ことりの啓示

カルト宗教、洗脳研究

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自由への逃走(権威主義的パーソナリティ)

ドイツ帝国第一次世界大戦に負けた。ベルサイユ条約により民主主義のワイマール共和国として再出発した

ドイツは不満である

しかしドイツ国民はベルサイユ条約を破棄してファシズムホロコーストを受け入れた

ホロコースト

 科学の装いのもとに、人間を「人種」という観念で選別し優越人種が他の劣等人種を支配したり根絶したりできるという思想から生まれた

Q.なぜドイツ人はナチズムに束縛されることを選んだのか

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第一次世界大戦前のドイツ帝国

非常に権威主義的な国民性

権威的な父性の家庭

敗戦の屈辱、ドイツ国民のアイディンティティの崩壊

アィデンティティ崩壊した人間は新たな権威を追求する

それがヒトラー率いるナチスだった

啓蒙の弁証法

ナチスから逃れドイツのフランクフルトから亡命した

ホルクハイマー(1895〜1973)とアドルノ(1903〜69)は近代理性の失墜について考察する「啓蒙の弁証法」を共同執筆した

近代合理主義が讃える理性は人間に自由と解放をもたらすどころか

支配、管理して個性を奪う

多様で豊かであるべき人間の文化を貧しくするもの

道具的理性になった

ファシズムが迎え入れられてしまうのは理性に反する衝動の現れではなく

むしろ、理性が招いている

批判精神を失った理性はファシズムの温床となり

近代化をもたらす啓蒙は結果的に抑圧的支配権力を正当化する

「人間の理性が文明の野蛮を招いているというわけね」

Q.現代人は善悪の判断を自らせず、権威に盲従する。それば何故か

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自己責任を回避しようとしている,

権威主義的パーソナリティ

「だから民衆はファシズムを弾圧するどころか、民衆に支持されているのね」

は管理社会において柔軟性を失っていく精神(精神の1次元化を批判し「一次的人間」

ナチスから生まれた苦渋の思想ね」

エーリッヒ=フロム

ドイツ系ユダヤ人心理学者

人間は「自由」への道を求めながら「自由への逃走」を選んでしまう

「自由」であり続けるためには、それに伴って生じる「孤独」と「責任」の重さを受け止めるだけの「覚悟」が必要だ

当時のワイマール憲法によって自由を上から与えられただけの人たちは

ドイツ人たちは「覚悟」を持つことがなく、自由の人生や成果を受け身的に楽しむだけの者が多かった。ナチズムを熱狂的に歓迎したのは主にドイツの中産階級である

フロムは「自由から逃走」し新しい指導者の権威に服従する人たちを「権威的主義性格」と呼んだ

エスが‥権威ある者としてお教えになったからである

マタイ7章28節

人間は「権威」に弱く外から与えられた「規則」や「掟」に付き従うことで安心を得たい要求がある

振り込め詐欺

振り込め詐欺の犯人たちは『警察』や『役所』などの『権威』名乗る。ターゲットは『権威」を名乗られるといとも簡単に信じて騙されてしまう

私たち人間は一人では生きていけない。たから人間は皆、リーダー(権威)に従い、集団で群れ、協力し合って生きる

人間は生きるため『権威』に従順になるように遺伝子的、本能的に作られている

人間は上に立つ誰か権威のある人に

「あなたは特別だ」

「あなたは正しい」

「あなたはこうした方がいい」

と啓示を受けてそれに従う方が楽ちんなの

Q.なぜ自分の人生を自分で決められないの?

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A.自分の人生を自分で責任持ちたくないから

権威主義的パーソナリティ

基本 人間は自分の頭で考えないで権威に従う生き物

だけど、自分の頭で考えないことは危険よ

リーダーが「いい人」であるならば問題はないけど

もし、リーダーが「悪い人」ならば?

「悪いリーダー」に従うなら、悪い人の奴隷にされ闇落ちする

自分たちのリーダーに反対したり、従わない人たちを「悪」として断定して弾圧するようになるかもしれない

他人からの命令ならば、いざ失敗して責任を問われた時他人のせいにできるから「良心」は咎めを感じることのないように

私たち人間は「自由」を求めながら、同時に「束縛」や「従属」を選んでしまう矛盾に満ちた存在なのだ

囚人のジレンマ

1950年 アルバート=ダッカの考案した実験

軽犯罪で勾留中の囚人AとBは、ある大事件の共犯と疑われている

検事は2人に次の3つの司法取引を持ちかけた

2人とも事件について黙秘を続けたら、2人とも懲役1年

1人が共犯を自白したら自白した人ふ釈放される。その場自白しない方は懲役10年

2人とも自白すれば懲役5年

彼らは別室に隔離されていて、連絡、意思の疎通はできない

この条件下で、2人の囚人は黙秘を通すか、それとも相手を裏切って自白するべきか

この場合囚人Aは次のように考える

1. Bが「黙秘」を通す場合

自分が懲役1年。裏切って「自白」すれば無罪。ならば裏切った方が得

2.Bが「自白」した場合

自分が黙秘すれば懲役10年。Bを裏切って「自白」すれば懲役5年。裏切った方が得

だからAは裏切って「自白」することを選ぶ。Bも同様の思考をして

両者とも懲役5年という結果になるだろう

しかし、それはこのゲームを1回しか行わない場合の結論である

何度も同じゲームを繰り返せば「裏切り」ではなく「協調する」可能性も生まれてくる

アクセル=ロッドの実験

1984年  アクセル=ロッド(アメリカの政治学者)

集まったプラグラムを何度も戦わせた

プラグラムの原理は相手を「信頼」することからスタートする

相手が「信頼」で応じれば、そのまま「信頼」し続けりる

相手が「裏切り」で応じれば、自分も次の相手を「裏切る」というゲームである

結果、優勝したのは

「tit for tat(しっぺ返し)」と呼ばれるプラグラムだった

ずっと「信頼」しても

ずっと「裏切り」しても失敗する

「しっぺ返し」のようにまずは「協力し」後は相手の出方次第によって協力したり敵対することにより集団の力を増やしていくことができる

「駆け引きね」

「まずは友好的に「協力」して後は相手の出方次第で、相手の思考を読み取り「駆け引き」することが人間の遺伝子戦略が重要と考えられる」

ところが「しっぺ返し」が破れてしまう

ある大学が送ってきた複数のプラグラムによって破られた

そのプラグラムは同じグループの「序列」に出会うと

お互いの「序列」を確認しあい強い「序列」に勝利を譲るというプラグラムでした

つまり、同じ「グループ」の中では厳格な「序列」が決まっていて、それに従うことによって効果的にも「序列が上」のプラグラムにより有利な状況に押し上げる仕組みになっていた

ゲームが繰り返されるうちにその「有利」さが蓄積され、序列上のプラグラムは、ゲーム内の世界で「最上位」で占めるようになった

「最上位」を占めるためには一定の数が「徒党」を組んで、全集団に立ち向かう必要がある

それぞれの研究者が1つか2つのプラグラムを参加させていたのに対して、この大学は多数のプラグラムを「集団」を送り込んだ

この仮説実験から

激しい生存競争を勝ち抜いたり、遺伝子の生き残り戦略のためには「序列化された集団」が有利な条件を備えているということがわかる

遺伝子の生き残り戦略の一環として序列化社会を作ることが、人間の行動規範に仕組まれている仮説がある

「一定の人数が集まれば自然に「序列」が出来上がってしまうのね」

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人類の歴史を振り返っても軍隊などの「高度な組織化され、序列化された集団」が闘いの場面で強い力を発揮して政権を奪い取る例は枚挙にいとまがない

独裁国家ファシズムね」

経済の世界でも、トップダウンで指示が一斉に実施される「独裁的」な企業の方が激しい競争を勝ち残ることができたという事例は数多い

「独裁企業ね」

サード・ウェーブ実験

ロン=ジョーンズという高校教師がいた。ある時歴史の授業で、「なぜドイツ人たちはナチスを止められなかったのか」と質問した生徒がいた。自分たちはあんなことを絶対しない。アメリカ人はあんなことにはならない、生徒達は半ばドイツ人を軽蔑する主張をした。ジョーンズ先生は生徒を納得できる返答ができなかった

次の日、ジョーンズ先生は「今日一日だけ、このクラスだけの独自のルールを作ろう。そのルールを守ることなよって、皆んながどんな力を持つか、実験してみよう」

1.細かい規律、ルールを定めた

ナチスは細かい規律、ルールを作り守らせることにより国民をマインドコントロールした

成果

国民の結束、一体感。自分たち特別なグループの一員だ

2.単純作業の繰り返し

個人の合理的思考は弱まり思考停止しはじめる

実験は一日だが、生徒達は次の日もしたいとせがんだ。先生は逡巡したがこの実験をウェーブと名付け、続行した

挙手をするウェーブ独自の挨拶を考案

数日後、生徒達の成績は急上昇。生徒達は自信を持ち、更に厳しいルールを定めた

自信を持った生徒達は他のクラスの生徒に勧誘を始めた

3.勧誘

勧誘を断る生徒に対しウェーブの生徒達は暴力的になった

強制的にウェーブメンバーにならざる得ない生徒が出始め学校中がウェーブのメンバーになった。ウェーブの勢いは止まらず他校にまで広がった。勧誘に伴う暴力事件、喧嘩が多発

ジョーンズ先生は危機感を覚え実験を強制的に中止

ジョーンズ先生は「ウェーブ運動の中心者は誰だ」と生徒たちに問いかけた。生徒達は「ジョーンズ先生です」と答えます。生徒は首を振り、本当のリーダーは彼だと言い、ヒトラーを映し出した

生徒達は自分たちもナチス台頭のドイツ人と同じ行動をしてしまったことを理解

そして

誰しもがナチスに洗脳され台頭を許してしまうことを理解したのだった

アイヒマン実験

アドルフ=アイヒマン  ホロコーストを指揮した人物。戦後逃亡するも1960年に逮捕され裁判にかけられた

裁判中彼は

「自分は上からの命令に従順に従っただけ」と主張し続けた

アイヒマンはどこにでもいる平凡な男だった

Q.平凡な男が無辜の人々を殺戮に参加する何故?

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スタンフォード監獄実験

普通の大学生

看守役  11人

囚人役   10人

看守は指示通り罰を与える。罰は次第にエスカレートし虐待、暴力に変わる

囚人役げ次々に精神錯乱をはじめた。あまりの過酷さに2週間の実験の予定が6日間で中止とされた

この実験から普通の人間でも「役割」を与えられたら「悪魔化」する

アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男 (岩波現代文庫)

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ミルグラムの実験(服従の心理)

被験者は「教師役」

生徒役は「サクラ」

生徒役が問題を間違えると「教師」は電流を流す。間違える回数を増やすたび電流を上げる。電流を流すと生徒は苦しみ

「辞めて欲しい」訴える

教師役は辞めようとするが、周りのスタッフに「それがあなたの任務です」なと最後まで続行するように説得されたら皆継続した。最大レベルまで電圧をひきあげたのは62.5%もいた。もちろんサクラの演技だが本当の電圧であれば命の危険性さえあったのに関わらずにだ

「私たちは人間は皆社会や権威に対して屈してしまうの

私たちは権威や肩書きのある人物、有名人、様々な要素で私たちは物事の「正しさ」を推し量り、いつの間にかその判断に従っている

服従の本質は、自分を他人の願望を成就する道具とみなすようになり、従って自分の公道に責任があると考えなくなってしまう

             ミルグラム

私たちが「自分の考え」と思っていることも実は「他人の判断」や「世間の評価」に強く影響されている」

「条件下では誰しもがアイヒマンと同じ行動を取ってしまうのね」

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自分もまた他人の「片棒」と担いでいないかよく考えみなければならない

「自分は○○の言葉に従っただけだ。だから自分には責任がない」という態度ではアイヒマンと同じ道を辿ることになる危険性がある

権威に従う生き方は奴隷と同じ

奴隷のようにただただ自分誰かの言いなりになるだけの生き方では

自分の人生に誇りを持って生きていると言えるだろうか

自分の生き方を自分で探し、自分で決める

たとえ上手くいかなくとも

その考え、その行為自体が尊いのである」

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かつて日本は神格した天皇を頂点にとした軍国主義ファシズム国家だった

天皇のために、お国のために生きる』と国家から洗脳された日本

敗戦後欧米から「民主主義」という「自由」を与えられた日本

しかし、一部の人は自分の人生を に責任を持つことから「逃走」して心の拠り所をファシズム的なカルト宗教に依存し来るべき「カルト教団の神、背後世界のために生きる」カルト宗教の奴隷となった

日本でカルト宗教にハマる年代は幼児期に軍国主義を経験した年代の人々が多い」

「子供帰りね。たしかに日本の宗教勧誘している人は年配の方が多い」

「かつてナチスファシズムに支配されたドイツでは地球温暖化の不安を煽る環境カルトブームである。環境破壊を警鐘する「緑の党」が大躍進 政権を取る勢いである」

「日本人、ドイツ人 はファシズムにはまりやすいのかしら」

「欧米、日本など先進国では若者の宗教離れが進んでいる」

「良かったじゃない」

「いいえ

人間は自分の頭で考えるのが面倒くさい生き物よ

若者の

パワースポットブーム

スピュチアル

自己啓発

ナチュラ

自分探しに奔走する若者たちも危険である

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以上のもの、宗教でもなんであれ、それが自分の生活の全部になり、自分の頭で考えず、搾取され、自分自身の人生を見失うなら

そのものの奴隷とされる

「自分探しして自分の人生を見失うのね」

生きるとは暗闇の荒野に進み、切り開くこと。自分の人生に「覚悟」を持ち自分の頭で考え責任を持って生きなければならない

私たちは「自由」から逃げていけない

それが真に生きるということである

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ズズズ・・・

ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人 (講談社+α新書)

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