2018年 6月9日 午後9時45分頃 東海道新幹線・東京発新大阪行き「のぞみ265号」の12号車内において、新横浜―小田原間走行中に、男性がとなりの席の女性に突然ナタとナイフを切りつけた。男は通路を挟んで向かいに座っていた女性に襲いかかった。それを止めに入った男性と揉み合った末、男性が殺害された
犯人小島一郎(22歳)は「むしゃくしゃしてやった。誰でも良かった」と供述
画像 FRIDAYデジタル
「刑務所に入りたかった」
「無期懲役を狙った」
小島は親族の面談を拒否した
著者であるインベ氏に「枕草子」「今昔物語」「徒然草」「方丈記」など古典文学をリクエストした
小島一郎の家は複雑だった
1995年 鈴木(小島)一郎が生まれる
当時両親は別居していて、一郎は母方の岡崎の祖父母の家に住み、父親と姉は父方の祖父母の家に住んでいた
母親は仕事をしていて、昼は祖父母が一郎の世話をしていた
一郎が3歳の時、父方の祖父母の家に住む。父方の祖母は一郎に「お前は岡崎の子だ。岡崎に帰れ」など繰り返しいじめられた。一方一歳上の姉は溺愛した
父親は仕事、母親はホームレスを支援するボランティアで忙しく朝から晩まで家に居らず一郎は祖母にいじめられた。祖母は一郎の母親の悪口を延々と聞かされた
5歳の時、一郎はアスペルガー症候群と診断されたが家族は放置した
中学生になると祖母の虐めに抵抗すると、祖母はご飯をつくってくれなくなった。勝手に家にあるものを食べれば「食べるな」。お風呂にも「入るな」と言われた
中学二年の時、包丁をもち両親の部屋で乱闘。「少年院」に入り国に養ってもらうためだという
母親は「一日500円やるから、少年院にはいるな」といったが3日で払わなくなった。約束を反故した母に苦言を呈すと「なんで私がお前を養わなきゃならないの」
一郎は母が働く貧困シェルターで生活することになった
シェルターで同室のホームレスが苦しみだし「救急車を呼んでくれ」と頼むのを無視して死ぬまで観察していた
定時制高校の成績はオール5。職業訓練校に通い電気工事士の資格を取得。機会メーカーに就職する。仕事は忙しく出血性大腸炎になり退職する
岡崎の母方の祖母のところで療養しようとするも、同じ敷地内に住む伯父から「一宮(父方の実家)に帰れ!」と暴力を振るわれた
祖母は一郎を岡崎に住まわせるために一郎と養子縁組して「小島一郎」となった
小島一郎は障害者手帳を取得、精神病院にも入院した
伯父の確執に苦しみ一郎は岡崎の祖母宅をでてホームレスになった
小島はホームレスになり餓死しようとしたが、幸せに生きる選択をした。それが無期懲役になるための「殺人」である
他人事みたいな父親
父親は薄ら笑いをうかべながら、息子のことを「元息子」と呼び「私は生物学上のお父さんということでお願いしたい」
一郎君とは今は家族でない。中学生の頃からほとんど会話はなく、関係は断絶していた
父親によると姉に新品の水筒を与え、一郎には貰い物の水筒を与えたという
その日の夜、包丁と金槌を持った一郎が両親の寝室に乱入してきて父親と取っ組み合になったという
その後障害がわかり 14歳の一郎を施設にいれ放置した
ただし一郎は、水筒事件は忘れていた事件でそれが原因ではないという
マザーテレサな母親
母親は無給てホームレスのボランティア活動をしている。周囲からマザーテレサと呼ばれている
一郎の父親はDV男
「私とお義母さんどちらを取るの?」と聞いたら「お母さんのほうが大事」と言われた
姑から酷くいじめられだ。だから一郎は自分の10倍いじめられたかもしれない
一郎は「欲しいものを欲しいと言えない子」
母親がボランティアで朝から晩まで出かけるのは姑と距離を置くため。また、ボランティアで支援者から必要とされることによって夫に必要とされなかった代償行動かもしれない
あの子がああなったのは自己責任です。どう育つか本人次第
母親は「人権」意識の高い人でパスポートとビサなくして世界を一つにする活動をしている。かつては選挙に出馬したこともある
一郎の「人権」意識はそんな母親の背中をみて影響されたのだろう。ホームレスになったのはホームレス支援をしている母親かはかまってもらうため
無期懲役になるための殺人
私は第一審でケリをつけようと思ってますから。無期刑になりさえすれば万々歳、死刑になれば諦める、有期刑になれば「…さればもう一度」といきましょう。無期刑になりまするのは、こどもの頃(中学生)からの夢でございましたから。それに死刑になりましても私は労務作業を願い出て、13階段を登るまでは働くつもりであります「労働は人生の一部であり、これから阻害されてはなりません」
小島は無期刑になりたいがため事件を起こした。確実に無期懲役になるために小田原警察署では、警察官に馬乗りになって顔面を殴りつけていた
刑務所でどのような矯正をされようと、反省もあり得ないし、更生もありえない。もし有期刑になって、出所することになったら、また人を殺す。刑務所がなぜ幸福な生活であるか知ることはできない。それは信じることだ
小島は全国一万人いるホームレス同胞のために礎となろうとしているという
私は人を殺して初めて基本的人権を認めてもらったのです。これを救済といわずして何を救済と?私は今までの人生で、拘置所が一番「幸福な生活」をしていることは間違い無いのです
小島の手紙の内容は、古典、哲学、宗教書など様々な書物の引用ばかりである。ふざけているねか?知識をひけらかせたいのか…
私は人を殺して、心底良かったと思う。無期囚人として模範囚になりたい。優遇区分においては、第一類に、制限区分においては、第一種に、労働作業においては、第一等工に『なりたいな、ならなくゃ、絶対なってやる』
優遇区分とは刑務所の態度でテレビの視聴、手紙、面会の回数、物品の購入が決まる。小島は一番良い処遇を貰おうと試行錯誤していた
被害女性に対して
残念ながら殺しそこないました
被害者男性について
見事に殺し切りました
今後について
有期刑になれば、出所してまた人を殺します
厳罰を求める被害者の調書が読み上げられた時には、笑顔で拍手した
2019年 12月18日 一審判決
刑務官二人に挟まれ入廷した小島は「しゃーっす」と挨拶をした
小島を担当する二人の国選弁護人は、一人は欠席。もう一人は小島と目も合わせなかった
無期懲役が言い渡された
判決理由が粛々と語られ
「この判決に不服がある時は、14日以内に控訴することができます。それではこれで終わりです。被告人は席に戻ってください」
「はい!控訴はしません。万歳三唱させてください」
「止めなさい」
「ばんざーい。ばんざーい。ばんざーい」
画像 AMEBATIME
法廷にいた者は皆呆気にとられた
理想の家庭
小島は座禅とハンガーストライキをはじめた。刑務所では受刑者を死なせてはならない法律かある。拘束されベットに固定され鼻からチューブを突っ込まれた
保護室では大便を身体や壁に塗りまくり、尿を口に含んで刑務官に噴射した。その度に、防護服で盾を持った機動隊に抑え込まれた。糞便を垂れ流し、ついにはオムツをして車椅子になる
観察室にぶち込まれたことを嬉しそうに語る。観察室は一面ガラス張りで、天井には監視カメラがつき、音声も拾われているプライバシーの全くない監視状態なのだが
わかった。わかった。私が刑務所にたどり着いた目的が。それは『観察室にはいる』こと。観察室に一生入り続けること。観察室は『岡崎』だ。私はついに『岡崎』にたどり着いたのだ。私はもう『岡崎』からでていかないぞ。出ていけと言われても出ていかない。壁を汚し続けてやれば、出ていけといわれない…。私は岡崎に居続けてやるんだ。万歳、万歳万歳。私は万歳を三唱する…私は本当に幸福だ…なんて冗談ですよ。私はまだ模範囚になることを諦めた訳ではありません。私の人権救済甲立書をみて、埼玉弁護士会がおこしになられますし、私は他の全ての被収容者のためにも、人権のために戦わなければなりません。観察室に入っている余裕はないのです
人は皆自分の居場所を求める
小島の家、父方の家のほうが機能不全家族だった
両親は仕事に夢中で
父方の祖母からいじめられた
5歳で発達障害の疑いと診断されても家族の誰もそれを無視した
発達障害を早期発見するのは、早期に発見し療養すれば発達障害を改善するためなのだが
母親は他人のボランティアに命をかけても発達障害を疑われた息子には冷淡だった
発達障害を放置されれば悪化する
学校にも居場所はないだろう
小島一郎は精神病院に入院してもそこでも「嫌なら出ていけ」と言われた
母方の祖母は一郎を保護しようとしたが、伯父に追い出された
法律がある限り、刑務所は何をしても「出ていけ」といわれない
一郎は理想の家庭と生きる目的(囚人の人権の向上)をみつけたのだ。犯罪者となった小島を守るのは刑務所と法律と人権である
あとは死ぬまで社会に迷惑をかけてまで社会に迷惑をかけ続けても自分の幸福を追求するからな
小島は無敵の人となった
刑務所の生活を快適にするために小島は刑務所革命を目指しているようだ
小島の母親は革新的な理想主義者で政治を変えるために選挙にも出馬したことがある
ある意味小島は母親の背中をみて育っていた
ADHD
小島一郎は注意欠陥多動性障害である。小島は読者家であり150冊の本が頭の中に入っている。ADHDは脳の記憶容量があり非常に記憶力がある
ADHDだから犯罪するわけではなく、機能不全家族で育った小島は母性の欠如と父方祖母の長年のイジメが小島の脳を歪ませながら成長した
発達障害の子供がイジメや虐待をされると発達障害が悪化する。さらにいじめられたネガティブなその辛い記憶が何年経ってもyoutubeの動画のように本人が意図しなくても何度も何度も再生されてしまう。そのため精神障害になりやすい
ADHDは興味の範囲が狭い。小島は刑務所で一生過ごすことを決めた。ADHDが目的を決めるとそれ以外のことを考えられなくなる。小島にとって被害者たち、被害者家族のことは どうでもいいことなのだ。小島は反省することも更生することもないだろう。小島の考えていることは自分が刑務所でいかに心地よく生きる権利しかないのだから
日本では、法律とは被害者を守るためのものではなく、加害者を守るためのものなのだ