

弁護士の松井先生が身許引受人になってくれたことにより2人共保護観察処分で済んだ

長姉のその後果物ナイフ所持で銃刀法違反で逮捕。

スーパーで1万円以上の商品を万引き。店員につかまると「無礼者!私は木更津の女王だぞ!」と叱りつけた。長女は壊れてしまった

世間のズレ

3女は連れ去り事件の後、自分がいかに世間の常識からかけられて離れているのを痛感した。「学校に通い学ばなければならない」

通信制の高校を出願したが断られ続けたが 日の出高校の通信制が受け入れてくれた

最初のアルバイトをはじめたが、勤務から1ヶ月後「アーチャリー」であることか知られて解雇。社長は申し訳そうに「君が悪いわけではない」謝罪した。コンビニでアルバイトは長く続いた

1999  上祐が釈放され教団を取り仕切る

2002年1月25日号のFRIDAYに写真付きで「アーチャリーは大学予備校通い」と報道される。予備校は静観してくれたが、長年働いたコンビニはシフトを入れてくれなくなり辞めざるを得なくなる

週刊新潮「被害者補償を忘れた麻原3女アーチャリーのカナダ大名旅行」と報道された。カナダ留学は本人がコンビニで働いたお金である

あなたが訴訟を起こして認められることはほとんどない。麻原彰晃の子供だから‥しかし何もしなければ何も変わらない‥何回も、何回も挑戦していかないと(松本先生)

報道の嘘

報道で父は酒池肉林の贅沢三昧だったとされているが本当の父はいつも質素な生活だった

2003年 武蔵野大学に合格した。入学式の2日前に入学拒否

利用された「アーチャリー」の名前

アレフは上祐の独裁化

  • 父、麻原家を排除する
  • 上祐は父の文書をパクった

「アーチャリーはこう言っている」など利用された

出所した母が復権し上祐と対立した。教団は母派か上祐派にわかれる

「アーチャリー正大師に指名された、長老部の座長です」

「座長であるアーチャリー正大師に師違いましょう」

教団と関係ないのに母にまで名前を利用された3女

2004 2月 一審で父の死刑判決が下された

和光大学文教大学に合格。麻原の娘と知った和光大学は入学拒否。記者会見まで開いた。続いて文教大学も入学拒否通知を届けた

3女は文教大学入学拒否についての陳述書を裁判所に提出した

裁判所では

当時11歳だった債権者が上記のような地位にあったことは債権者が自ら望んでなったものではなく‥錯誤無効は出自にたいする差別であると

入学拒否は不当とされた。3女は文教大学に入学を認められた

初めての集団授業である。部活動も経験した。3女を避ける学生もいたが、友達になってくれる人もたくさんあた

心理学

大学では心理学を学んだそうです

カウンセリングを通して、私は徐々に自分と他人の区別をつけていくことができるようになってきました。それは自分の価値観を押し付けず、相手を尊重するということです

カルトの世界は境界線がありません。他者の距離感が分からず、さらに真理は一つと教えられているため、他者と考えが違うことか許せず、自分の価値観を一方的に相手の気持ちを考えず押し付けがちです。心理学を学ぶのは良い機会です

再会

2004 9月 父と接見。父は反応がなかった。オムツをつけ漏らさないように下はブルーシートが敷かれていた。3女は仕方なく一方的に話した。父が相槌を打っているようにもみえた。威厳のあった父の悲惨な状況を目の当たりにした2女と3女は鬱なる

1リットルの涙ってあるけど、本当に1リットル涙がでるね

カルト信者は鬱病だらけである

マスコミの虚偽の報道は数多く、公安に電話を盗聴され、尾行されたこともある。車に発信機を取り付けられたと三女は語る

2005  4女家出 4女は家族と絶縁する

世界中が敵になっても、私だけは父の味方でいたい

麻原は精神異常なのか

マスコミは父を「詐病」としたが、3女は父は精神疾患であると考えている

刑事訴訟法480条 刑の言い渡しを受けた者が心神喪失状態の場合、刑の執行を定めている

肯定派

林泰、中川は「麻原は精神崩壊した」とみている

否定派

早川、広瀬、土谷「麻原は精神崩壊するような普通のレベルではない」

麻原は自分の裁判では不規則発言をして心神耗弱といわれていた

しかし、弟子の裁判に証人として呼ばれた時

証人は「良心に従って真実を述べ、嘘はもうしません」という宣誓書を読み上げ、それに署名をします

麻原は目が見えないため、書記官が代わりに宣誓書を朗読し、麻原に署名だけを求めました

麻原は、読み上げられた文と署名する紙に書かれているものが一致するか自分で確かめられないから危険だと、署名を拒否しました

豊田、杉本の法廷では、弁護人が一計を案じました。宣誓の前に宗教の話をさせ、麻原が宣誓を拒否すると「だったら自分で書けば」と提案

麻原は「松本智津夫である私の筆跡以外無効」と書き、杉本の弁護人に文言を教えられながら署名した

その後に余計な文を書き込まれないように余白は手で切り取る用心深さでした(カルトはすぐ隣に)

一審で終了した裁判

2004年に死刑判決 二審を進めるために必要な手続きである控訴趣意書を、弁護団が期限まで提出しないという理由で一審で死刑確定

最高裁判までやるならば、麻原は老衰で死ぬだろう

疑問

常に名前を幹部たち、母にさえ利用された3女は父、麻原も弟子から利用されたのでは?という説が頭をよぎる

弟子たちが「尊師によく思われたい」とかけ引きをしていた。父の気を引くため

(週刊誌の記事から)「〇〇が危険な状態です」

(ヘリが上空を飛べば)「米軍が毒ガスを巻いています」

弟子たちは父の不安を煽っていた。また父に気に入られようと忖度した

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地下鉄サリン事件は指令の村井は刺殺され、井上のリムジン証言のみであり、本当に父の命令かはわからない

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3女によると 取り調べでは、警察に心理的、肉体的に暴行された信者が多数いた。警察に対する恐怖から逃れるために検察に都合の良い証言をした可能性を指摘する

死刑囚と面談

今まで生きていくのは大変だったでしょう。逮捕された自分よりも、外で生きていくあなたはどれほど大変だったか、そのような状況を作ったのは自分たちだ。迷惑をかけて申し訳ない(早川)

こういう立場にいると、命をつないでほしいと思う。お前には、命の尊さや大切さをしり、オウムの価値観から離れて生きて欲しい(端本)

麻原の娘として事件と向き合う

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3女はオウム被害者遺族の本を読み被害者の苦しみを痛感した

人は、学ぼうとせず切磋琢磨しなければ、停滞してしまいます

カレー事件では、長男が児童施設で職員室からさえイジメにあっていたことをテレビてうったえました

秋葉原の加藤の弟は常にマスコミに付き纏われ、職を転々とし続けあげく絶望し命を経ちました

犯罪者2世は悲惨な壮絶な人生をおくります

社会的犯罪を犯す親が世間から常識が逸脱している場合が多いのです。社会常識から逸脱した両親の交友関係もそれなりです

赤子は、親をはじめ周囲の大人をみて真似をして成長する

これをミラーリングという。社会的常識が逸脱した大人しかいなければ、子供はそれをミラーリングするしかないのだ。子供は社会常識を知らないまま成長する

事件後 子供は罪がないのに、壮絶な差別、マスコミに付き纏われ、犯罪者の子供だから、警察も、自治体も守ってくれません。松本3女は中学校、高校さえ通えませんでした

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加害者2世にとってこの世はは生きづらいどころか地獄です

私たちがカルトを攻撃すれば、するほど彼らは「やはり、教祖の言うとおり この世は悪だ」と彼らの信仰は深まります

加害者2世は親を選んで生まれてきたわけではありません。彼らには幸せに普通に生きる権利が保証されなければなりません

父(麻原)が逮捕された時から自叙伝を執筆するまで自分の時間は止まっていたと語る

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「3女は今何をしているの?」

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画像 本人 ツィッターより引用

松本麗華さんは心理カウンセラーとして活躍しています

 

 

 

ミラーリング(鏡的模範行動)

ミラーリング(鏡的模倣行動)

同調効果、相手の行動、表情を真似てしまう心理学。コミュニケーションを円滑にするための無意識の行動

模倣は人間だけの能力ではない。猫は 母猫の毛繕い、狩り行動をみて真似る。ある動物園では母親が死んで人間に育てられたチンパンジーは子供を産んだが育児放棄をした

私たちはロールモデルから観察、模倣、習得、反復してミラーリングするのだ

初めて火をおこした人間がいてそれを見た人が模倣す

火から、ランプへ、電気へLEDへと知識は継承する

知識の継承は口頭伝達から、記号へ、やがて記号は文字となり、電話やファックスなりスマートフォン

このような知識の継承と模倣によって私たちは生きている

産まれたての赤子にとってロールモデルとは養育者です

新生児は反射的に母親の乳房さをを探して母親につかまろうとする

赤子は養育者に抱っこされることによって、呼吸、体温、心拍数を調整しているのです

赤子にとって養育者は生命線です。養育者から栄養を与えてられ子供は成長したす栄養とは文字通りの食料だけではありません

心の栄養も必要です。心の栄養とはコミュニケーションです。赤子は親の表情、言動を模倣することによってコミュニケーションを学びます

そしてまた、親も反射的に赤子に意識を向けて、表情、動作を真似て子供と意思の疎通をする。これを母性といいます

残念ながら母性が未成熟なまま親となった人も存在します

ミラーリングがないと赤ん坊は自分の心の動きについて重要な情報を得ることができず、外の世界をどう理解すれば良いのか知るい術を得られないまま成長するします。子供は大人になっても、他人のメッセージを正しく受ける能力、コミュニケーション能力が発達できないままで大人になる

例えば、ある父親が産まれたばかりの赤子に 「コラっ!」「メッ!」と怒鳴り散らす。赤子は泣くと彼は得意になって「ほら!見ろ!コイツ コラっ!メッ!」というと泣くんだぜ!」と彼は嬉々とした。彼は朝、昼、晩 毎日、それを繰り返した。その度に彼得意になって「ほら見ろ!コイツはメッというと泣いたぞ!」と喜んだ

さて、このような父親から育てられた子供を一体何を学のだろうか

ルネ=スピッツの実験

第2次世界大戦のロンドン大空襲 数しれない子供が孤児となりファウンドリンク病院に修養された。精神科医ルネ=スピッツ(🇦🇹)は、乳幼児たちをみて違和感を感じた。泣いている乳幼児たちが一人もいないのである。スピッツは保育施設の乳幼児を対象に実験をはじめる。スピッツは一貫して愛情を受けることなく育った赤ん坊に何が起こるか学んだ

衣食住は満たされてもスキンシップを受けなかった乳幼児は人間の殻になってしまうのだ。医者はこの状態を依存性抑鬱と名付けた

スキンシップを与えられない乳幼児は自分の要求を外に示すことができなくなり、それ以降に外からの呼びかけにも応じなくなるのだ

人間は外の世界の脅威があまりにも大きい時、自分を守るために逃避する

物理的に逃避ができない時は、私たちの神経は、身体的にそこにありながら精神的に逃避するのだ。人生の最も初期の時点から、人の幸せは他者の手の中にあるということだ

最初の保育者との安定した愛情関係という土台の上に違い情緒的知性が育つのと同じように、ミラーリングは共感の根となるものだ

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カルト親の常識は世間の一般常識は異なる。常識は「悪」になる

  • 独善的
  • 偏った価値観
  • 誤情報を真理と信じ子供に押し付ける
  • 思考力がなくカルトの教祖のいう通りに動くロボット
  • 共感力がなく、他者の感情、迷惑、人権を意に介さない
  • 子供をカルト活動に振り回す
  • カルト活動に邪魔だから子供を折檻またはネグレクト(放置)する

ダブルバインド

エホバ親は

  • 人を許す、寛容
  • 暴力はいけない
  • 嘘をついてはならない
  • 「愛」「平和」が大事

と言葉では美辞麗句を語る。しかし行動は

言語メッセージと非言語メッセージの矛盾。これをダブルバインドという。ロールモデルとなる親が矛盾したコミュニケーションをとる。子供は戸惑いを繰り返した挙げ句

自閉的な形で社会の通念からはズレた、異常な生活様式を身につけざるを得ない

カルト親は親戚付き合い、近所付き合いをしない。おなじカルト信者意外とは付き合わない

従ってカルト親の子供のまわりにはカルト信者しかいなくなる

親がカルト信者で、しかもその影響を和らげてくれる他の大人がいないという状況は、人格形成性を学んでいく子供にとって 間違いなく過酷だろう

自分という概念を理解し、感情をコントロールし、外の世界の関わりを学ぶべき時期にそれができず、子供は多種多様な価値観、世界があることを学べない

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カルト母が親として身体的にも、感情的にもないと同然となってしまった以上、残る親は父親だけだったが、同じ目線の男女が惹かれ合う、彼もまた子供の保育者になるには未熟だった

子育てとは自己犠牲の愛である。養育者の自己犠牲の愛を受け 子供は社会との関わりをはじめる

カルト母は現実世界より背後世界に夢中になり、子供の感情、要求を無視し続ける

子供の心は危機に晒される

乳幼児が示す行動は全て、愛着希求行動、すなわち保育者からの積極的な愛情表現という反応を求めるためにある

ミラーリング 笑顔には笑顔が返され、涙には抱擁が与えられる

満二ヶ月の段階で、赤ん坊は、愛情深い視線には微笑みで反応する。相手が自分に対して思いやりのある存在か、そうでないか見分け始める

満三ヶ月には、愉快な感情を共有できるするようなり

満六ヶ月までには、相互性のある簡単なあそびができるようになる

九ヶ月頃には、赤ん坊は養育者と注意を共有できるようになる。注意の共有が生まれることによって、その後の共感性や心を理解すり能力である「心の理論」の発達が準備されるのである

養育者の顔の表情、視線の動きから状況、次の行動が予測できるのもこの時期である

10ヶ月から十四ヶ月にかけて、ほかの子供たちが困ったり泣いたりすると共感を示すようになる

1歳半から、困っている子供を慰めたり、助けたりと愛他的行動が見られるようになる

共感、自分の心を汲んでもらう体験の積み重ねることが他人を思いやる能力となる

養育者から虐待、ネグレクト、支配された子供は、共感、心を汲まれた経験が欠如しているため、心の発達に深刻な支障が生じやすい

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父も母も、子供が愛情を求めるそういう行動を煩わしいとしか思わなかった

カルト信者 彼らは何の根拠もないのに「自分は真の宗教から選ばれた者」と信じているほどに自己中心的で

彼らの優先事項はカルト活動、次に自分の要求を優先する

我が子にかまう時は、子供が必要としてではなく、自分にとって必要だからという理由だった

カルト親にとって愛とは 宗教勧誘活動に他者を引きずりこむことだ

カルト親は自分と同じ信仰を持たせることが最大の愛と信じて疑わない

カルト親が子供たちに期待したのは服従だけ。彼らにとって子供とは

自分の都合いいようにう動くだけの存在

それ以外には何もなかった

それでも子供たちはそんな親にしがみつくしかないのだ

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親の世話を要求する幼児の生物学的行動は彼らには「甘ったれ」にしかならなかった

子供たちが必要なことを親に求めるだけで家の中には危険な緊張感が漂った

両親は子供たちの苦しみから何の結果も感じることはできなかった

やがて、子供たちにとって「必要があって求める」ても得るものは 屈辱、絶望、無力だけだった

そのうち 子供たちは何も要求しなくなった

子供たちの世話に邪魔されたくない親にとっては 子供たちが自分に何かを要求しなくなったのはいいことだったのだろう

結局、子供たちは外界から孤立しただけでなく、子供同士でも疎外感をいだくようになっていく

子供たちは親から多くを学んだ

他者の感情が自分に及ぼす影響を小さくする方法を学んだ

子供たちは自力に頼ることを学んだ

つまり、他者との仲間関係を築くことが難しくなった

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この様な子供たちは、二つに分かれる

一つは 自閉症気味になる

他者に関し無関心、全てのことに対し無気力になる

もう一つは 攻撃的になる

自分の苛立ちを他者(自分より立場の弱い相手に対し)に投影する

親が自分にしたように他者を支配しようとする

自分を守るためには、誰にも頼らないことを学んだ

他者との交流は避けられないため、自分の望む結果を達成するために、自己の利益のために他者をあやつることを学んだ

親から感情を無視された子供は

他者の感情を無視する。他者の内的な世界。感情、尊厳も意識せず、理解できない

彼らは親が自分にしたように、他者を「物」「チェスの駒」のように操るようなコミュニケーションしか取れなくなる

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下に兄弟がいれば 自分のやり場の無い怒りを歳下の兄弟にぶつける

怒りを一方的にぶつけられた子供は、逃げ場がなく 無力感に打ちひしがれ やがて心が病んでいく

カルト2世に精神異常者が多いのはそのような理由だ

学校に通う年頃になれば 更に彼らは混乱する

親が教えた カルトのルールと

学校のルールは価値観が違うのだ

カルトで成長した子供は程度の差はあれ、感情表現、他人に要求する。他人の感情を受け止めることが困難を感じる

多くのカルト2世たちは世間に馴染めず「透明人間」のような存在になる

カルト親にとって自分たち以外は「悪」「サタン」である

カルト親は子供が同じ信仰を持たなければ我が子さえも「サタン」とみなす

親から愛されない子供は死ぬしかない

子供はサバイバーになるために親の期待に応えた人生を歩む。親ををミラーリングするのだ

カルト子供は学校で浮いた存在だが、宗教熱心な子供をみて「世界最高の教育を受けたうちの子は凄い」と陶酔する

そんな親を見て親の自己陶酔をミラーリングして「真の宗教の親を持った自分は凄い」と陶酔する

第2次反抗期を迎えた子供は、親の期待に沿うだけの人生を違和感を覚える

「本当の自分はなんなのか」「自分は親の操り人形ではない」

親の欲望より、自己の欲望へ目が向き親から離れて一個の人間として自立していく

ところが、自分の欲望が親のコピーであることに気づかず、そのまま大人になる人もいる

親の期待に通りに生きることに疑問を持たないで人や、疑問を抱いても打ち消して我慢したまま成長する人たちである

このようなカルト二世は「真の宗教を選んだ私の母親は凄い」「母がいなければ私は真理を知らなかった」と

「真の宗教の親に育てられた私は凄い」という万能感を与えられ自己陶酔する

親と同じ信仰を持つことにより親のコピーになる人生を選ぶものもいる

このような人間は自分を衝き動かすものが内発的なものでないために何をしても満たされない。彼らは燃え尽き、精神的に病んでいく

こうして彼らは多くのものを失いながら大人になる

 

 

 

 

 

 

「中川智正」綺麗な心の殺人者

中川智正

オウム真理教の幹部。洗脳され、「救済の名の下に」医師でありながら坂本弁護士一家殺人を皮切りに、24人の殺人に関わった

生い立ち

岡山市内の裕福な家に生まれ育った。好奇心旺盛で、ハーモニカと習いたいと親にせがむ。習い事はそれだけ

自由奔放に育てたつもりです。勉強しろなんて言ったことはありませんでした

中学校まで成績は中くらい。理科が得意。手塚治虫の「ブッタ」と「ブラックジャック」にハマる。中学校3年生の2学期くら成績が急上昇して進学校に進む

高校時代は、いつも周囲に気を配り、授業に出なかった生徒にノートを届ける優しい子。口癖は

俺は嫌いな人間はいない

仏教に興味のある中川少年は超能力修行の阿含宗に入信する

1. 虚無感

とりあえず医師免許証を持って飽きたら転職しよう

一浪で京都府立大学医科大に入学。柔道部に所属し柔道2段

2. 人格者

性格は明るく、多くの友人がいて車椅子障害者の介護ボランティア活動する面倒見の良い真面目な人

麻原の空中浮遊写真を見た中川はトリックがあると確信した

タネを暴露してやる

麻原の説法を聴きにオウム大阪道場に訪れた。あくまでも冷やかしだったのだ

熱血感というか正義感があって、曲がったことは大っ嫌い。ものごとを真っ直ぐに貫く性格だった

なんでも興味を持ってトライしてみるやつだったね

もともと彼は宗教をからかうのが趣味で街で勧誘されると面白がってついていき、からかっては帰ってくるんだ

真面目で正義感の強い中川は弱者を背後世界で縛りつけ食い物にする新興宗教が嫌いだったのだろう。勧誘者に対し議論して論破することにより勧誘者に気づかせようとしたのかもしれない

しかし、その日の中川は帰ってこなかった

初めて会った麻原は「中川」の名を呼ぶ

初めて会ったのに自分の名前を言い当てた

更に神秘体験を経験した中川は麻原を盲信してしまう

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名前を知っているのは勧誘者が中川の名前を教えた ホットリーディングであるのは 冷静に考えればわかるはず

1988 教団のコンサートがあり、感動して学生寮の自室に帰り、一人で瞑想に耽っていました。すると銀色の光が差し込み、あたり一面が真っ白になって、いきなり私の体がぴょんぴょん跳ねたのです‥この新品体験により、この世とは違う別世界があることを、私は確信したのです。ものごとの価値観や人生観が、まったく変わってしまい」もう自分は俗世では生きていけない」とまで考えました

3. まるで別人

中川「頭に腫瘍ができてしまったんだ。オウムに出家しないとダメなんだ」

友人「おまは医者だろ。自分で調べろよ」中川「西洋医学ではわからない」

友人が頭を触ろうとすると

「やめてくれ!凡人に触られると非情に疲れるんだ」

4. 生きづらさ

研修医になった中川は、患者を担当した。患者と接触すると、精神的にも肉体的にも患者と同じか症状が自分の身体に表れ失神してしまう。更に幻覚や幻聴まで引き起こす

1989から外科に移り、ガン患者を担当ささたが、患者が次々と死んでいくのを目の当たりにした時

医師は全然治せない。患者は死んでいく。医者は敗者である。それを乗り越える道は、宗教の中にあると考えていたのかもしれない

1988 8月 麻原の勧めで出家した 

その年の10月27日に中川は坂本弁護士ポア事件に関与する

村井「人を殺せる薬はないか?すぐ襲った相手を眠らせる作用のものとか」

中川「スパイ映画と違って、すぐには眠らないでしょう」

村井「だったら君が、人を殺せるとか、すぐ眠らせるものを、医薬品から調達してくれ、勤めていた病院から、なんとか持ち出せないか?」

中川「はい、やってみます」

5. 思考停止

10月29日 中川は大阪鉄道病院に行き、塩化カリウムのアンプル5本を盗み出した。深夜に富士山総本部にたどり着くと、麻原彰晃が「遅いので心配した。帰ってこれて良かった」と労ってもらえた

自分は教団の中でしか生きられない。サリンを作れと言われればまだ作るし(実行犯として)行けと言われれば行くつもりでした

11月3日 麻原から坂本弁護士一家をポア指令を受ける

6. 殺人

帰宅途中の坂本弁護士を車に連れ込み、中川が塩化カリウム注射を打つ予定だったが、出勤日でなかったため、坂本弁護士のアパートに侵入した。坂本夫婦は激しく抵抗した。中川は泣いた龍彦君の口を塞ぐとやがて動かなくなった

は、は、は、子供を殺してしまいました‥

苦悩する中川

中川は現場にオウムのプルシャ(オウムのバッチ)をおとしてしまう。殺人犯としてあまりにも稚拙。証拠ありありなのに警察に捕まらなかったオウムは 教団を非難した人に毒ガス暗殺、教団内のスパイ疑惑のある信者をリンチで次々に人を殺めていく

地下鉄サリン事件の1ヶ月前、監視人二人から竹刀で叩かれて「グルに帰依します」という中川を見た(オウムからの帰還)

中川は医者でありながら爆薬、サリン製造をする。極めて有能

中川は凶悪事件の大部分に参加し25人の人間を死に加担した

逮捕後は両親に対し

遠いところを本当にありがとうございました。親不孝をして本当にすいません

7. 法廷

法廷では証言拒否を貫いた

「尊師とともに転生したい。だから一緒に処刑して欲しい」

「いつも尊師の声が聴こえる。いつも側にいる」

「教祖に帰依しているのは、僕と土谷と新實だけ、土谷は輝いてみえた。ステージが上がってきている」

刈谷さん監禁死について

「私は人が死んだ時、わかるんです」

どういう感じですか?

「光が床に降ってくるんです」

神秘体験が尊敬心に結びつくことがあったんですか

「それが全てでした

麻原に造反した井上に対して

「自己保身が激しい」

「生に執着している」

8. イエスマン

インド旅行で山道を歩いている時、麻原が「しまった、アキレス腱が切れた」と叫んで歩き続けた。中川か診察し、「尊師のおっしゃる通りアキレス腱が切れてます」アキレス腱が切れて歩けるはずないのに(端本証言)

頑なな中川も少しづつ変化していく

2001年 麻原公判に証人として出廷した時、中川は泣きながら

教団はシヴァ大神の名を標榜していたと思うが、それがこんな状況になって、尊師どうお考えなんでしょうか

是非なんらかの形で、私たちに示して欲しい

私たちは サリンを作ったり ばら撒いたり 人の首を絞めて殺したりとか

そんなことのために出家したわけではない

麻原はぶつぶつ独り言をつぶやいているだけ

滝本太郎弁護士

滝本太郎弁護士が証人として現れる。滝本弁護士は坂本弁護士から「オウム問題を一緒に取り組まないか?」誘われた。滝本はその時は断った

坂本弁護士失踪事件を境にオウム事件に取り組んだ。教団は滝本太郎暗殺を計画。滝本弁護士の車にサリンを滴下して、交通事故を装い暗殺しようとした。滝本は気分が悪くなっただけで暗殺は失敗。中川はその暗殺計画実行犯の1人だった

中川被告は、極悪非道の行為をした

あなたは多くの人を殺した

多くの人を苦しめた

松本サリン、地下鉄サリンで殺された人、一人一人の人生があった‥

あなたの手を見せてください

中川はすこしおどけたように、両掌を身体の前に構えて見せる

あなたは、その手で多くの犯罪を犯した。その手で、坂本龍彦君を殺した

その手で鼻を塞いで殺した

‥あなたは私の友人坂本堤を殺した

みやこさんを殺した

サリンまで作った

私は中川智正を許しません

もし来世があるなら

あなたの来世までも許さない

それでも君を死刑にしたいとは思わない

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中川の死刑を望まない理由を 教団におけるマインドコントロールを説明する滝本太郎弁護士。死刑になるのは教祖一人だけで十分だと述べた後、滝本は優しい口調で中川に語りかける

以上のことから

中川智正には厳正な処罰を望みます

ですが、たとえ本人が望んだとしても

死刑にはしないよう強く望みます

マインドコントロールされた人間はマニュピレーターにロボットのように従わざるえない。彼らには悪意も殺意もなく あくまでも善意の行いだったと滝本弁護士は語る

悪意の殺人には限度があるが

善意の殺人には限度がない (滝沢太郎)

マインドコントロールを理解していた滝本弁護士は麻原以外の人たちの死刑を回避するべきと訴えた

友達を家族ごと奪われ、自分をさえ殺そうとした人間に対し「生きて償う」ようにと優しく諭す。素晴らしい人格者です

2年後

黙秘を貫いた中川が事実関係を話し始めた。心境の変化について弁護士が問うと中川は

麻原の思念が薄らいできたことと

オウム事件の重大性が理解できたと述べた

‥それと、私事ではあるんですが

実は最近親戚が増えたんです

身内に子供を産んだ者がいるんです

その子は私が何をしたか知らない

おそらく一生会うことはないでしょう

むしろ会わない方がいい‥だけど何十年かたって、身内の私のことを考えて

「この人は一体何を考えてこんなことをしたのかな?」

理解されないのでは残念な気がしたんです

身内に新しい生命が宿ることを聞いて社会的責任感を取り戻したのだ

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洗脳を解くのは家族の絆

私が起訴された事件だけで24人の人が亡くなっている‥私がのうのうと生きていること自体まずい、いけないことだと思います

中川は麻原を「尊師」から麻原氏と呼び名をかえた

2003年 一審で死刑判決

裁判では解離性障害と診断されたが、責任能力ありと判断された。裁判官は中川が人格者であることを褒め称えながらも死刑判決を下した

綺麗な心の殺人者

体の不自由な人の車椅子を押していた優しい若者が、3歳にも満たない幼児を殺害してしまう。凶悪な殺人者が犯罪に走ったのではなく、綺麗な心を持った若者がいつしか、その綺麗な心のままで殺人を犯していた。これこそがオウム事件の恐ろしい核心だ。一つ間違えば、誰もがそうなり得るということだ(オウム真理の会 永岡弘行会長)

誰も恨まない

あの人が

あの人がというには

終わりなり

我がなしたこと

我が前で見る    (中川の俳句)

中川は、麻原を師として従うことを選んだ自分にも非があると述べた

俳句が好きで刑務所で詠んだ俳句を同人誌に掲載していた

9. 証人

平田、菊池直子、髙橋の裁判で証言をする

井上は3人は積極的に関わったと述べるが

中川は

重要なことを知っている人は皆捕まった

菊池は爆弾と知らずに運んだ

と証言した。爆発物を運ぶ人に対し、中身を知らせないのは考えにくい。そのため 週刊誌では「菊池を庇っている」と報道された

アンソニートゥー氏は 「菊池さんが好きなのか?」と問うと顔を赤らめた、裁判では中川の証言が採用され 菊池は無罪となる

10. 食い違う意見

松本サリン事件がオウムの仕業とみなされ、教団はオウムの原料(ジプロ)を廃棄した。しかし井上証言で中川が一部を保管した。それが地下鉄サリン事件に使用されたとされていた。中川は保管したのは自分てはないと語る。中川は人体実験をしていたと話す信者もいた

11. 中川の疑問

オウム真理教の裁判において基準値が曖昧と釈然としなかったと述べた

死刑と無期懲役の差

サリン実行犯 死刑

運転手 無期懲役

だが

林郁夫 無期懲役 サリンを撒き2人死亡、刈谷さん監禁致死 

横山 サリンをまくもその車両で死亡者はいないが死刑

土谷 サリン、V Xガスを作ったが直には人は殺していない。サリン事件はテレビの報道で知った

遠藤 細菌兵器をつくるも使いものにならず直接には誰も殺してはいない

12. 責任感の欠如

中川の恋人大谷は「なぜサリンを作ったのか」の問いかけにたいし

自分を含めオウムに出家した人ふみんな自分に自信がなかったと思う。それで答えを出してくれる人がほしくて、こうすれば絶対間違えない、自分で考えて判断して失敗するのが怖いので、この人に従っていれば大丈夫という絶対的な存在を求めてしまった。自分で迷いながら自分の人生を放棄してしまったのがいけなかった(オウム真理教秘録)

13. VX

2017 金正男氏がマレーシアで暗殺された時は「症状からVXガスが使用された可能性がある」と真っ先に指摘して、その後論文を執筆した

死刑が近いことを悟った中川はアントニートゥ氏にお別れをする

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13. 最期の日

職員が腕をつかみ連れて行こうとしたが「自分で歩いて行く」て断った

自分のことについては誰も恨まず

自分のした事のことの結果と考えている

被害者の方々に心よりお詫び申し上げます

中川は綺麗な心で殺人を犯し続け、綺麗な心のまま刑場に向かった。中川の独房に走り書きの紙が残されていた

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最後までありがとう

みんなありがとう7月6日朝 お別れです

幼児まで手にかけMADドクターに堕ちた中川。最期は感謝の言葉を何度も述べた

マニュピレーターに支配されないためにはどうすればいいの?

だから、麻原に近づかないことですよ(中川)オウム真理教秘録

 

オウムの申し子

井上嘉浩

麻原の側近。地下鉄サリン事件など様々なテロ事件に関わり指導の役割を果たしオウムの申し子と呼ばれた

1969年 京都で旅行会社に勤める父、専業主婦の母の次男として生まれる。父は職業柄家を空けることが多かった井上家は一家団欒はあまりなかった

連帯保証人となった父は借金の返済に追われる。父を責める母。家庭は諍いの場となり 母親は鬱病になり寝込んだ。子供たちは祖母が面倒を見るようになった。祖母と幼稚園から帰宅した嘉浩は母の自殺未遂を目撃する

それは彼の心に暗い影を落としたのか、井上少年はよく金縛りにあっていた。釈迦のように悩み抜いた嘉浩は密教、ヨーガなど惹かれ仏教などの本を読み漁る 

スピチュアル体験

高校受験を控えた井上少年。毎日睡眠時間を削って猛勉強に疲れ果て眠っている時、スピュチアル体験(不思議な夢)を見る

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睡眠不足と不定期な睡眠による自律神経の乱れによる金縛りである

虚無感

毎日電車に押し込まれ

心さえも失い

ちっぽけな金にしがみつき

ぶら下がっているだけの大人たち

子供の夢は

時と人波にけずられ

もろもろになり

街角に転がっている

この世の中では

本当の自分は

見つけられない

(中学校の卒業文集)

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現世から生きづらさを感じた井上はその約10年後、電車に押し込まれた会社員たちを正義の名の下に救済してしまう

睡眠時間を削った猛勉強のかいもあり名門洛南高校入学

阿含宗に入信

超能力修行の阿含宗に入門する。彼は最も熱心に修行した。「霊性とは、どのようにすれば高められていくものなのでしょうか?」先輩信者たちに聞いてみた。しかし誰も明快な答えを出してくれなかった。阿含宗では井上は不完全燃焼を感じた。井上は本屋で麻原の空中浮遊の本を見つけ読み耽る

百人近くの人が麻原のシャクティーパットにより覚醒した

疑問

一生かかっても覚醒できるかわからないのに、他人のエネルギーによって覚醒するなんて‥そんなことありうるだろうか?

オウム幹部たちは麻原を最初胡散臭いと思っていた。疑問、違和感を覚えたらそいつは詐欺師

高二の夏休み麻原の本を読んで実践した井上は神秘体験をした。「麻原に会いたい」井上は母を説き伏せオウムのセミナーに参加した井上少年は麻原と初対面する。井上は麻原を理想の父とみなした。詐欺師麻原からみれば中2病少年を騙すなど朝飯前。麻原に魅入られた井上は別人のように変わりオウムにのめり込んでいく

人生では、解脱することが最も価値のあることなんだ。解脱することこそ、両親に対しても最高の恩返しになるはずだ

セミナー参加後「出家する」と言い出す。両親は猛反対する。両親は麻原と相談の上で、出家は大学卒業してからと約束させた。麻原の態度に感心して母まで入信してしまう

絶えず麻原のことを考えていました。寝る前にもグル、学校でもグル。いつの間にかグルグル

とりわけ熱心な井上の教団でのあだ名は「グルグルパー」

授業中にまで瞑想修行したほど宗教にハマったそうで 学校の成績は下降していく

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井上の卒業文集 

当時私はいずれ来るハルマゲドンによって何もかも滅んでしまうなら、今の現代社会の生活に何の意味があるんだ、多くの人を助けるためにハルマゲドンの道を歩む社会をなんとか変えなければいけないと真剣に信じていました。麻原はこれをヴァジラヤーナによる救済と呼び、神々の意思により自ら武力をもって現在社会を破壊することで、悪業を積み背負いながら、新しい平和な社会を切り開こうとしているとしていると私は信じていました

ノンキャリア

東京の大学に通う。オウムの弁当屋で宅配便のワークをやらされる。流石に弁当屋は「修行のために出家したのに、なぜ自分で弁当かいにいけない奴にそこまでやらねばならないんだ?」と不満を感じた。オウム活動のため忙しく(睡眠時間三時間ほど)学校に通えず中退

オウムは学歴社会と分かった。学歴のある人がリーダーになって、学歴がない人ふ雑用に追い立てられた‥僕はこれから、オウムの中ではノンキャリアでやってかなきゃならない

ノンキャリアの井上は誰よりも教祖に帰依していた

麻原 「グルから「ポアしろ」と言われたら、両親のことをポアできるか」

井上「尊師からやれと言われればやります」

誰よりも尊師に忠実な井上はノンキャリアでありながら、わずか18歳で指導者になった

オウムの申し子、修行の天才

洛南高校でも洗脳されるまでは成績良好。極真空手を習い。中学時代にはサッカー部に所属、高校時代は駅伝のメンバーに勧誘された井上は高い身体能力を持っていた。とりわけ難易度の高いヨーガ技術を持っていた

澄んだ瞳の青年

1991 11月 麻原彰晃信州大学に講演会に訪れた。坂本弁護士失踪で話題のオウム真理教信州大学で天文を学ぶ髙橋は非常に興味を持った

麻原彰晃の話をじっくり聞いてやろうではないか」(洗脳される人の特徴)

講演後、髙橋は麻原に質問した。麻原はスマートに答えた。髙橋はオウムに引き込まれてる感がして会場を後しにした

すると、髙橋に「じっくり君の話を聞きたいんだけど」井上嘉浩という澄んだ瞳のオウム信者に声かけられた

髙橋のアパートに井上を招き入れると何故か 電球が切れた。替えの電球もきれてしまった。井上は壁にかけてある絵をみて

「あの絵は君が描いたものなのかい?」

「そうだよ」

「あそこに描かれている赤色から白銀色へと広がる世界は、君には実際に見えているものなのかい?だとしたら驚きだね。ちょうど僕にもあの絵のような光景が見えていたんだよ‥君はあの絵の世界に漂ったことがあるかい?

あそこに見える赤色の層の世界は君の心の闘争的な気質を反映していて、君はまさにその空間でもがいている

苦しみながらそこからどんどん上昇していき、やがて霧が晴れわたってまばゆいばかりの白銀の世界が切り開かれようとしているんだが、君はまだその入り口を垣間見たに過ぎない。それにしてもこの光景は、瞑想修行者ならばたびたび見ている世界だ。驚いたよ‥」

髙橋は井上に感銘を持ち、それから数分もしない内にオウム真理教の入会手続きをしてしまった。このように井上は1000人以上の人をオウムに勧誘したという。彼は軍事評論家を装い第一空挺団自衛官3人と警察官まで信者にした

直感力が鋭く、いつも心の中を読まれているような気がした(井上にスカウトされた元自衛)

別名「井上教」と呼ばれる

悪童

彼の評価は二つに別れる。「悪童アーナンダー」と呼ぶ者もいた

裏表のある人

複数の女性信者と破戒していた。井上は「相手が誘ってきた」というが女性信者たちが「井上が迫ってきた」と述べる

自分をよくみせるために人を陥れようとする 深山(オウム元幹部)

洗脳地獄

オウムは性行為は破戒である。麻原はわざと若い女性ばかり井上の周りにおいた

とうとう井上は女性信者との破戒をしてしまう。罰として麻原から4日間コンテナの中で断水、断食する刑を与えられた。3日目に雨が降ったため何とか生き延びた。4日間の断水、断食後麻原の前に呼び出されると、なんと麻原 井上の前で高級メロンを何個も美味しいそうにムシャムシャと食べながら

すまなかったな

幹部会議では井上を破門にする意見もあったが私が止めた

その優しい言葉に井上の信仰は更に強まった。その後教祖の部屋に行った井上は、好きな女性が麻原のベッドに横たわっているのを目撃し動揺しましたが、それでも麻原の忠誠心は揺るぎませんでした

カーボンの竹刀でボコボコに叩かれたり、皆の前で叱責された

「井上に囚われている女性サマナは、メス豚に生まれ変わる」と説法で話し信者たちの前で公開処刑されたこともあった

洗脳された井上はグルに対する恐れのため麻原のいいなりだった

井上は札束を持ち歩いていて色々買ってもらった。都内で高級マンションに住んで美味しいものを食べていた(麻原おっさん地獄)

飴とムチを使い分け調教して依存させる。DV夫と妻のような関係だ

落田さんリンチ事件を目の当たりにした井上は良心の葛藤に苦しむ。しかしオウムから脱走した信者を執拗に探し抜く教団の本質を知り「逃げても捕まって殺される」と学習性無力障害に陥った様子

このような事態に陥ったのは自業自得です。落田さんの事件後教団にとどまった大きな要因に、下向すれば同じように殺害される恐怖がありました

これは人々の救済を願っていたこととは全くの自己保全でした‥自分のなしている矛盾に対してまるで罪の意識がなかったからだと思います

麻原に対する恐怖という洗脳地獄に落ちた井上は様ざまなテロ事件にひきずりこまれていく

1995 地下鉄サリン事件では指示役で活躍

井上は逃亡した。「オウムの申し子」と呼ばれる井上の指名手配は連日マスコミに報道された。逮捕時は大々的に報道された

井上は殺人をやっていない。いや、そこから逃げている。あいつは、多くの事件に係りながら、そこから逃げる。不思議な奴だ

救済

洗脳されていた井上は黙秘を続けた。そんな井上に救いの手を差し伸べたのは井上の両親だった

君があんな形で世間に名前を出してから君の両親、そして兄の人生も、これまでとは全く違った人生軌道を歩いていくことを余儀されていますが、誰もこのことを恨んでいません。寧ろ、どうしてもっと早く、君が加担して、色々行なっていることに気がつき、君に忠告できなかったのだろうかと後悔の念で一杯です‥

親兄弟の気持ちからすれば、君が関与したときみの口から知らされるものなら、諦めたもつくが、君が肝心なことに黙秘を続け、君の口から一切のことが明白にならなければ死んでも死にきれないというのが正直な気持ちです‥

今の君にこういう言い方は酷いかもしれませんが、君は働き盛りのご主人を亡くされて、これからどういう生活をしていったらいいか途方に暮れている、ご家族のことを考えたことがありますか?‥

全ての人間には、みずからの人生を運命の許される限り謳歌し、そして家族、友人とその人生を全うする権利が与えられているはずです

それを、君は何の必然性も理解しないまま、無残にもその命を奪ってしまったという厳粛な事実に、真っ向から目を向けて欲しいと、父は切に望みます、そうすれば、今、君がなさねばならないことが何であるかの答えは、おのずからでてくるはずです‥父は君の父親として、色んな意味において君を信じます

それは君の父親として当然のことです。後において悔いを残さない日々てまあって欲しいと父は心から望みます  父より

母のテープメッセージ

よっちゃん。家族みんなでよっちゃんのことを見守ってます。だから、何も心配しなくていいです。正直に全てのことを話すのです。それが、被害に遭った方々にあなたができる唯一のことです。全てを話して罪を償ってください‥お母さんは一生懸命、祈っていますからね‥

井上は号泣した。その姿を見た取り調べ菅まで貰い泣きした。その後も父は手紙を書き綴る

井上は長い葛藤をえてオウムから脱退を決めた

1995年12月26日 井上の脱会はマスコミにトップニュースで報道されてされた。井上はオウムは偽りとオウム信者に訴えた

自分自身の内側に宿っている仏性こそが究極の真理

不仲の両親を目の当たりにして大人、人生に失望し悟りの道をひらこうとして詐欺師にだまされた井上をカルト地獄から救済したのが

頼りないと思い込んだ母と

仕事人間の父だった

井上がテロリストとして報道、逮捕をうけたあと不仲の両親が結束し、国民的犯罪をした息子を理解し受け入れた。無償の愛で包み込んだからこそ息子の魂を麻原から取り戻したのだ

カルトに騙される若者を減らしたい

取調べも積極的に応じ裁判で自分の知っている限りを証言することを決意した

麻原彰晃に立ち向かい事実を明らかにすることにより、今私のできる唯一の償を実践しようと誓います

法廷での師弟対決

麻原に対する恐怖に支配されていた井上は最初は麻原に怯えて声も小さかった

麻原

麻原はサリン事件も井上と村井(暗殺)が計画した。自分は辞めさせようとした

井上

リムジンの中で麻原がサリンをまくよう指示した

地下鉄サリン実行犯たちは村井の指示に従った。しかし、村井は暗殺されている。井上のリムジン証言が地下鉄サリンで麻原を有罪に立件できた

旗色が悪くなった麻原はついには問いかけに全く応じず意味不明な言葉を呟きはじめた

当時、あなたはヴァジラヤーナの救済は自分で悪業を積んでカルマを背負うことで救済すると言っていた。それが慈愛の実戦であり、キリストの実践であると言っていたのに、どうして今、その信念を話そうとしないのですか?

麻原は英語みたいな独り言を呟くだけ‥証言がオウム武装化の話に入ると、麻原は体を激しく揺らし、ヒステリー症状を起こした挙句の果てに

井上証人、私は精神病だと思われているだろうな(そうでない様)飛んで(空中浮遊)みくれ

井上は憐れむように呟いた

‥この人はバカだ‥

井上が他の被告人の公判廷で証言したのは93回(麻原の公判廷20回)麻原と対峙した

この現実世界には私たちの本質から切り離されていない。どんなものにも、その存在の本質の重さがある。その生命を救済の名の下に、邪魔だからとか必要ないとか言って破壊することがあってはならない

理想の父は麻原彰晃ではなく父だった

家族を養うために朝早く起きて電車に乗って一生懸命 仕事して、喧嘩もする。子供に起こり過ぎたこともある。失敗ばかりする。でも家族を誰よりも愛している

最も尊いのは解脱修行する人間ではない

救世主は尊師でもなく予言者ではない

蛇口をひねれば綺麗なお水が出てくる。配管工のみなさん。水道局の人ありがとう。社会の土台を作っている 公務員、医者、看護婦、教師、警官、消防士、大工、営業、受付

本当の救世主とは、朝、早く起きて電車に乗っ仕事をしている こうした名もなき人たちなのだ

解脱はグルのコピー人間になることでない

食い違う証言

井上の証言は「検察側に沿った都合のいい証言」で他の信者とはくいちがっていた。教団からは「裏切り者」と呼ばれた

マスコミからも自己保身といわれた

麻原の弁護士は地下鉄サリン事件は井上が考え、主導した説を持ち、ほかの被告から井上主導説を引き出そうとしていた

「他人に罪をなすりつけ 糾弾する自分に陶酔している」

被害者遺族から「罪を償うと言っているが 響いてこない」

と厳しい糾弾は続いた

井上君は自分だけ蜘蛛の糸で助かろうとしている(新実)

はじめてよむ日本の名作絵どうわ (2) くもの糸

2000年6月 無期懲役判決

判決に井上は泣き崩れた。しかし「無辜の人間をあれだけ死に追いやって自分だけは助かりたいのか」と非難の声があがる。検察は上訴した

2004年5月 東京地裁死刑判決

井上は覚悟を決めた様子で冷静に構えたが、目の前には涙で顔をくしゃくしゃにした母と悲痛な顔を歪ませてじっと目を瞑っていた父の姿が目に焼きついた

それはオウムテロ事件で愛する家族を奪われた瞬間に見せる遺族の嘆きときっと同じ姿だったろう

井上の両親にとっては16歳の息子が如何しい男に騙されたのを止めらなかった報いなのか

オウム死刑囚のうち、無期懲役から死刑になったのは井上だけ

井上証言が麻原を有罪に持ち込めたのた

井上証言は検察にとって都合の良い証言だった

洗脳された人間を手っ取り早く洗脳から解放するには別の洗脳をかけるのだ

井上は嘘をついているわけではなく、検察から逆洗脳されたと考えた方が妥当

井上証言が麻原を有罪に追い込んだ。検察は井上を利用するだけ利用して突き落とした。天界に引き上げた後、地獄へ突き落とした

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希望

この判決後、洛南高校の恩師虎頭先生の呼びかけにより井上を「生きて償う」会を発足された。井上の支援の会に真言大谷派の鈴木君代という「歌う僧侶」が参加する。鈴木は手紙のやり取りや面談を重ね井上を常に励した

鈴木は両親の離婚から過呼吸に苦しみ子供の時くから自殺を考えていた。お寺に預けられた鈴木は「何のために生まれてきたのだろう?」と悩み中学生から仏教を学び始めた

私自身が、出会う人を間違えたら、立場が逆になっていたかもしれなかった

君代の面会は井上にとって癒しとなった

2009年12月 最高裁死刑判決が確定した

死刑囚はいつ自分の刑が下るのか知らされない(かつて日本は死刑の日の前日に知らせていました。伝えると自殺してしまう人がよくいた為)ある朝、いきなり死刑執行を告げられる。出された朝ごはんはほとんどの人が食べ残すという

お釈迦様は、自分の師から離れ、自立していきます‥しかし、私はオウムの中でただ「盲信」してしまい、おかしいと思っても、ただ黙っていました。そこには私の弱さがあったんです。その意味で、私は、全ての罪は我が身にあり、と思ってます

井上は生きて償うのではなく、毎日 死の恐怖にに怯えながら麻原を盲信したという罪と向き合う償いを国から言い渡された

プライド

グルの意思だけが救済だと思っていたけど、自分の意識の中だけはどことなくぷライドを満たすところがありました。結局私は弱い人間だった。救済と言いながら自分のことしか考えていない。修行中として自分は駄目なんだといことはっきり自覚しました

2018年7月6日 死刑執行

まえを通り過ぎようとしたとき、目があった。泰然自若。動揺する事なく、至極立派な態度で去っていった(おなじ拘置所に収容されていた未決囚)

ご両親に何か伝えることは?

お父さん、お母さん、ありがとう。心配しないで。こんなことになるとは、思ってもいなかった

まずは、よし

(享年48)

オウムに入信した若者はみな感受性が強く、真面目、ピュアで世に厭世的だった。無常感を乗り越えた釈迦のように解脱したり、悟りを開きたかっただけだった。騙されて洗脳され数々の凶悪事件と関り、無辜の人を殺め、国家から死刑をくだされた。誰しもが自分がテロリストになり処刑されるなんて思いもよらなかっただろう

こうして 18歳で出家した井上嘉浩は30年ぶりに家族の待つ家に帰った。母親は抱きしめ「よっちゃん。よっちゃん」と号泣した

嘉浩の父でございます。昨夜嘉浩が初めて家に帰ってまいりました‥そこで私どもは、親子4人で一夜を明かすことができました‥兄が棺に「よっちゃん、よく頑張ったね」と叫んでいました。私はそれを耳にしながら、23年前、オウムが起こした事件の多くの被害者の方に思いを致しました。皆さん、こんな気持ちで苦しまれたのだろう、と点滴多くの方を苦しめていることを、あらためて考えました。心から、本当に心から、被害者の方々のご冥福をお祈りしたいと思います(葬儀の父の挨拶)

井上の両親は300万円をオウム被害者の会に寄付した。家族もまた生きている限り十字架を背負うのだろう

罪を犯しても洗脳が解けない頑なな息子に対し、家族は一切責めず真実を話すように励まし続けました。父親の手紙に感銘を受けてブログに記しました。両親の人格が子供に投影する

カルト信者はなぜ嘘をつく

カルト信者は嘘を吐息のように吐きます。カルト信者は自分が正しいと信じています。事実をねじまけても自分は正しいと言い張ります。ただし、人を騙そうという意図はありません。他人からみたらバレバレの嘘をつきます。でも 彼ら的には「真実」です

承認要求

カルト信者は元々承認要求が強い方か多いのです

「真の宗教」に選ばれた私は凄い!

という思いがあります。それは麻薬の様に気持ち良くクセになります

井上少年も「正義の人」になりたいと願いそのためにオウムに入信しました

カルトでは以前の人格を捨て 生まれ変わるように新しい人格を身につけよとおしえます

麻原は井上にアーナンダーというホーリネームを与えました

井上少年は井上嘉浩を捨て、アーナンダーという新しいカルトの人格を身につけます

以前の人格の表層にカルトの人格が上乗せされるのです

オウムの正義とは

麻原の言うことを何も考えずただ従うこと

オウムの悪とは

麻原に従わないこと

麻原に帰依(従わない)悪人たちを正しい方向に導くこと(ポア)

カルトの人格 アーナンダーは麻原の与えた正義を何も考えずロボットのように従います

井上が殺人から逃げた心理

私はエホバの証人の勧誘活動を自分の意思に反してやらされました。あれは「終わる終わる詐欺」です。反社会行為ですから極力やらないように、他者を誤った道に誘導しないよう即答で断ってもらうようにしました。悪から回避していました

井上は麻原からポア(殺人)の指示を受けてもカルトの人格はそれに逆らえません

しかし、奥に眠る井上嘉浩の人格が「殺人をしたくない」と殺人実行から回避しようとします

洗脳が解けた時 カルトの人格アーナンダーは消え元の人格井上嘉浩16歳に戻ります

価値観はひっくり返ります

麻原に従うことが正義から

法律に従うことが正義に変換されます

井上嘉浩にとっては麻原は詐欺師で悪です。オウムは反社会的です。だから麻原を糾弾することをはじめたわけです

洗脳中と洗脳後は別の人格です

洗脳された人間は二つの人格がある

洗脳後はカルトの人格は消えます。これは 一般の世界の人から見たら終始一貫性がなく、責任転嫁をする「嫌な奴」にしか見えません

大義

教団内では麻原の指示するワークは何もかもこの大義のために深い意味があるとされていました

罪とは大義である神々の意思に基づくグルの意思に逆らうことでした‥善悪の基準はグルの意思の一点にありました

そのためグルの意思に逆らう発想がまずありませんでした

当時を振り返りますと、私はこのような大義を盲信することで

善悪の判断を麻原に委ね、自己の言動に対する人としての責任感を放棄していました

グルの意思の実践は救済のお手伝いであり、自分の修行にもなると良い子ぶった善人意識を自己満足させていました

突き詰めますとこのような私の大義への妄信といい子ぶった自己満足が私自身を人格の崩壊まで追い詰め、数々の犯罪行為に関与してしまう「罪人」にしていったのです

罪を償う

洗脳が解けた井上は罪と向き合った。自分のようにカルトに騙される若者を一人でも減らそうとSNSで発信していた。彼は間違いなく真理の求道者であった

私が事件に関わってしまったのは、このような私の欲望が原因でした‥私は、プライドや自尊心や傲慢さや思い上がりによって自分の良心を殺し続けていました。だからこそ他者の人生を実感せず、他の弟子のことも考えず、殺人を手伝えたのだと思います。私は良心を殺すことによって、他者の命をとでも言うべき尊厳性を否定していました(井上、カルトを抜けて罪と向き合う)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口から生まれれきた男 上祐の真実

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うまい棒お得セット買ったわよ

今日は口から生まれてきた男 上祐史浩の「オウム真理教17年目の告白」より学ぶわよ」

上祐史浩

  • 父は九州大学卒の銀行員、母は教師の一人息子
  • 世田谷の小、中学校に通う。勉強はクラスで一、二番
  • 学級委員に選ばれた時もある優等生だった
  • 父は仕事人間。父とキャッチポールしたのは一度だけ
  • 高学年の時、両親の離婚により母子家庭となる
  • 宇宙の本を読む大人しい真面目な大人しい少年
  • 中学生になっても誕生パーティーを開き友達を招いていた。父と母がいて、途中から母の息子自慢が始まった。両親からさ自慢の息子
  • 上祐家では中学生まで誕生パーティーを開きながらも家族旅行はしたことはなかった
  • 早稲田の附属高校に入学
  • 本人は天才型ではなく努力型と語る
  • 部活は生物部
  • 早稲田の理工学部に入学
  • 英会話サークルに所属しディベートを学び活躍する

挫折

上祐が大学院に進む頃、父は事業に失敗。さらに上祐は交通事故に遭う

事故のリハビリのため オウム神仙の会のヨーガ教室に通い始めた

もともとスピュチアルに興味がありヨーガ、禅の本をよく読み、神秘主義な少年だった上祐は麻原に魅了された

1986  オウム神仙の会に入門

Q.上祐がオウムに入門した理由

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上祐は「特に深い意味はない」と語る

私の場合は誇大妄想的なところがあって、超能力に関心があったんです。世の中を良くしたくてオウム真理教に入ったんですけど‥他人にはない、他人を超える力を手にしたい欲求を無意識に持っていた

特別扱い

麻原は上祐が早稲田の理系と知ると褒めて特別扱いをした。上祐は麻原に好意を抱いた

これは好意の返報性の原理を利用した心理テクニックである

3回目のシャクティーパッドで神秘体験をした上祐はオウムにハマる

上祐は宇宙航空研究開発機構に就職したばかりだった。「第三次世界大戦をから全人類のするため」と両親の反対を押しきって出家した

世界観、価値観が変わると、善悪が正反対になる。戦争では人を殺すことが善とされるように、誇大妄想を抱いていた私は、他人も自分も苦しむ行為が大いなる善(救済)になると考えたのである

出家

修行

仏教の経典に書かれているような様々な体外離脱と神秘体験をした

(麻原は)私の身体に触れながら、麻原は通院歴のある私の身体の悪い部分を言い当てた

鍼灸師マッサージ師の資格を持っていた麻原は人体を知り尽くしている。超能力ではなく鍼灸師として言い当てたと考えるのが妥当

帰依

「グルへの帰依が解脱には重要」と刷り込まれた

私は麻原を確かなグルであり、霊的指導者であり、しかも人の輪廻転生をコントロールすることができると信じるようになった

解脱者の演技

解脱者らしくふるまう修行を課された

違和感

洗脳されても違和感は感じ続ける

自分が期待したような悟りや超能力を体得できたとは思えなかった

洗脳された信者は、グル(指導者)に疑いを持つのは煩悩と罪悪感を感じ思考停止する

Q. 信者が麻原を盲信した理由

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1. 選ばれし者

麻原から「菩薩」と呼ばれた極めて高く賞賛された上祐は御大妄想的な自尊心を満たされ、麻原を信じたい気持ちになった

つまり正しいから信じるのではなく、自分を高く評価するものを信じたいという心理である

2. アィデンティティの喪失

経済成長重視の競争社会である現代は、自分の存在価値が感じにくい

他者に勝ってこそ幸福になれるという価値観が強い中で、負け組は自分の価値や、生きる意味を見失って悩む

少数の勝ち組やエリートでさえ、社会の上層部に行くには、長い年月の地道な努力が必要だ

みんなが、自分の価値を見出しにくい社会の歯車の一つ、群衆の一人なのかもしれない

3. ハッピーになる(ドーパミンをだす)

そうした若者の渇きを、麻原の言葉は悪い意味で満たした。麻原に帰依すれば

「偉大な自分になれる」と錯覚させたのだ

4. 誇大妄想

誇大妄想にほかならないのだが

5. 麻薬のような魅力

だからこそ麻原は麻薬のように魅力的だったのだと思う

6. 神となる

麻原が神の化身だと主張するだけでなく、弟子たちも、麻原に帰依すれば「解脱者」「超能力者」になれると説いた

7.唯一無二

これは他の教祖、教壇にはあり得ない特徴だ。若者は救われるだけでなく

自ら神に近づけるというのだ

8. 地球を救う

自己存在価値に飢えていた私を含めた若者たちは、地球を救う重要な存在ができるという話に信者たちは熱狂した

神秘体験

オウムの神秘体験の正体とは、ヨーガの行法で得られるドーパミン(脳内麻薬)の働きである

スピュチアル体験

つまりバーチャルリアリティ体験

今では何処にでもあるが、当時神秘体験ができる団体は少なかった

スピュチアルに対して情報がなく信者たちはヨーガによっておきる神秘体験を信者たちは麻原の神秘力と錯覚した

最終的にはLSDドーパミンを放出させ依存させた

もともと宗教とは日常から脱して非日常性を体験すりためのものだった

Q.麻原は霊能力あるの?

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  • 麻原馬他人に触れ、霊的なエネルギーを移入し他人の心やエネルギーの状態を感じ取れる
  • 六神通を有し、前世や未来を主張していた

しかし、他人の状態については外れることが多く、弟子たちに疑念を持たれる場合もあった。麻原の予言はほとんど当たらなかった

霊能力があるからといって、人格が優れているとは限らない。個人的見解だが、短所と長所が裏表と言われるように

霊能力が身体障害や人格障害とセットである場合が少なくない

上祐は洗脳時代の自分をオウム人と例えた

信者の間には神の化身である麻原の弟子としてある、一緒に転生を繰り返す魂の集団だという認識が形成されていった。喩えて言えば、日本人なのに、日本社会への帰属意識は乏しく。あたかも「オウム人」であるかのような意識だ。この意識が、麻原の意思と来世を重視し、日本社会と現実の生命を軽視して、一連の犯罪を行っていく土壌となっていったのだと考えている

カルトに洗脳される人は自己アィデンティティが喪失している場合が多い。カルトは自己アィデンティティを喪失した人に

カルトの価値観と居場所を提供するのだ

人間とは自分と違うものに対して とことん排除する。それは歴史が証明している

アメリカ人が日本に原爆を落としたのも

  • 日本人がアメリカ人ではないから
  • 白人ではないから
  • キリスト教徒でないからこそできた

ドイツのユダヤ人狩りもそれがドイツ人でないからできた

オウム人だからこそ、オウム人ではない日本人にサリンをばら撒いて粛正しようとしたのだ

犯罪を正当化するヴァジラヤーナ(金剛乗)の教え

麻原は1985年にはテロで日本を乗っ取ろうとしていた

殺人鬼など悪行をする人に対して、他に手段がない場合は殺してもいい

麻原はこの教えを曲解し弟子たちに教えた

麻原流ヴァジラヤーナ

  • 修行をしない人は「三悪趣」に堕ちる
  • 最速の解脱の道
  • 悪人の唯一救われる道
  • グルの絶対的な帰依が必須
  • グルの指示した犯罪行為を行わなければならない
  • グルは麻原彰晃のみ

麻原はヴァジラヤーナを上祐にも話す。すかさず上祐は「それは危険です」と答えた。麻原はヴァジラヤーナを上祐からはずした。そのためサリン事件の時は上祐はロシアにいて関わらずに済んだ

ヨハネ黙示録の終末予言

世紀末にハルマゲドンが起こり、自分がキリストの再来として登場し、悪との闘いに勝利し、真理の国をつくるとした

予言‥自ずと起こる

預言‥信者が実現に努力するもの

ポア‥死後、高い世界の転生させる瞑想

麻原流ポア‥悪い人を殺害することにより、麻原の霊力で来世をよくする

キリスト宣言から麻原は反米思想を抱きはじめた

オウムの悪どい集金システム、オウム出家信者の家族からの相談を受けた坂本弁護士が被害者の会を結成した

上祐、青山、早川は坂本弁護士の事務所に訪れ激しいやり取りをする

上祐「信仰の自由がある」

坂本「(宗教は)人を不幸にする自由はない」

話は噛み合わなかった

坂本弁護士一家失踪事件

マスコミはオウム真理教の仕業と報道した。上祐は教団の仕業では?疑問に思うことがあったが、麻原の一番弟子という名誉欲を与えられ絶対的な居場所を見出したため、麻原を信じ抜くことをした。上祐は麻原と共にテレビ出演をはたす

広報戦術

テレビなどでの私の弁明は嘘であるだけでなく、その表現自体もよく言われる「フリップ投げ」のように、過激だった

[sp.nicovideo.jp

どんな疑惑に関しても、非を認めずに教団側の論理を主張して「ああ言えば上祐」と揶揄されのも当然だ

グル(麻原)から指導された上祐の処世術

  • 批判に対して、180度 正反対の主張をする
  • 自分たちが被害者で、自分を批判する者が加害者だとすり替える

この戦法は極左北朝鮮の広報担当者が、自分たちに疑惑が向けられた際になす反論と似ている

選挙落選

選挙の敗北は、開票操作の陰謀だ。合同的な活動では、救済できないことが明らかになった。ヴァジラヤーナ(テロ)が唯一の救済策だ

上祐は出口調査をしていた。100人以上の回答を得たが、麻原に投票した人は一人もいなかった。麻原のいうとうりであれば

  • 投票の修理合同から開票までの短いあいだに、総得票数と同じだけの票を、様々な手書きの筆跡で偽造して全部を入れ替える作業を秘密裏に実行する
  • マスコミ関係者全てを騙すか、抱き込む必要がある

不可能だ

調査結果からも今回の選挙の敗北は、陰謀とは思えない

という上祐の意見に賛同したのは、一人だけだった。上祐は自分が間違っているのかと自信がなくなった  

これは心理学でいうと認知的不協和である

選挙陰謀説を唱えたのは、麻原の長女(当時14歳)だった

選挙の惨敗は教団のヴァジラヤーナ(テロ)に加速させた

ヴァジラヤーナに加担せず、ポアされないためには、方法は一つしかない

麻原を裏切り、極秘のハルマゲドン計画を社会に告発し、麻原を極刑に追い込む‥

自分が殺されるか

麻原を極刑に追い込むしか二者択一しかない

疑い深い

そのため麻原は弟子の裏切りを恐れてていた。弟子たちに裏切られないように根回しをする

ヴァジラヤーナを告発した人は、日本で英雄になるだろうね。来世は地獄だけど

みなヴァジラヤーナに対し抵抗があるが、背後世界(来世)に縛りつけられ従わざるを得なくなる

奔放な性

教団には麻原の子を産んだ女性信者が複数いた

タントラ・左道 密教、ヨーガでは性交を肯定する

(愛人たちは)麻原と関係を持たないと最終解脱ができないと麻原に言われた

天輪聖王 多くの妻を持つ王の教えを説いていた
ダーキニ(女神)修行

麻原馬、若い、美しい女性信者に、男女の仏が抱き合う仏画を見せて、「この男性の仏を私と思い瞑想しなさい」と説き、恍惚状態にして性的関係を迫った

お布施(武装化のため)

ハルマゲドンが来ると予言をする。「救われるには出家するか 在家ならば全財産を払う」と問う。この2者択一は両方とも全財産を差し出さなくてはならない

「ハルマゲドンで銀行は倒産するのだから、銀行から借金してお布施しなさい」

「オウム銀行に預けましょう」など

更には、麻原の脳波になるというヘッドギアを100万円から一千万円で売りつけた

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麻原は精神病

麻原の脳波を採取していた当時‥麻原の脳波は解脱者のものでなく、精神異常者の脳波のタイプとよく似ていた

ロシア進出

ロシアの政治家などに献金などでコネクションをつくりロシアで衆議院選挙法人を設立した

1995 10月 上祐 偽証、偽造の罪で逮捕。有罪判決を受けた

1988年に服役しても洗脳は解けず1997年の予言を期待していた

1999年になっても何もおこらない。上祐は考えはじめた

オウムと大日本帝国ナチスとの類似点に気づく上祐

熱心な法華経信者の石原莞爾法華経の予言を解釈し、仏教国の日本がキリスト教アメリカを倒し世界を制すと解釈した

カルト宗教とは全体主義であるファシズムと類似性がある

1999 上祐出所教団に戻る。オウムをアレフに変え新体制をつくった

上祐の教団改革

  • 被害者に賠償を払う
  • 麻原を絶対視しない

と主張する上祐は麻原母娘たちと対立する。アレフでは上祐派、麻原家派に分かれる。麻原家派から教団内で幽閉された上祐

麻原の家族

教団は宗教画の使用料という名目で、麻原家族に毎月40万円支払いをしていた。世話役の信者たちからもお布施を貰っていた

三女

麻原逮捕後1996年には、当時まだ12歳前後に関わらず「観念崩壊セミナー」と称して無理な修行をさせ、自殺しようとした者、入院したもの、障害を負ったものが出たと聞いた

四女

4女は家出をし自立するために 江川紹子を後見人においたが、4女も江川紹子の約束を反し、秘密裏に信者たちのグループをつくっていた。江川は後見人を辞退した

更に麻原家族は、三女や次男が私学への入学を拒否された件について、実際には教団を裏から支配しているにも関わらず、教団とは一切関与していないとして損害賠償を求める裁判をした‥

教団から分派したケロヨンクラブがある

ケロヨンクラブ

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ネーミングセンスが

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ケロヨンクラブでは無理な修行で一人が死亡、一人は一命を取り留めた事件を内部告発した。麻原家族はそれを警察に通報することに消極的だった。麻原の長男と次男は「生まれながらの最終解脱者」とされている

教団にさめてきた上祐

2007 上祐は自分の宗教を作りアレフから脱退し自分の宗教を立ち上げた

  • 特定の人物を神、絶対者としない
  • 全ての人に神格を認めて学ぶ
  • 「新しい知恵の学び場」を目指している
  • 師を盲信せず、自分で考えること
  • 輪廻転生(背後世界)でなく、今生の智、幸福の実現
  • 危険度の高い密教の修行は避ける
  • 気功法
  • 麻原は人格障害

上祐はアレフの違法行為をブログなどで告発している

上祐による麻原彰晃プロファイリング

1. 誇大妄想(自己愛性人格障害)

自分を救世主として世界の中心に置き、妄想の中の自分の神をつくる。幼児には風船のように膨れた「万能感」がある。その万能感は成長、社会の関わりと共に自分中心に世界がまわらないと気づきやがてしぼんでいく。それが社会人になるということだ。中には大人になっても「万能感」という風説はしぼまない人がいる。麻原彰晃はとりわけ大きな「万能機」という風船を持っていた

救世主らしく熱心に信者の面倒をみたが、それは強い支配欲と一体である

2. 支配欲

あくまでも来世にわたる麻原への永久の服従を条件をとしたものだった

3. 服従

そのため服従しないもの(信者以外)に対しては、無慈悲な排除、殺傷という形で容赦なく攻撃した

麻原にとって信者以外の人は、来世は動物、地獄に転生する下等生物で従属させる存在ですらなかった

4. 空想虚言症

教祖は詐欺師ではなく、誇大妄想タイプが多い

なぜなら、自分が信じていなければ、周囲を信じ込ませることはできないからだ

  • 空想力が豊かで、空想を現実より優先する
  • 博学だが知識は寄せ集め
  • 弁舌がよどみなく、人の心を操り、関心を惹くのが上手い
  • 自己の万能感と芝居的幻想的があって、自己中心の空想に陶酔する
  • 他人の批判を許さず、問題は責任転換する

麻原は本当に自分が預言者でハルマゲドンを自らおこしたかった。そのためには理系のエリートが必要だったのだ

預言とは計画なんだ(麻原)

5. 演技性虚言症

幹部たちに解脱した演技をせよと命令。麻原自身も最終解脱者の演技をしているうちに本当に解脱者、キリストの再来と思い込んだかもしれない

6. 被害妄想

選挙に負けた政府の陰謀だ

政府、警察はオウムにサリンをまいている

弟子の自白は薬物を使用した強制的なもの

7. ヒトラー毛沢東に心酔していた麻原

上九一色村の子供たちは、ヒトラーを偉大な人物と尊敬し、ヒトラーはまだ生きていると信じていた。(ヒトラー約600万人虐殺)

麻原は青年時代に長兄の影響で毛沢東をよく読み、毛沢東を尊敬していた(毛沢東 約2000万人虐殺)

毛沢東を最も尊敬している人物で、神に繋がった存在であり、理想の国家体制は「宗教国家だが、経済体制は共産主義だ」と語ったことがある

反米主義、ユダヤフリーメーソンなど左翼的思想が混入していた

北朝鮮とロシア

オウムか北朝鮮とロシアの傀儡だといった安直な陰謀論が一部にあるが、それはない

麻原は、自分がキリストであり、自分が1番であった。他国を利用はしても、その配下になったりなどはしない

麻原の目的

「真理の国」をつくることを目的とした、対立破壊兵器の使用を含めた武力革命。イメージ的には、日本改造計画、人類史改造計画

社会に対する復讐

麻原の視覚障害水俣病が原因と言われている。しかし住む地域が少し外れたため水俣病であることを認定されなかった。国は麻原を救済しなかった‥麻原は自分を見捨てた国家に復讐したのだ

「オウムΩだけに抵抗したのね」

Q.麻原がサリンをまいた理由

麻原は70トンのサリンをつくれと命令した。70トンのサリンは日本人全員が死滅する量である

サリンを吸うと視覚障害になる。全ての人を自分と同じ視覚障害に導こうとした

Q.カルトに入信する心理

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1980年代からカルト問題に取り組んできた有田芳生氏によると、カルトにハマる人の特徴は

  • 文学的想像力の欠如
  • 社会性の欠如
  • 反抗期の欠如
  • 親子問題(父性)の欠如 

競争社会

経済拡大は競争社会になります。資本主義の世界は勝ち、負けが明らかです。努力しても、一部の勝ち組しか自己価値を感じられません。生活保護で物質的に最低の保障はされているが、精神面での保障はない

宗教に所属することにより「自分たちは神の民」(内部にも競争があるが)同じ神の民になるカルト宗教こそが救いになるのです

Q.真面目な人ほどカルトにハマると言われるのはなぜ

私の友人に少し前までアレフの代表をやっていて、今は追い出された野田成人という人物がいます。彼は東大出身で、けっこう優秀な人材だったのですけど「(このまま研究を進めても)自分はノーベル賞級にはなれそうもない」‥

学問の道を進むよりも、麻原の下で修行すれば最終解脱者となって、人類のトップと立てると考えたわけです

よく「オウム信者には真面目な人が多い」と言われますが、その真面目さの裏には

真面目=向上心が強い=誇大妄想になりがち

という図式があると思うんです。‥要するに「天才と狂気は紙一重」というわけです

戦後の日本

日本とアメリカ、連合国と枢軸国は双方とも、植民地を失い、帝国主義全体が敗北した。国家神道やナチズムが負け、キリスト教勢力が勝ったのではなく、全てが敗北した

日本のバブル崩壊の後は、アメリカのリーマンショックが起こった

独善的な思想を持つものは、宗教であれ、ナショナリズムや経済思想であれ、みな敗者となったのではないか

ナショナリズム

国家神道だろうか、中華思想だろうが、韓国の小中華思想だろうが、自国を他国の上に置くのであれば、オウムのようなカルト教団と似てくるのではないだろうか‥自国だけが神の国だというのは、オウム信者の誇大自己症候群と似てくるのではないだろうか

親子問題

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カルト教団に入信する人は親子問題(特に父性の欠如)を抱えている人が実に多い

麻原自身も親に捨てられた感があり親を恨んでいた

私の母は餓鬼に転生し

父は地獄に転生する

私の霊力で母は畜生、父は餓鬼にした

親の愛情飢餓の寂しい人々の集団がカルトなのかもしれない

心理学に見解では、望ましい発達のプロセスとは、子どもの頃に、自分の親ないし親がわりの人に、自分の見本、理想を見て、その後、大人になるにつれて、徐々に、親も自分も、欠陥を抱えた多くの人間の一部であるという現実を受け入れ行く

しかし親との関係に欠乏があると、大人になっても、子どもの時のままに、理想の親を求める心が残り、同時に、理想の親に導かれる理想の自分(誇大妄想的な偉大な自分)を求める欲求が残る

私たちは「自分の父親がわりの尊師は、キリストであり、自分もキリストの弟子だから凄い」という意識を持ったのだと思います

母について

真面目でいい人だが、辛そうな様子を覗かせるため、身勝手で(誇大妄想的なまでに)上昇志向の強かった自分には、理想像とはなりにくかった

父について

私の場合も、麻原を理想の父親がわりにしていた部分が強かったと思う。実の父の存在が薄かったこともある

一周廻って自分を最も愛してくれた人は麻原ではなく両親と気づいた。今は両親に感謝し、尊敬しているという。自分の教団ではまず親を敬い、感謝することを説いている

母親は家族を捨てた父親の悪口を一切言わなかった

父親は、会社の倒産後、少ない給料の大半を養育費を払い続けた‥そのため父親に捨てられたという恨みを抱えずにすんだ

Q.愛する人がカルトにハマってしまったら?

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他人の盲信を脱却を手伝う場合は、全面否定せずに相対化する

共感しながらも、質問をどしどしして、相手にこたえさせ矛盾に気づかせる

オウム事件 17年目の告白

オウム事件 17年目の告白

 

上祐史浩 切れ者、頭の良い人です。洗脳された自己と教祖を客観的に観察し、分析してカルト信者の心理を的確に論じています

それは違うと感じることが一つある

上祐史浩は両親を生涯許さなかった麻原を批判しているが

敬うに値しない親は間違いなく存在する

上祐に関して言うなら、素晴らしい両親をお持ちである

九州大学卒の父、元教師の母譲りの賢さを受け継ぎ

裕福ではないが、身を粉にして、早稲田高校から理系大学院を卒業させてくれた無償の愛を与えた両親の元に生まれた

オウム入信前は美人のお嬢様の恋人がいて

オウム広告塔としてマスコミに登場するや否や、追っかけギャルのアイドルになったモテモテ男にはわからないだろう

麻原の実家は教師によると「あんな貧しい家は見たことない」という極貧状態であり

全寮制盲学校にいれたことは、将来目が見えなくなってもいいよう資格を取るためと 捉えることは可能だが、一度も会いに来なければ、衣料の差し入れ一つすらしない、そのくせ就学援助金は遣い込むのは不信感しかない

妻と結婚するまでには、沢山の女性にアタックしては逃げられ続けた

生まれついて目の障害を持ち、歳を経るごとにどんどん目が見えなくなる恐怖を感じながら生き続ける恐怖と虚しさ

この状況下で生まれ、無償の愛を与えられなかった人に対し親の感謝の念は持てというのは難しいだろう

上祐史浩をテレビで初めて見たのは1989年坂本弁護士失踪事件の直後、深夜放送で麻原と出演「坂本弁護士失踪はオウムの仕業ではない」コメンテーターに対し、論点ずらし、屁理屈なんだけど頭の回転の速さ、饒舌さにコメンテーター脱帽。反論できないのだ

隣りの教祖はまるで置き物状態だった。たまに中身のない言葉を呟くだけだった。麻原はいかにも怪しい宗教の教祖そのもので「この人が教祖になった方がいいのでは?」

上祐が新興宗教をたちあげたことは全く驚かない。少なくとも麻原みたいなペテン師の下におさまる人間ではない

上祐史浩は麻原の真理を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考え、自分の真理を追求する人生を歩んでいる

 

 

「オウムと私」林郁夫先生から学ぼう

 

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「私たちはオウムとインコ だから林郁夫先生の「オウムと私」から学ぶわよ」

「強引だわ」

慶応高校から内部進学で医学部に入学

慶応でオール5は必須で更に+αが無ければ通過しない「狭き門」を通過したエリート医師だった。オウムに騙されるまでは

生い立ち

農業の傍ら勉学を励み医者になった父、薬剤師の母 清貧ながらも仲良し家族だった

林は読書好きな賢い少年だった。高校時代から釈迦、仏教に興味をもった

慶応中等部から慶應高校から慶応医学部に内部進学する狭き門を突破した林はエリートコースを突き進む

当時は学生運動が盛んだったがテニスと歴史好きな林は興味がなかった。テニス部ではキャプテンとして活躍

日々の積み重ねによってのみ、不可能は可能になっていくんだ(テニス部長時代の林)

林は心臓外科になる。理由は心臓に癌はないため。「がん患者に対し嘘をつくのが辛い」というとても真面目で優しい好青年である

昭和天皇崩御は衝撃を受けた

高級官僚の父を持つ名家の娘と結婚。結婚の条件は「同じ仏教の教えを信じること」というくらい信心深い人だった

「オペの技術は芸術の域」と称された林は石原裕次郎のオペの助手を務めたこともある。子宝にも恵まれ、愛人もいて、他者から見たら順風満帆な人生を歩んでいた

苦悩

我々のような心臓外科の場合、予測もしなかったものが出てきたらそれは即、死につながるんですよ。しかも、対象のほとんどが40代、50代 で、その一家にとって大事な人ばかりですから。手術を境に死なせたらそういう人たちに申し訳ないじゃないですか。だから準備に際しては、本当に慎重に慎重を重ねて、万全の体制でやっていましたよ。それでも。それでも何人かはやっぱり死んでしまうんですよね‥単純に理屈では割り切れない、不思議な力が作用していると認めざるを得ませんでした(オウムと私)

医療で何もかも解決できるわけではない。現代の医療の限界に虚しさを感じた林は仏教に心の拠り所を求める

もし超能力があって人のカルマとかそういうものが見極めたら、無駄な手術を避けられるし、どんな効果的な治療ができるだろうって真剣に考えたこともありました

超能力修行のある阿宗宗に入信

自分に欠けている部分を補いたい。完璧にしたい

阿含宗

超能力修行

原始仏教密教を結びつけた阿含宗の修行を積めばだれでも超能力が得られる

儀式、教義は不要

修行により、ホモ・サピエンスからホモ・エクセレンスになると主張する

進化論

人類は猿→猿人→原人→旧人→新人→ホモ・サピエンスと進化してきた

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絶滅

今の文明は極限に達して絶滅する。しかし人類が滅亡するわけではなく、進化したホモエクセレンスの時代になる

一人一人の霊性の開発ができてこそ、初めて社会的革命を表現する力を持つ

ある日林郁夫は書店で見つけた元阿含宗信者の麻原が著書「超能力」という本を読む。林医師は麻原の阿含宗より実践的な超能力修行に興味を抱いた

阿含宗からオウムに流れた信者

林郁夫、井上嘉浩、新實、中川智治

林を魅了した麻原の本

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「胡散臭い人にしかみえない」

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オウム初期の麻原 

「やはり 怪しいオッさんにしか見えない」

麻原の第一印象について

何というか‥ちょっと不潔ぽいと思いました

怪しい、胡散臭い人 それがカリスマ

カリスマ

カリスマとは、シャーマン、凶暴な戦士、海賊、デマゴーグ預言者

カリスマ的指導者となる人は、誰にでも好意を抱かれるような、明朗で物わかりの良い存在というわけではない。むしろその逆。犯罪歴のある前科者であり、社会に対して強い敵意を受ける一方で、同じく程の強さの深い自己陶酔の感情に浸っている

カリスマ

反社会的な自惚れ屋

カルトにハマる人は自己のアィデンティティが喪失感した「根なし草人間」であることが多い

自己のアィデンティティに喪失した人にとって

自己陶酔したカリスマは 完全なる自己統御を成し遂げた人物のように見えてしまう

オウムの実践的な修行こそが真の宗教と思った林医師はオウム道場に通う

違和感

ビルの一角にある侘しい道場に違和感を感じるも、熱心に修行する若者たちを見て純粋な宗教と解釈した

麻原の説法は色んな話に例えて分かりやすく伝えている。聞くほどに人を惹きつける力があると「父のような存在」と信者たちはいう

オウムの救済活動

一人一人が修行により超能力を得た成就者になり、世界に変化をもたらすという救済活動を謳う

6人の解脱者

ハルマゲドンで日本が壊滅しても、6人の解脱者がいれば救われる。(6人の解脱者は麻原の正妻の子供たち)それを知らない信者たちは皆6人の解脱者を目指し修行に励んだ

修行

  • 一日一食
  • 睡眠時間三時間

睡眠を削った極限の奉仕こそが真の宗教の証と教えこんだ

ターゲットを疲労させ、思考力を奪い洗脳する終末予言カルトの典型パターンである

「修行」という名の洗脳である

平成元年7月 林医師は睡眠不足から交通事故を起こす

林は患者に大量の水を飲ませ鼻から出させたり、ジャンプをさせたり、糸を飲ませたりさせた。オウム勧誘をはじめたり‥病院に苦言を呈された。現世で居場所をなくした林は出家を決意した

林はオウム病院の院長になった

ベニヤ板で仕切られた病室、畳を敷いて作ったベッドには敷布団すらない。医療品も貧弱、医者も半人前、薬剤師、看護師も学校を卒業したばかり、白衣の下はジャージ、履く靴すらない。患者はお布施の多い人を優先させた

ここは、本当に何もないところなんだね‥

林の給料月三万円

1993 12月 中川がオウム病院に新実を連れてきた。新実は呼吸困難で意識がなかった。林は原因を中川に問うた

サリンです。池田大作をポアするのに失敗しました」

虫も殺してはなら教団が暗殺をしている

林は戸惑うが、中川から治療を教えてもらい新実を蘇生させた

教団の闇のワークを知ってしまった林

次は拉致した信者たちに麻酔薬を打つというワークを与えられた

教団のワークはどんどんハードになっていった

テロ組織は最初は見張りなど、ハードルの低い違法行為をさせ、だんだんハードルを上げる方法

ヴァジラヤーナの教義

目的(教団)のためには手段を選ばない

世間一般的に犯罪とされる反社会行為を救済として正当化する

マキャベリ君主論の宗教版みたいなものかしら?違法行為だわ」

「倫理、価値観は変わるもの。今ある常識を覆し新しい価値観を提供するのがカルト」

時に宗教は時代や社会を超えて、倫理、道徳よりも大きな価値のある営みになる

違法行為すら時代を超え、社会を超えるものであると考えてしまったのです

寧ろ、その行為を違法であるとする倫理、道徳が逆に人間の自由を束縛するものだと思えるようになってしまいました

個を規制する時代、社会のルールから個を解き放つ営みが宗教だという認識が生まれる(オウムと私)

「クレイジーだわ」

「クレイジーこそがカルト」

狂気

もともと宗教、密教や禅では「狂」「狂気」と言われる悟りを得た人の行動を表す言葉と考え方があります(オウムと私)

「つまり林医師は麻原がクレイジーだからこそ「この人は本物」と考えて弟子になったのね」

真理を守るとは

オウムは真理を持っている組織という思い込みから、真理を守るためなら、組織のためなら嘘、違法行為も正しい行為になる。本来は、法を自分の中で継続する営みてある

信者は疑問に思わないの?

教祖、教団に疑念を持ちはじめると罪悪感を感じ思考停止してしまうように洗脳されている

ある信者は自分の疑問を幹部クラスの飯田えりこに問うと

「私たちもそれは同じなのよ。グルについていくしか私たちには道はないのよ」

「無批判にグル日本ついていくのは危険では?」と追求すると

「グルを信じて とにかくついていくしなないの」

このように幹部でさえ思考停止の指示待ち人間である

ステージの高い者の指示に従うことが、救済になると思っていたから、指示に従うことだけを考えていました(信者)

犠牲

出家信者は全財産を教団に寄付する。林は病院を辞め、マンションを売り払い(8000万円)嫌がる妻、子供たちを説き伏せて出家した

林は絶えず麻原に違和感を感じていました。しかしオウムを辞めれば

出家の時に払った8000万円が無駄になる。オウムにつぎ込んだ時間も無駄になる、しかも妻子まで巻き込んだのだ

林は認知的不協和に陥った。多くの犠牲を払った林はオウムを信じ抜くしかないのだ

依存

カルト教団全体主義

  • 皆同じ目標
  • 私たちは同じ目標に向かって努力をしているという一体

信者たちは口を開けて餌を食べさせてもらい、思考停止してワーク(無料奉仕)をするのみの家畜になった

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麻原が家畜を乗せた車を運転して、家畜は何処にたどり着くかわからないが、麻原が新しい世界に連れていってくれる構図になった

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画像 朝日新聞デジタル

信者の考えることは麻原が運転する車の運転の邪魔をしないこと。ただそれだけ

当時の私は自分自身では正常人で、何事も自ら選択し、決定し、行動しているのだと思っていました(林郁夫)

組織

共産主義に似ていて、物凄く段取りが悪い。どんな失敗してもクビにならない。彼らは無責任

精神向上すればあとはどうでも良い

世間の人は結婚して家庭があるから責任感がでてくる。オウムにはそれがない

例えば何か悪いことが起きても「あ、カルマが落ちた。よかったね」と皆んな喜んだりします。失敗して怒られても、「これで私の汚れが落ちたんだ」と非常にポジティブです

ですから教団の人たちは現世の人を見下してしまうんです。「皆んな苦しんでるな、でも私たちは平気だ」

オウム真理教団は懲りないことにおいては世界一なんです

何を言われても聞いていないというか、全然こたえてない

地下鉄サリン事件についても「あれは別の人の仕事、自分とは関係ない」という感じです(約束された場所で)

他宗教について

エホバの証人の人たちともよく話します。あの人たちの話は無茶苦茶ですけどね(約束された場所で)

エホバの証人は「あんな胡散臭い教祖を何故信じることができるの?」と会話していた

仏教(密教)なのにヨーガ、シヴァ、キリストにハルマゲドンと千年王国 メチャクチャ

人間とは皆自己中心的なのだ。自分こそが、自分だけがまともと信じている

踏み絵

医療の知識が全くない麻原のはちゃめちゃな提案に対し「不可能」と断言するプロ医師林。元信者を拉致する命令を断る林

社会経験のあり、宗教的蓄積のある林は常に麻原に従うわけではなかった。林医師は麻原にとって反抗的な不安要素だった

Q熱騒動

第十サティアン感染症がおきる。麻原と遠藤は林にQ熱という感染症だと林に伝え、アメリカから入手した医学書をみせる 医師の林まで本気で信じた

原因  第十サティアンに廃棄したサリンを吸ったため

人格崩壊

教団か大きくなると神秘体験させるのが難しくなるので、麻薬(LSD)を教団で開発して薬物を使用したイニシエーションを受けさせた

ナルコ 

自白剤 全身麻薬剤(チオペンタールナトリウム)を点滴で注入しながら、意識状態を低下(ナルコプレシー状態)させた状態で質問する

ニューナルコ 

チオペンタールを注射して眠らせた後、頭部に電極をつないで電極をショックをあたえると新しい記憶を消すことができる

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人間の記憶はキャベツに刻印するようなもので、新しい部分は外皮にあるから容易に消せるらしい

假谷さん事件

目黒公証役場事務長假屋谷は自分の妹がオウムにお金を6千万円騙し取られたことを知り、妹を匿う。オウム真理教は假屋谷さんを路上で拉致

「假谷さんは悪人だからポアされて転生したほうが彼のため」と無理矢理自分に言い聞かせ自白剤をうった。自白剤が効きすぎたのか假谷さんは亡くなる

車に押し込めるところが目撃者がいて、レンタカーにオウムの下級幹部松本剛の指紋が見つかる

オウムと一連の事件の点と線がつながった。警察の強制捜査がはじまる

坂本弁護士の時は上手くいったのに

と呟くグルの言葉に林は愕然とする

林は麻原が何とかしてくれるだろうと、ただマニュアル通りの指示を出していました

違法行為

指名手配中の信者の整形と指紋を消す手術を実行。手術を嫌がる妻に林は「つべこべ言わずいうことを聞け!」と妻にまで違法行為を強制。妻は部下に手をあげる林医師を何度か目撃していた。マッドドクターに闇堕ちした林医師

3月18日 

村井が幹部を集めた。地下鉄にサリンをまく命令をした

村井は「やりたくない人はやらなくていい」と言葉ではいうが彼らには選択肢はない

当時の私には断るという選択肢はなかった。麻原を真理勝者(過去、現在、未来を見通す)だと信じていたからです(林郁夫)

あの状況だったら、みんな自分がさ選ばれたんだからと喜んで進んでやっていたと思いますよ(約束された場所で)

Q.なぜ幹部が汚れ役するの

口止め

麻原は疑い深かった。他の弟子たちみたいに100%聞き従わない林に踏み絵を踏ませたと林は考えている

Q.殺人と思わないの?

オウムは真理を実践し、広めている

現代人は三悪趣に圧倒され、生きているだけで悪業を積むと信じている

殺人ではなくオウム真理教を守るための行為なのだ

サリンで殺されても、真理を守る功徳を積み、最終解脱者である麻原彰晃に高い世界に転生させてもらえる

ポアとは殺人でなく救済なのだ

ポアにより高い世界に転生さるると、教義的に正しいと彼らは無理矢理に信じこんだ

Q.殺人とポアの違い

自分たちの制御感というか、ポアが高低される前提で、(殺人)が人を救うことになると信じていました。そうでなければ、私たちは単なる殺人者に過ぎないことになる(杉本繁郎)

Q.ポア(高い世界の転生)があるなら麻原のいうこと聞かないで、自分が(ポア)殺されてもいいじゃない

合理的に考えればそうです。その時は我が身がかわいさから(自分が殺されるのは嫌だけど他人をポアするのはいいことだとか無理矢理考えていた

信者はポアを高い次元の転生であると自分に言い聞かせながら実行するが、自分はポアされたくない

1995 3月20日 地下鉄サリン事件

林は女、子供の側でサリンをまかないように細心の注意を払った。林がサリン散布した線はサリンを捨てた2名の駅員が亡くなった

実行犯たちは逃亡

林は逃亡中 放置自転車を運転したところを逮捕

青山弁護士が林にオウムの機関紙「マハーヤナ」を差し入れた。林は「黙秘をしろと」受け林は黙秘し続けた

そんな林に取調べの刑事たちは林に敬意を表し「先生」と呼び続けた。警察はオウムを弾圧していると信じていた林は警察に対して少しずつ心を開き林の思考力が久々に活動をはじめた

麻原に疑念

宗教的見地を広めることが救済のはずなのに何故黙秘させるのか?

グルは真理を訴えるべきでは?

林の停止した思考が活動しはじめる。麻原に対し疑念を抱くようになった。林は取調官に真理を語りはじめた

サリンをまきました」

「先生、ウソだろう。また誰かを庇っているんだろう?」信じられない様子で聞き返した

テロ組織は幹部たちは命令するだけで、テロ実行は下っ端にやらせるものだから刑事たちは驚いた

林の供述が突破口になりほかの信者も追随し捜査は進展した

病気で苦しむ人を救済するために、帰依した林医師は数々の違法行為を行い、最後は妻、家族まで巻き込み、遂には2人の無辜の人間の命を奪うことになった

麻原は人格的に歪んでいる。宗教心のない人だ。私はそういう人を見抜けなかったちために、多くの人に悲しみを与えてしまった

裁判 師弟対決

人それぞれ、麻原にくっついていた理由はことなる。自分の経験からした事実を麻原に突きつけ逃げる余地のないところまで追い詰めないと

林郁夫の問いかけに対して麻原は論点をすり替えたり、キレたり、論破された麻原は居眠りしたり、意味不明英語もどきを呟きはじめた

私は、まだこういう人について行く人かいると思うと情け無い。英語で喋ったりして‥

そうすれば、あなたは現実と向き合わないで済むし、その世界に逃げられるんだろうけど仏教を信じているなら、輪廻転生を信じているなら、恐ろしくて生きていけない気持ちになるはずです。結局、あなたは転生も信じていないでしょう。宗教はあなたの道具だった。盲信していた人はあなたの手足にしか過ぎなかった

いち早く供述し裁判では「麻原」と呼び捨てにして何度も何度も涙に言葉がつまりながらも誠実に受け答えをした。傍聴席の被害者遺族までもが貰い泣きしてしまった。「林だけは、本当に罪を悔いている」と捜査員は語る

死亡した髙橋車掌の妻は「林医師を許す」と裁判で証言した

林はサリン実行犯のうちたった一人だけ死刑判決を免れた

一人でも多くの命を救うために帰依した林郁夫

医師は、たとえ命を守る助けられないことがあっても、それを生きた教材として、より多くの命を救うために根気よくやっていく仕事なんです。かれのやったことは、逃避以外の何ものでもありません(林を知る医者)

ファウスト博士が悪魔と取り引きしたように

魂の問題に医師が踏み込むのは、不遜で傲慢です。魂を救済すると考えて、医師の倫理観を踏み外してしまったことが彼の不幸です(同期生)

林が取り引きをしたのは悪魔よりタチの悪い生き物だった

悪魔との取り引きによって視力を失ったファウスト

麻原との取り引きによって林はかなり多くを失った。無期懲役だが未だに彼は刑務所にいる

林医師による麻原のプロファイリング 

  • 麻原は歪んだ社会環境観、人間観を持っている
  • 言葉は仏教の用語を使っているが、オウムの教義は、麻原の人格的な病理からでたものです
  • 麻原は教団の発展の妨げになる人を殺し、人を騙してお布施や信者を集めた
  • イニシエーションと偽って自分の性の充足を図った

私は彼は自己愛的な人格と思うのですが、その根底には、その根的には劣等感とか小心さがあり、自分のやっことを自己弁明せずにはいられる、仏教の言葉を借りて、それらしく説明した教義がが、タントラヴァジラヤーナです

マインドコントロールについて

マインドコントロールがどういうものを指すのか、正確にはわかりません。ただ、人間は心の中に原因かなどの価値観を作ってしまうと。私たちにはそれが麻原だったわけですが。それまでの価値観より、それが上位に来てしまうんです

戦争でも、虐殺でも、通常の倫理よりも上位の価値観を作っちゃて、その中で行われたことだと思う

参考文献

「オウム真理教」裁判傍聴記 1 (文春e-book)
 

 

オウムと私

オウムと私

  • 作者:林 郁夫
  • 発売日: 1998/09/01
  • メディア: 単行本
 

 





理系エリートをテロリストにしたオウムの洗脳手口

「今日はオウム真理教の悪魔的マインドコントロールの手法について学ぶわよ」

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抵抗(Ω)=電圧(V)➗電流(A)

AUMオウム サンスクリット語で「宇宙の創造・維持・破壊)

A 宇宙の創造神 ブラフマー

U    維持神 ジェンヌ

M   破壊神 シヴァ

オウム教義とは?

1985 松本智津夫は、三浦海岸で神の啓示を受けた。神は彼を「神軍を率いる光の命(アビラケツノミコト)と任命し、シャンバラ(理想郷)横行を築くべきと伝えられた

1. 超能力修行
  • 神秘経験、ヨーガ、密教の修行を実践修行により潜在していた脳力が開発され空中浮遊などの超能力が身につく
  • 人間の魂を支配する輪廻転生の法則を理解できるようになる修行者は、過去に背負った自らの宿業(カルマ)を落として霊格を向上させる。
2. 解脱
  • 「真我」の到達=解脱を目指さす
  • 解脱者‥輪廻の法則を知り尽くし、そこから自由になった者のことを意味する
3. 真の宗教
  • 教祖の麻原は、日本で唯一の最終解脱者である
  • 麻原は人間の生死を自由にコントロールできる
  • 信者たちは麻原に帰依することによって、その霊性を速やかに進化させうる
  • 日本国民は麻原に帰依し、信者とならなければならない
  •  国家も麻原を主権者とする体制に改変させなければならない
4. ハルマゲドン

現代の社会は、物質的快楽に溺れカルマを増大させ霊的な進化を説くオウム真理教を迫害している故にカルマ落とし世界の破局(ハルマゲドン)が当来することは避けらない

5. 千年王国

ハルマゲドン後には、麻原を主権者とする「千年王国」が建国され、その国家は世界初中を支配する

オウム真理教は唯一の最終解脱者麻原の元の修行により得られる解脱(超能力)でハルマゲドンを生き残るという終末論で多くの若者を獲得した

84年 智津夫は神仙オウムの会というヨーガ教室をはじめた

1. オカルトを取り込もう

70から80年代はオカルトブーム

日本沈没」ベストセラー。映画も大ヒット

ノストラダモスの大予言ベストセラー、テレビはしょっちゅうノストラダモスの特番をくんだ

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ユリゲラーのスプーン曲げによる超能力ブーム

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ユリゲラーの超能力は「てこの原理」を利用したトリックである

オカルト雑誌類が書店に並んだ

ムー 2021年3月号 [雑誌]

ムー 2021年3月号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/02/09
  • メディア: Kindle
 

もともと超能力に興味のあった麻原は自分の教団にオカルトをとりいれた

トランスフォーム

淀んだ快楽と倦怠に満ちた孤独の生を過ごすのでなく、若者たちは自分を超越する者に縋りつくことにより、自己実現をしようとした。麻原の超能力修行こそが、自己超越(トランスフォーム)したい意識高い系の若者の心を掴みハッピーにしたの」

「現実逃避では」

2. 出版しよう

信者を集めるのは宣伝よ。ヒトラーも宣伝で信者を獲得した

麻原はオカルト雑誌に空気浮遊の記事で自分の超能力道場を宣伝した

3. 宣伝しよう

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私のような非凡な人間でも、驚異的な力を持つ超能力者として生まれ変わることができるたのだ。あなたも超能力者になれる

更には美人の弟子がレオタードでヨーガをしている写真を掲載した。美女と超能力という2本立てで信者を獲得した

空中浮遊写真のトリック

これは、色々な雑誌で見られる「特集企画」題した広告関連記事なんです。麻原は当時、毎号のようにカラ2ページ、モノクロ1ページの広告を出し、多い時には百万近い広告費支払っていたお得意様だったわけです

空中浮遊能力撮影の時麻原は、確かに足を組んだ格好から何度も飛び上がったものの、1秒とは浮いていられず、膝の力を使ったジャンプにしか見えかったが

「おかしい、以前は1秒近く浮かんでいたけど 皆さんはどう思いますか?」と麻原が問うと「凄いです。落ちる時に全く音がしなかったです」

このやりとりを聞いた記者は、詐欺ではと疑った

この空中浮遊記事は広告である。この広告記事を本物と思い込んだオカルト愛好家が道場に通いはじめた

85年15人だった信徒は、87年には600人に増えた

4. カリスマ(権威)を利用しよう

聖者パイロット=ババ、ダライ=ラマなどと会見にこぎつけ写真撮影をした

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写真 現代ビジネス

宗教の大物から推薦状などをもらう。英語のわからない宗教大物に英語で書いた推薦状をサインさせたと言われている

Q.何故 高僧たちは麻原を称賛したの?

ダライ・ラマ法王には、少なくとも100万ドル以上の寄付をしていた(難民援助のため支援を必要としていた)。賞賛は寄付に対しての外交辞令だろう(上祐)

地下鉄サリンがオウムの犯行と報道されるや否や高僧たちは掌返しをした

麻原と会ったことはあるが、私の弟子ではない。私は会いに来る人は、誰でも友人として接している・・第一、私は超能力とか奇跡に対しては懐疑的です

当時、麻原がやっていたものはヨーガやヒンドゥ教などを混ぜ込んだもので、仏教とは違ったものでした。仏教は一人の指導者に信者が依存するべきではない(ダライラマ)

5. 奇跡を起こそう

1. 全盲を装う

右の視力が1.0近くあった麻原が全盲を装えば超能力者にも見える「グルは超能力がある」と「グルに追随すれば自分も解脱し、超能力が持てる」信者は信じた

普段 人と話すときは目を合わさないが、村井と話す時は目を合わせて話していた。ボールペンを持って目を見開いて文字を書いていた(麻原おっさん地獄)

オウムの奇跡とは神秘体験である

オウム道場のヨーガ体験による神秘体験を経て信者になった人が実に多い

2. クンダリニーの覚醒

ヨーガをすると尾骶骨あたにある(クンダリニーが熱くなり頭頂部を突き抜ける。光などが見えたなど元信者は語る

3. シャフティーパット

「麻原のシャフティーパッドで持病が治った」と信者たちは語る。しかし効く人と変化のない人がいた

4. 光る粘土

グルから呼び出された信者。部屋にくるとプルシャ(バッジ)をつくるため粘土を捏ねていたました。部屋は真っ暗なのに麻原が捏ねている粘土が光っていた。後から電気をつけ確認すると粘土しかなかった。グルのエネルギーが粘土に入っていたと感じた

Q.麻原の超能力の正体とは

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2.ヨーガ体験で誰でもなる体験

呼吸法で過酸化状態になると幻覚症状に陥る

幻覚症状は悟りではない

3.  気功術

またはセラピューティック(てかざし治療)で説明がつく

4.粘土に蛍光物質を混ぜ込んでから、弟子を呼んだ演出

必ず災害が起きてから予言する

ゲームセンターの競馬ゲームで外しまくり(おっさん地獄)

麻原はペテン師である

「覚醒」は主観的なものである。覚醒した。しないかは客観的に判断できない

人間の知覚とは実はどんな極限状態にも耐えられるように あいまいにできている

覚醒の正体とは

変性意識体験(ASC)

仮説

1.トランス状態

ヨーガによる呼吸法で酸素欠乏、過呼吸により血液のアルカローシス化)による幻覚をみる

2. プラシーボ効果
3.睡眠制限

睡眠時間3時間程度しかなかった

オウム真理教は基本的に24時間フル活動。睡眠するための時間は設定されていない(オウムからの帰還)

4.食事制限

食事(オウム食)

1日1食もしくは2食 

1種類しない同じく内容の食事をとる

人参、蓮根、椎茸、さつま芋、じゃが芋、大豆などを切って 味付けしないで水で煮たものを丼で1杯から2杯

胚芽米1杯から2杯、納豆1パック、豆腐一丁、海苔半分、ゴマスプーン1杯から2杯

時間が経ち カビの生えたご飯、ソバなどへ食べるのはしょっちゅう

断食をすれば低血糖アルカローシス(血液がアルカリ性になる)になり疲労、幻覚症状が起きる

飢餓があまり酷いと低血糖に陥り、乖離状態(本来の自我がなくなり新しい自分に生まれ変わる)になる。また餌付けしてくれる人に服従する

5.乖離状態

乖離状態により脳に新しい神経回路が作られる。すると人間は自分が悟りを開いたような恍惚感を体験する

睡眠と食事を極力与えず乖離状態にするのは共産主義がよく用いる「洗脳」の手法である

6.感覚遮断

狭い暗闇の中で何日も閉じ込めらる修行

または LSDなど薬物服用のあと個室で衝撃映像と教祖のビデオを見せる

人間は情報が全くない中で長時間過ごすと幻覚、幻聴を見るようになる

7.催眠術

催眠術でターゲット慢性疾患を治ったと感じさせることもできる。人間の5%から10%は催眠にかかりやすい性質

8.バッチワーク教義 

原始仏典を土台として、チベット仏教密教、ヨーガ

オウムはバッチワークのように色んな宗教を取り入れている

麻原にとって教義は方便に過ぎない、自分が考えていることを引っ張りだすために経典を探しただけどなんてす。

権威を借りて自分を高く見せるのは得意中の得意でした(弟子)

禅と瞑想を一緒に実践すると、幻覚、幻聴が起きやすくなる

9.集団ヒステリー説

「神秘体験ができる人は霊性が高い」とあらかじめ言う

一人が「覚醒した」と言えば、競争から我も、我もと覚醒申告する

それを見て集団催眠にかかって「覚醒した」と思い込む場合もある

人間の脳はいい加減な情報機官である。情報処理ミスによって起きたに過ぎない現象を、脳はリアルに感じてしまうのだ

人間は、ストーリーさえ上手にできあがっていれば、リアルな神秘をいくらかでも体験することができます

現実にありえない話しでも、脳はが「それが現実であるという情報をつくしまいます

麻原の心眼

「グルと話すと「君の場合は現世と合わないようだね」と見事に自分を言い当てる。どんな質問にも答えが返ってくる(信者)」

「当たる時もあるし、外れることもあった」

「誰にでも当てはまるのでは?」

麻原の心眼の正体 仮説

1. 占い

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「あなたは明朗活発だけと本当は寂しがりやさんですね」

「過去に辛い恋をしましたね」

「親しい人かお亡くなりになった」

など誰にでも当てはまることを言い当てる。占い師がよく用いるテクニック

カルトには密告制度がある。幹部の村井は逐一麻原に報告していたという。このように

2. ホットリーディング

という心理テクニックを利用すれば誰でも言い当てることができるが、信者は麻原の心眼に見られていると信じていた

3. コールドリーディング

ターゲットに対して漠然とした質問を次々と発し続け、ヒントになるような反応が返ってくるのを待つ

使える情報をターゲットからキャッチしたら、コメント、アドバイスを具体的なものにしていく

「そうなんです」「そのとおりです」という反応があれば、その線で質問、コメントを続け

外れれば、あたかも本当は当たりだったかのように振る舞う

占い師、霊能者がよく使用するテクニックである

4 シャクティーバット

1985. セミナーのシャクティーバット中に倒れてしまった。それ以降は麻原はシャクティーバットをお弟子さんに任せてしまうようになった。それでもセミナーの人ふ絶えずセミナーを開催すれば数千万円集まった

6. 戒律を(ルール)つくろう

何十項目のある厳しい戒律かできた。

麻原「あいつはどこのスパイだと思う?」

弟子「フリーメイソンではないですか?」(初期の元弟子 フリーメイソンとは冗談で言ったのだが、麻原はまに受けた

麻原「そうかフリーメイソンか‥

7. 陰謀論をつくろう

8. 仮想敵をつくろう

他宗教、政府、警察などオウム以外は悪と教え込む

信者同士では相互監視させ、結束を強める効果がある

9. 儲けよう

オウムの教えは世を捨て修行すること。たとえ世を捨て人になっても お金がなくては世界は救えない

彼女を殺して、その金を奪ったらどうだ?そして、その金を元に、全人類の共同の事業に一身を捧げるのさ(罪と罰)

道場の賃貸料、光熱費、食料代、衣服、生活雑貨を賄うためにお金が必要なの。お金がなければ修行もできない。麻原は霊感グッズを信者に売りつけた

霊感グッズ販売
  • 数珠
  • 尊師の説法テープ、ビデオ
  • 甘露水という霊水(ただの水道水)
  • 麻原のDNA販売
シャフティーパット

麻原 1回 5万円

上祐、石井久子1回 3万円

ツァンダリーのイニシエーション 

瞑想 20〜30万円

PSIのイニシエーション

ヘッドギア(電極帽) 百万〜一千万円

教祖のDNAには秘密がある京都大学医学部の研究で分析された(京都大学遠藤誠一の嘘)

更には

  • (教祖の)キス修行。女性限定
  • 白いイニシエーション(女性信者に教祖の聖液を飲ませる)
  • 霊的エネルギー注入
  • ラクルポンド(麻原の風呂に使用した水を有料で飲ませた)
血のイニシュエーション

(教祖の生き血を飲ませる 100万円)

「詐欺では?」

高額な詐欺紛いの霊感商法の被害者が坂本堤弁護士に相談したのだ。坂本弁護士オウム真理教を「詐欺紛いのインチキ宗教」と糾弾し、訴訟を起こそうとした

89年11月 オウム真理教坂本弁護士一家を消してしまう

10. 孤立させよう

出家 出家すれば自分の家族の魂を7代前にさかのぼって浄化することができると教えてむ。そのため信者たちは「出家することが最大の親孝行」と考え両親の反対を押しきって出家した

Q.オウムの出家は全財産をお布施させる。それは何故か?

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1.金儲け

2.退路を断つため

財産がなければ帰る場所はない。出家後信者たちは、グル、教団に疑問が生じた時もあったろう

全財産を教団に投げ打つ。全てを犠牲にしたのだ。この教団を真理でなければ教団に費やした時間、財産、全てが無駄になる

人間は犠牲にした物が大きければ大きい程、犠牲を払った分の何かを取り戻さなければとおもう

全財産を犠牲にすれば、組織にどんな矛盾、不信感を感じても、失ったものを取り戻すためには信じ抜くしかないのだ

11. 情報統制しよう

「教団の教え以外は悪」と刷り込み教団出版物以外は一切見させない

12. 無料奉仕させよう

オウムでは無料奉仕をバクティ、ワークと呼んでいた

理系のエリートたちは研究所を与えられ、来たるべきハルマゲドンのために、毒ガス、化学兵器などを作らされたそこでワークをする

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一方で、オウムの会社、弁当屋など無給で働かせる者たちは不満を抱える。信者のほとんどは修行のために入信したのだ。麻原が「経済的な基盤があるからこそ、道場が用意できる」など問いかけれは、信者は「はい」と言わざるを得ない

バクティー(ワーク)、極力睡眠させず疲労させる

毎日の単純なワークを続けられさせると、やがて人間は思考停止になる

信者たちはその行為に没入することによって古い人格を克服し、新しい自己、本当の自分に目覚める

実際は、信者たちはそれによって自律的な主体性、自由意志を喪失し、指導者の言うがままの存在になる。信者たちは教団の家畜のようになる

点数制

信者の実践は点数制にして信者のモチベーションをはかる

教団のワークとは、二者択一を迫ってくるものなんです 

13. 2次元思考

善か悪

白か黒

という2次元思想により思考停止させ洗脳する

やらないと言えばグルを裏切ることになりますから、どうしてもやらざるをえないんです(豊田)

14 支配しよう

  • 教祖だけが救済
  • 尊師がいなければ修行も解脱もで.無間地獄に陥ると転生する
  • 尊師の教え、命令は救済であり、その通りに動くのが解脱への道

と刷り込む

恩義

弟子たちは麻原に引き上げられた状態で恩義がある

因縁

尊師は前世は明の開祖 朱元璋など色々転生していた。弟子たちも皆尊師と前世から因縁があった

教祖、組織に疑問を抱くことは穢れと教え込めば

東大、京大、医学部のインテリたちはロボットのように服従した

タントラ・ヴァジラヤーナ(金剛乗)

大乗教‥大勢が救われる

小乗‥厳しい修行した人のみ救われる

金剛

  • グルは絶対的存在
  • グルに帰依する
  • 自分を空っぽにする努力をして、その中にグルのエネルギーを満たしグルをクローン化する

「洗脳じゃねーか」

15. 導こう(誘導)

「悪行をした人をどうするか?」と弟子たちに問いかける

「グルの本を読ませる」

「悪党を脅す」次第にエスカレートしていく

「真理に近づけるなら近づけて、どうしてもその人(悪党)のカルマが悪かったら、ポア(魂の救済)させる」

ポアとは殺人ではなく救済と弟子たちを洗脳したのだ

ポア=救済=殺人

と変換したのだ

弟子たちは殺人やテロではなく、ポアという救済を遂行しただけだったのだ

ポアを行う時、ああ、自分は怖い。殺してしまう。怖いと思ってしまってはいけない

人間の生死は最終解脱者である麻原だけが決める。弟子たちは自分を空っぽにし、グル(麻原)のクローン人間になることだ。信者は何も考えず麻原の指示に従った

虫を殺すカルマ(業)よりも、人間を殺すカルマの方が偉大だ

グールヨーガ

グルが弟子に対して無理難題を持ちかけ、弟子が見を捨ててそれを実行することによって、より高い精神的境地に達する

16. 幻覚させよう

イニシエーション

キリストのイニシエーション(LSDを使用)

バルドーの悟りイニシエーション(睡眠薬を使用)

ルドラチャクリンのイニシエーション LSD覚醒剤を混ぜて投与

LSDを服用した後、狭い部屋(感覚遮断)に閉じ込め、残酷は映像を何時間も見せる

ナルコのイニシエーション

感のいい信者は自白作用のあるチオペンタール全身麻酔して記憶を消した

17. 自己否定させよう

部屋から出てきたら高弟たちに「お前は〇〇だ」など罵倒される

否定した後は称賛→否定→称賛→

を繰り返すと矛盾したメッセージを送り込むと人間は思考停止してその人に従う

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18. 背後世界で脅そう

教団が武装していることを外部に漏らしたら殺す。もし家族の元に逃げ帰ったら家族もろとも殺す。警察に逃げ込んだら、警察署を破壊してでも殺す(麻原の説法)

麻原に疑いを持つと地獄に堕ちるなと、恐怖と罪悪感を感じるように洗脳されている

19. 自分で自分に洗脳させよう(反復)

オウムでは「決意」を読まされる

徹底的ポアするぞ✖️2

悪趣をポアするぞ

救済を成し遂げるためには手段を選ばないぞ✖️2

秘密の戒律をしっかり守るぞ✖️2

これこそが、最も早く最高の境地へ到達する道である✖️2

さあ、私は

完全なるヴァジラヤーナの実践を行うぞ✖️3

そしてたとえ

命を捨てたとしてもヴァジラヤーナの実践を辞めないぞ✖️2

安心してヴァジラヤーナの実践を行うぞ✖️2

さある、聖書に説かれているハルマゲドンは近い

さあ、その最終戦争において、必ずやる聖なる軍隊に属し、悪趣をポアするぞ‥

ポアすることが救済である

ポアすることが最高の功徳である

ポアすることが自分自身をもっとも高い世界へ至らせる道である

これを300回 声に出して読まされる

マントラ(呪文)を唱えさせる。同じメッセージを反復すると人は思考停止する

闇堕ち

オウムの修行はハード。修行中に一人の弟子がノイローゼになった。麻原は「水でもかけて頭を冷やせ」と命令し 弟子たちがホースなどで頭を冷やすとその信者は死んでしまった

麻原は弟子たちに問う

ヴァジラヤーナへ入れというシヴァ神からの教えだな

このまま警察に届けるか?届けると救済計画も大幅に遅れるな

弟子たち一人ひとりに意見を述べさせた

おわかりだろうか?

この方法は承認誘導をつかったテクニックである

承認誘導

人を説得する時、相手に自動的に「はい」と言わせる方法である。営業で成績のよいセールスマンがよくもちいる手段である

「死体を処分して隠蔽する」と弟子たちが言うまで誘導したのだ

この事件をきっかけに教団は武装、テロリスト化していく

衆院選選挙

1990 「真理党」で麻原以下25名の信者が立候補するも全員落選

麻原はこの結果を「投票用紙がすり替えるられた」と陰謀論を唱えた

合法的な手段で日本支配ができないと考えた麻原はテロを計画した

90年4月

オースチン惑星の影響で、日本に天変地異が起きる。今月中に日本は沈没する

と予言し、信者1000人を引き連れて石垣島セミナーをした

この時、東京に偏西風にのせてボツリヌス菌をまいたのだ。自らの手で天変地異を起こそうとしたのだ

しかし、ボツリヌス菌は使い物にならなかった

マスコミは「予言外れた(笑)」と報道

2度の恥をかいた麻原はハルマゲドン計画を実行をはじめた

ロシアコネクション

91年 ソ連が崩壊するとオウムはロシアの高官に賄賂(数億円)を送りロシア政府に人がされた

假谷さん拉致事件が教団の仕業とバれる。

警察官でありオウム信者から「強制捜査」情報を入手したオウムは ハルマゲドンを称し自ら地下鉄にサリンをばら撒く

「自作自演では」

「いいえ、未来を予測するための最善策は「未来」を自ら創ること

変化を甘受する受動的な人間でいよりは、自ら旗を振り、変化を生み出す波頭に立つことが、変化に上手に対応する最も楽な方法よ。流石エリート集団ねオウムは」

逮捕

5月16日 強制捜査

捜査員たちは毒ガス攻撃に備えて籠に入れたカナリヤを手に持ち、オウムのサティアンを捜査した

イメージ図

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カナリヤが死んだ時人間も死ぬ

午後11時 壁の中の隠し部屋に隠れていた麻原を発見。麻原は現金960万を抱えていた

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取り調べ

「遠藤先生、オウムはサリンを作っておりません。松本市にまいておりません。地下鉄にも絶対まいておりません。假屋さんを拉致などしておりません。坂本一家も拉致などしておりません。遠藤先生、その線で、私の弁護をお願いします」

遠藤は自分の認識と違うため弁護できないと断ると

「いやあ遠藤先生、実は夕べ、警視庁の留置場にお釈迦様が現れてたんです。そして「麻原よ、お前の弁護をできる人は遠藤誠以外にない」と言われました。ですから何とぞお願いします

遠藤は「麻原が嘘をついている」と思った。麻原の信仰対象は釈迦でなくシヴァ神だからだ。熱心な仏教徒である遠藤に取り入るために釈迦の夢のお告げを持ち出したのだと「あなたの所にお釈迦様が現れたかもしれないけれど、僕のところに現れてないので、やはりお断りします」と遠藤は答えた(オウム事件と日本の宗教)、

裁判

裁判では麻原は事件の責任を全て弟子に押し付けようとしていた

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この無責任な態度に洗脳の解けた弟子たちに非難された

嘘だ‥全部嘘です。正しいことを言っているのは麻原彰晃しかいない

自分の非を省みることはせずに、自分の思い通りにことがすすまなければ他人のせいにする

沈黙せざる得ない状態に陥いり、英語みたいなものをプツプツ呟いたり、居眠りしたり

死刑判決

裁判官が主文を言い渡す時。被告人は正面に立つ。「被告人はそこに立ちなさい」しかし、麻原は椅子の上に固まったまま無視していた。刑務官たちが両脇から腕を掴み、立たせようとした。教祖はただをこねる子供のように抵抗する。すぐ様、十数人の刑務官に取り押さえられ引立たされた

拘置所に戻った麻原は「ちくしょう」など呟いていた(職員)

麻原の正体

自分が救世主と思い込んでいる妄想虚言症

疑い深い

異常なまでのさい疑心と怒りっぽさ

虚言

教義を捻じ曲げる嘘つきな性格

権力欲

あの男が金と権利を持ったらどうなるか見当つきました

麻原には一種の超能力があったかもしれない。でも超能力を持つ修行車はインドには沢山いる

悟りとはエゴのない状態であり、悟りを得た人は表面上こじきと同じくようになり、権力からはどんどん離れていく

最終解脱者なんて大嘘だから、後は自分で嘘で塗り固めるしかない

尊敬する人は、毛沢東ヒトラー

ヒトラーは政治的独裁者である。そして私は君たちを最終解脱に導くために信仰的独裁者になろうとしている

麻原の最終目標

王ですよ。日本じゃなくて世界の王。彼の言葉の端々から、王になりたいという思いが滲み出ていた

解脱、悟りを得るための集団であれば、あそこまで組織を大きくする必要性はないのだから(元高弟の佐々木)

ソルジャーを一万人作るからな(選挙で負けた時)

1997年、私は日本の王になる。悪い国家権力を倒して新しい日本政府をつくらなければならない

2003年には世界の大部分はオウムの勢力下に入る

(明の太祖 朱元璋の陵墓で広瀬が94年2月に聞いた)

日本支配

間接的に聞いたのですが、まず武力で破壊する。石川公一(法務省トップ東大卒)が東大、京大などの学生を集めて洗脳し、新たな官僚体制をつくる

悪の日本社会を世界をポア(粛清)によって救済(壊滅)させ、麻原を主権者とする新しい正義の国家を作ること

麻原に洗脳された信者たちは麻原の意のままに動くロボットと成り果て数々の殺人を犯した

麻原は日本国民を洗脳し、日本人全員 自分の意のままに動くロボットのようにしようとした

子供の時の夢 (自分の操作する)ロボット王国を創ろうとしたのだ

NO2の村井は逮捕前に暴力団員に殺され、逮捕後の麻原は話をはぐらかし、独り言を呟くだけ 真相は闇の中である

天皇暗殺計画

松本智津夫は、極度に天皇制を嫌っていました。天皇陛下サリンで攻撃する話もあった

自分が天皇にとって代わろうとしたようだ

死刑執行

刑務所では、入浴、トイレも一人でできずオムツをつけていた。独居房でプツプツ呟いて精神に異常をきたしたような状態だった(精神異常を詐称する死刑囚は珍しくない)

2018年7月6日、26日に麻原含む元幹部13人の死刑か執行された

大量処刑は大逆事件(11人)以来である

人は死ぬ

必ず死ぬ

絶対死ぬ   (麻原彰晃)

参考文献

「裁判では洗脳から解けた弟子に非難され惨めな死に方だわ」

「全ては計画通り

日本において新興宗教の開祖が処刑された例はおそらくない

処刑された開祖といえば

エスキリスト

麻原は処刑されることにより本当に

エス=キリストの再来となったの

エス=キリストと12人の弟子たち‥

(裁判で)沈黙を選んだことで神秘性を保たれたと考えることもできる。その結果、「殉教者」として崇められるでしょう(杉本繁郎)

一度できた狂ったカルトは形を変え存続し続ける。オウムはアレフと名前を変えた

アレフ

アレフ勧誘手口

1.おびき寄せ

インターネット人生相談で相談にのる

2. 覆面サークル

覆面サークルを装いセミナー、ヨーガ、講演会、映画などに参加させる

3. ラブシャワー

「このセミナーに参加したキミは選ばれた者」とターゲットを大歓迎する。カルトメンバー内で褒めちぎる

5. 孤立させる

セミナー、合宿を称して缶詰にした後、神秘体験をさせ依存させる 

6.洗脳する

最初は(麻原の名前、教団名は明かさない)が、修行が進むにつれて麻原の説法DVDを何度も見聞きさせ徐々に洗脳していく

未だに麻原は生きている

カッコ悪い死に様も、神格させた殉教に変換するだろう。麻原は一部の人には本当に神となった

 

 



 

 

 

 

 

 

ことり真理教

私たちは

世のため

人のため

金のために活動することり真理教なの

今日は日本中を震撼させたカルト「オウム真理教」を学ぶわよ」

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オウム真理教はここが凄い

「世界初、化学兵器を用いて自らハルマゲドンを実行したはじめてのカルトなの。(今までのカルトはリンチと集団自殺)」

「なんて反社会的なの。カルトの鑑だわ」

「それを可能にしたのが、理系のエリートたち。理系エリートたちのブレインこそがこのテロを可能にしたの

凄すぎる幹部たちの学歴

林郁夫(無期懲役) 慶応大学医学部

上祐史浩(出所) 早稲田大学理工学部

広瀬健一(死刑)早稲田大学理工学部

豊田亨(死刑) 東京大学工学部

石川 灘高→東京大学医学部

冨永(懲役17年)  灘高→東京大学医学部

端本悟(死刑) 早稲田法学部

中川智治(死刑) 京都府立大学医学部

村井秀夫(刺殺)  阪大理工学部

土谷正実(死刑) 筑波大学

遠藤誠一(死刑) 京都大学院医学部(中退)

早川(死刑)  神戸大学

青山弁護士→京都大学法学部

麻原彰晃(死刑) 盲学校卒

「なぜ理系エリートたちが麻原みたいな盲学校卒ペテン師に騙されたの?」

「それは長年の謎。今日は理系エリートをテロリストにした麻原彰晃を考察するわよ

生い立ち

本名 松本智津夫

出身地 熊本県 八代郡

1955年 畳屋を営む夫婦の7人兄弟の4番目の子供として生まれる

祖父は平壌で警察署長を勤めていたと親戚は語る。一家は戦後朝鮮から引き揚げてきて熊本県に居を構えた

松本家の長男は全盲で、智津夫と弟も生まれつき視力が弱かった

1.幼少期からの問題行動

智津夫は勝気でやんちゃな子供だった。両親は手を焼いていたようだ

  • 男の子と遊ぶと喧嘩ばかり
  • 女の子とお医者さんごっこをやって、女の子の性器に砂を入れた
  • 蛍を沢山捕まえて、う○こに頭のところを突き刺して、「おーい」蛍がいっぱいいるぞといって女の子を呼び寄せた。沢山の蛍の光を見た女の子が感激してそれを掴み 女の子の両手をう○こまみれにして、泣かせた。女の子の父に殴られた

イタズラばかりするため両親から忌み嫌われた

母親は「智津夫は私の子じゃない。恥ずかしくて歩けないよ」近所に言いふらしていた

父からスイカを盗んだと折檻された

働き詰めの両親に変わり12歳年上の兄が智津夫の面倒をみていた

簡単な足し算なら3歳ごろからできたし、名前も書けていた(長兄)

生活に困窮した両親は6歳の智津夫も長兄と同じ全寮制の盲学校に入れさせた。智津夫は弱視だが目は見えていたため盲学校は嫌がった

最初のころは毎晩布団で泣いていた

今は目が見えているが、将来は見えなくなるかもしれないと親としては「子供のためを思って」のことだが、智津夫には伝わらなかった

両親にとって私はいらない子だったんだ。私は親に捨てられた

盲学校の生徒たちは週末は両親が迎えに来て、週末を実家で過ごすのだが、松本兄弟だけは寄宿舎で過ごした

学校の教室はベニヤ板で仕切られただけの老朽化した建物で寄宿舎は6人部屋だった。そんな学校生活楽しいわけないだろう

14年間の盲学校で両親は一度たりとも面談に来なかった。洋服、生活雑貨の差し入れも全くなく、みかねた教師たちが上級生のお下がりを譲り受け使わせて貰った

両親が国から降りる就学支援金を実家に送らせて生活費に充てているのを知った智津夫は両親に不信感を募らせた

将来はロボット王国を作りたい

2. 狡猾

弱視である智津夫は盲学校では「強者」だった

おやつを配るのは寮母さんの役割りだが、寮母さんが仕事で追われている時、智津夫が率先さてお菓子を配る役割りをした

例えば、1人5個のお菓子を配るならば、全盲の子に2、3個に配り。後は自分が食べてしまう

もちろんバレる

寮母さんに叱られたら「ごめん」と謝るも、ほとぼりが冷めると同じことを繰り返した

3. 暴力、衝動的

落とし穴をつくった

全盲の子をいじめ抜いて子分扱いした。布団の上げ下ろし、洗濯をさせていた

4. 他人に寄生(利用)する

智津夫には 

自分のために、まわりを利用しようという意識があった

社会の常識は、自分の敵だと思うとった

人の上に立ちたいという名誉欲があった

全盲の子が外出すると、介助者になった智津夫は食事を奢らせ、その子の金で欲しいものを買わせ、最後は「外に連れていった日当をよこせ」嫌というなら

「智津夫に殴られたり投げ飛ばされた後、いつも「寮母先生に告げ口したら、殺すぞ」と言われてました」 

5.良心の欠如

盲学校の生徒に万引きの強要させた

6.他人に冷淡

「顔の形が変わるくらいビンタされた」

女子に対し(屋上で)「ここから落とすぞ」と脅した

7. 他人の権利を侵害する

新しく買った辞書がなくなった。松本君は私の名前の上に自分の名前を書いて素知らぬ顔で使用していた(同窓生)

高校生になると智津夫は体格に恵まれた青年に成長した

柔道2段を習得

身体障害者の1500m走で4位入賞

しかしら相変わらず智津夫は暴力を振るい続けた

全寮制盲学校はカルト宗教のような閉ざされた世界だった。彼は暴君となりその閉ざされた世界に君臨した

生活態度の悪さを寮母に諌められた時は、悪びれることなく

俺が宿舎焼くぐらいのことは、やってやっぞ

生活指導の先生から注意されたら

いうだけは、何言うたって勝手だろ

8. 口達者

中学生の子を骨折させた

とうとう父兄たちが「そんな子は退学させろ」声をあげた

教師は行き場がない智津夫に対し「あと少しで卒業だから」と父兄たちを説得し智津夫は卒業することになる

智津夫の性格が恵まれない家庭環境のせいかもしれない。しかし智津夫の兄、弟はこれといってトラブルを起こす子ではなく智津夫だけが問題児だったのだ

麻原の兄は腕の良い鍼級師だったが、サリン事件後、鍼級院は閑古鳥になり閉鎖。麻原の母は亡くなり立て続けに長兄も53歳で亡くなる。麻原の父は行方不明になる

9. 権力欲

暴力的な智津夫は人望は皆無だった。小学校、中学校、高校と生徒会に立候補しては

10.自信満々でナルシスト

落選し続けていた。選挙に落ちた時は「先生たちが票を操作して自分を落とした」と話していた

11. 自分は嫉妬され攻撃されていると思い込んでいる

智津夫は盲学校の生徒からお金も巻き上げていた。盲学校を卒業するまでに300万円お金を貯めていた

智津夫がオウムでやっていたことは盲学校の延長です(盲学校教師)

12.現実的な長期にわたる目標がない

智津夫は熊本大学医学部を受験すると言い出した。当時の熊本大学医学部は全盲は受験できない

熊本大学医学部を諦めて鍼灸院で働きながら東大法学部を受験すると決意した。智津夫の成績は盲学校の中の上。先生方は語る「彼が合格する大学は当時はなかった」

鍼級院では

協調性がなく、人バカにした態度だった

(将来何になりたいのか?)問うと

「弁護人か宗教家になりたい」智津夫

13.犯罪歴

1976  従業員を殴り、怪我をさせ逮捕

代々木ゼミナール太宰治の小説を読む教師の娘 知子をナンパ

松本知子 

両親は教師。明るく成績優秀、中学生の時には生徒会副会長。名門木更津高校出身。母と同じ千葉大学教育学部を目指し一浪中だった。智津夫は純粋な知子をかどわかし身篭らせ結婚

智津夫さんは、私に出会う前にずいぶん女の人を追いかけては逃げられたのよ

14.言っていることがコロコロ変わる

智津夫は「亜細亜堂」という漢方薬の店を構えた

「ダイエットに効く」「難病が治った」という誇大広告で荒稼ぎした

15.嘘を慢性的につく

保険金不正請求により、県から罰金670万円

自然食品の店「BMA薬局」を出店

B ブッダ

M メシア

A アソシエーション

誇大広告で店は繁盛したが、偽薬販売て逮捕された。この事件は新聞に掲載。BMA薬局は倒産した

暴力団の影

山口系暴力団のAのところに身を寄せていた。髪をのばしたのはAの影響

16.宗教に興味がある

自念信仰会

智津夫は宗教団体と経営指導教室を主催するNに経営を学ぶ。最初Nは智津夫に胡散臭さを感じ弟子入りを断ったが智津夫のしつこさに智津夫の出入りを許すようになる

Nの自宅のブザーを押すと居間に入り込んだり、勝手に冷蔵庫を開けてジュースを飲んだり、N専用のタオルで顔を拭いたり、金を貸してとねだる

智津夫「政治家になりたい」

N「金がなくてもなれるのは、宗教家だよ。どうにもならない気の弱い人間ばかりが宗教には集まってくるんだから、そいつらを魚釣りのように釣ればいいじゃないか」

智津夫は人件費がかからない「宗教ビジネス」に興味を示した

Nは智津夫に「彰晃」という名前を与え ヒトラーの人身掌握術を教えた

例えば政治家が公約をいつまでたっても遂行できず、国会で追及を受けるとする。その時、どうするか。政治家は、この件は将来の国家のため大事なことだから軽率に結論は出せない、と答弁する。そうなると、質問した方が軽率だということになる。詭弁術とは、そういうものだよ

Nは麻原の強欲ぶりにたもとをわけた

智津夫は超能力修行の阿含宗に入信。宗教にのめり込み家に帰らなくなった。夫婦仲は冷めきっていた

夫婦は教育熱心だった。娘3人は英才教育を行なっている幼稚園に通っていた。教育熱心な反面 夫婦は衛生管理は無関心だった。3人の娘たちはお風呂に入っていないようで黒光りしていて、痩せ細っていてお腹だけがぽこんと出ていた

1984  智津夫は目川探偵事務所を訪ね宗教団体を立ち上げるため「天理教の内偵」依頼した

教義ではなく、大教団の組織の維持とお布施の集金システムについてだ

宗教は儲かるだろうか?

調査費用が20万円かかるというと、目が不自由とあかし、2万円に値切った

天理教の布施システムを聞いた智津夫は「新興宗教の名前はどんな名前がいいですかね?」

目川「オーム(家の向かいにある電気屋の名前)なんかいいじゃないですかね」

智津夫はヨガ道場「オウム神仙の会」を設立する

最初のオウムはヨーガサークルであり、美容、健康を求めた女性会員が多かった。松本は家に帰らなくなる。智津夫はその後100人の美人の弟子を愛人にしたという

17.性関係の乱れ

当時はヨガサークルだった

オカルト雑誌に空中浮遊の写真を掲載して「自分のもとでヨーガ修行をすれば超能力が身につく」と会員を募集した

ヨーガの先生だった麻原は、非常に優しく感じが良かった。夜遅くまで人の話をよく聞いて的確なアドバイスをして評判が良かった

18. 衝動的

麻原はある日「ヨーガ道場をやめて宗教始める」

これからは仏教でやるかヨーガでやるか、仏教系だったら(男は)坊主だからな

と唐突に言い出した

真理教なんてどうだ

宗教になると会費が跳ね上がり、純粋にヨーガをしたい三分の一の会員が辞めた。しかし、雑誌の広告、または出版物により信者続々と増え続けた

教祖 麻原彰晃の誕生である

 

 

火災が起こり、飢饉が始まった。全世界でこの災難を免れるのは、新しい人間の種族と新しい生活をはじめ、大地を一新して浄化する使命を帯びた数人の清い、選ばれた人間だった(罪と罰)