2001年 同時多発テロ
パレスチナなど中東では自爆テロ(ジハード)をする若者が後を絶ちません
「今日はテロリストについて学ぶわよ」
テロ フランス革命のロベス=ピエールのが革命による民主主義実現のためテルール=恐怖を用いる政治をしたのが始まり
テロ(テルール)は元々は革命と恐怖で世界を変えること
イスラム教徒のテロ歴史
イスラエルか建国するとイスラエルはパレスティナともめ幾度にわたり幾度も中東戦争を行いました
イラン
1925〜79 イランの パフレヴィー朝
1960 近代化(白色革命)が起きると
革命は保守派とウラマー(イスラム法廷学者)らは、近代化を西洋の猿真似と反発しホメイニはイスラム原理主義の宗教国家を作ると訴えます。近代化すれば経済格差が拡大します
1970 第一次オイルショックでイランの経済は悪化。町にはスラムが出来ると大衆は不満になる
Q.不満になった民衆が求めるものは?
Anser「新興宗教ね」
貧富の差、国王の独裁に不満を抱えた民衆はホメイニ氏のイスラム原理主義に引き寄せられました
1979 2月 パリに亡命していたホメイニ氏指導のもとイラン革命が起こります。こうしてシーア原理主義国家イラン・イスラム共和国が誕生したのです。さらにイランは革命の輸出を呼びかけます
近代民主主義を否定したイスラム原理主義国家イランをアメリカは悪の枢軸呼ばわりした
1979 ソ連によるアフガニスタン侵攻がおこるとアラブの若者たちは義勇兵としてアフガニスタンで戦います
アメリカは悪の枢軸国イランのホメイニを潰すため イランの隣のイラクのサダム=フセイン(スンニー派)に武器を輸出してイランと戦争させました
1980〜1988 イラン・イラク戦争
この戦争は決着がつかずに終結します。アメリカから大量の武器を購入したイラクはアメリカから借金の返済におわれます。さらに クウェートがOPECで石油増産を行ったため、石油価格が下落しイラクは財政難に陥ります
1990 イラクは資源の豊かなクウェート侵攻して 湾岸戦争がおきます
湾岸戦争でアメリカはサウジアラビアに駐屯しました。サウジアラビアにはメッカがあります。原理主義者たちは、聖地が近代文明勢力に汚されたと憎悪したのです
さて、ソ連撤退後のアフガニスタンには、ビン=ラディン率いるアルカイーダが結成された
写真 朝日新聞
近代民主主義を否定した徹底的な原理主義国家が誕生しました
パレスティナのほうでは強大なイスラエルに対し自爆テロを起こしました
2001 パレスティナに対する報復としてアルカイーダは同時多発テロを起こした
2002 イラク戦争(アメリカによるイラクの民主化)サダム=フセイン処刑してイラクを民主国家に洗脳しようとしましたがイラクは混迷して治安は悪化します
混迷した中東ではシリア内戦が起き超原理主義国家イスラム国創設されました
ヨーロッパでは移民したイスラムの一部の人が不満を持ちテロを起こす
Q.なぜテロリストになるのか
ニヒリズム
イスラエルの圧倒的軍事力に対しパレスチナの若者は未来に対して希望を持てない
イスラムでは貧しい男性は結婚できない
虫の羽ほどの価値もなく
影のように消えてしまう
楽しみのない世界に戻ることはないでしょう
殉教者は天国に行って72人の神女に囲まれたハーレムが約束されているという教えを本気で信じている
「騙されている。死んで帰ってきた人なんて存在しないのにテロば格差社会と貧困が原因なのね」
「地域によっては生きる為にテロリストになる若者もいる。しかし裕福な若者がイスラムに志願することさえもある。テロリストの幹部などは高学歴が多い
Q.なぜ世界に復讐する理由がないエリート、裕福な若者までがテロリストになるのか
テロリストになる若者の特徴
理想主義者
利益、快適、刹那的、弱肉強食の資本主義世界
自由主義の世界は多くの人が集まって一緒に生活する以上、対立、軋轢、揉め事はある。現在社会では全ての人々に普遍的価値観を与えられない。人はパンだけでは生きていけないのだ
現在社会で生きづらさを感じている若者は生きる意味を探し求める
1.目的 世界には確固とした目的があるはず
2.統一 世界には統一的な摂理があるに違いない
3.真理この世界とは別の「真の世界」あるはずだ
4.普遍的 価値観の飢餓
人間には普遍的な価値観や使命を人生に求めようとする願望がある
支配者はより普遍的な問いかけによって世俗的な価値感の矛盾、欺瞞を暴きたて空中分解を起こしたところで洗脳する
アイデンティティ
自由主義社会
かつて一部の王、皇帝、貴族などの絶対的権力のあれ特権階級が人民を支配していた
革命
民主化した現代社会は様々な価値観が生まれた。しかし、自由主義社会では人間関係が希薄にもなる。一部の若者のアイデンティティは確立しにくい状態になる
アイデンティティ確立に失敗すると自分が何ものかわからなくなり、自分が生きている意味や実感が得られない心理的状況になる
アイデンティティ拡散によるニヒリズム
- 理想主義者
- 純粋
- 矛盾した不公平な社会に不満
- 潜在的に社会不適応になっている
- ありきたりの平凡な人生を過ごしたくない
現在の自由、資本主義社会の一般価値観に刃向かうことで自分の価値観を保とうとする。社会をひっくり返せば負け組の自分の人生が逆転すると信じている
テロリストは厳重な審査と試行期間を経て資格を与えられ特別な者とみなされる
神が自分を選んでくれた
テロ組織、カルトに属することが彼らのアイデンティティを満たし同時に生きる意味を見出すのだ
テロリストのプロセス
アリエル=メラリ(心理学者)はテロ組織をトンネルと比喩する
外界から遮断されている小さな世界。カルト、テロ組織はまずターゲットを社会、家族からも孤立させトンネルの中にいざなうのだ。彼らは家族のもとを離れて小さなチーム(集団)で生活する。彼らには小さな世界が世界の全てである。ターゲットは自分が狭いトンネルの中にいるとさえ思わない
- 同じ行動(結束力)
- 同じ考え(単純な思考化)
- 同じ目標(絆)
- 同じ夢を持つ(一体感)
感覚遮断の実験
被験者たちに ガラスゴーグル、手袋、手足にダンボールをつけ、耳にはホワイトノイズが聞こえるようにしてカプセルの中に入れる
被験者は(早い人は20分で)みな幽霊が見えるなどの幻覚症状を訴えた。実験後は超常現象に興味を持つようになった
以上の実験から 人間の脳は情報が不足しすぎると正常な働きができなくなるということがわかった
狭いトンネルに入りターゲットは正常な判断を失う。組織は自爆テロに選ばれた者を実行する前から「英雄」として扱う
- リーダーと食事
- 遺言をビデオに撮る
- 記念碑を建てる
- 残された家族の経済的援助の約束
- 愛する者のために自己犠牲になる
- 死を既成事実にする
自爆テロに選ばれた者は自爆テロを起こすしか自分の存在意義はないのだ
「日本の神風特効隊に似ている」
「自爆テロは中東に潜伏した日本赤軍が現地の人々に神風特攻隊を教えたもの
太平洋戦争の日本では
- 出征
- お祝い
- 万歳三唱で彼らは戦地へ送り出される
「お国のため、天皇のために戦ってきます」
「また靖国で会おう」彼らに退路はない
健康診断で「身体が弱い」とされ出征できない若者は「穀潰し「非国民」と村八分にされることさえあった」
ロシアではエホバの証人もイスラム国と同じテロ組織指定にされた。確かにエホバの証人とイスラム国は似ている
- 王国第一(宗教勧誘)の人生を送れば地上の楽園で幸せに暮らせる
- 人間の存在意義は奉仕(勧誘)活動するために人間は創造された
- 殉教者(輸血拒否で死んだ人、ナチス。旧共産圏などで処刑、逮捕された人を大会、雑誌などで組織の「英雄」扱いしている
違いはイスラム国は自分たち以外を「ジハード」で物理的に殺すが
エホバの証人は「エホバの証人以外ハルマゲドンで死ぬべき」と祈り続ける
人間は社会的動物 所属する集団から認められなければ生きていけない。狭いトンネルはテロ組織、戦争だけではない
- 学校
- 会社(ブラック企業)
- 塾、スポーツチーム
至るところにある
学校
子供のイジメ自殺が後を絶たちません。子供の世界はカーストがあり残酷である。カーストの最下層にされイジメにあうとばい菌扱いされる。触れたものが全て汚らしいとされる。名前さえ呼ぶのも汚らしいとされ名前さえも呼んでもらえない。学校のクラスは狭いトンネルだが。子供にとっては世界の縮図であり、世界の全てになる。クラスで認められず嫌われるならば世界中から嫌われたのも同然に感じる。クラスという狭いトンネルで排除された子供は自分は世界中から認められないと思い込み死を選択するのだ
塾
オウム、日本赤軍などのエリートの若者たち。塾、スポーツチームは子供を狭いトンネルに誘う。トンネルの中は外の景色が見えない。彼らは厳しい受験戦争を勝ち抜いて狭いトンネルから出てきた
広い世界は眩しすぎる。地元では「天才」「秀才」ともてはやされた彼らは名門大学では「凡才」となる彼らはアイデンティティの危機を迎える
塾、学校という狭いトンネルの中は偏差値さえ高ければ自分の存在価値を認められた。理系は答えは一つだけ、その一つのみを導けばよかった
しかし、人生については様々な価値観があり答えは一つではない。塾、学校では権威(親、先生)のいうことを聞いていれば全てうまくいった。自分で決めたことが間違いであればエリートから転落する。失敗したくない。誰か権威のある人に導いて貰いたい
外界の世界が眩しすぎて彼らは狭いトンネルに自ら戻っていく
「フロムの自由への逃走ね」
普遍的価値観を導く人が麻原彰晃や重信房子みたいなとんでもない人ならば
人は視野を見失い
そして全てを失う
Q.「尊い志」を抱いた日本赤軍の若者たちがリンチで殺しあったのはなぜ
オウム、日本赤軍の若者たちはみなピュアな理想主義者である
しかし、理想主義とは人間の数だけ理想主義があるのだ
自分の理想主義を貫くためには他人を排除するしかないのだ。そして彼らはテロ、リンチを起こした
純粋な理想主義者の末路とは
Anser テロとリンチの大粛清である
テロの創始者ロベスピエールを始め、ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポルポトもピュアな理想主義ゆえの行いなのだ
洗脳と違いカルト組織のマインドコントロールは巧妙であり自分から選択したように思わせている
Q.子供を危険なカルトから身を守る方法は
幼少期から色んなことを子供自身に決めさせる。
塾など一つに絞らず様々な世界感や価値観を体験させる
参考文献