結愛ちゃんノートが発見された。警察は記者会見で涙をこらえながら結愛ちゃんノートを公開した
もうパパとママにいわれなくてもしっかりと、じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして(略)これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから もうぜったいぜったいやらないからね わかったね ぜったいのぜったいのおやくそく(略)あしたのあさはきょうみたいにやるんじゃなくて(略)パパとママにみせるぞというきもちでやるぞ えいえいおー
午後四時に自らセットした目覚ましで一人起床。九九やひらがなの勉強。朝はスープ一杯、昼はご飯茶碗三分の一、夜はご飯茶碗二分の一。言うことを聞かなければ、一日1食になる
結愛ちゃんの体重は12キロ。全身170箇所の痣。足には凍傷があった
結愛ちゃんの両親はこれを「教育」だと信じていた
取り調べ
優里の取り調べが始まった。刑事は怒りの涙を流しながら「僕はあなたを許さない」と訴えた
「僕は呪縛をといてやる」
何それ?私が何かに呪われていたの?
画像 産経新聞
呪われてるよ。あなたの知らない世界かと思いました
刑事からはあの人が「妻を洗脳したと認めている」ともいわれた。何のどこが洗脳なの?優愛のためだと言った、あの人の言葉は嘘だったの?
「風呂場で裸の優愛ちゃんを見たでしょ」
優里は、二月に彼が手の甲で、優愛の目かおでこをパチっと叩いたのは見ていた。それ以外に彼の暴行を見ていない
「アザは?たくさん見たでしょ?全身に170箇所だよ。足の裏はタバコじゃないの?暴行をみてなくてもアザは見たでしょ?」
本当に見ていない
「どうして見なかったの?」
見ました、だけどそんなにたくさんのアザがあったなんて知らなかった。
結愛ちゃんの死の前日優里はお風呂にいれて身体を洗っていたのだが優里は記憶が抜け落ちていた
「家族みんな葬式で泣いていたのに、あなたは泣いていなかったよね。あれは何?おかしいんじゃないかな?」
優里は感情を失っていた。逮捕された優里は自責の念に耐えられず「死にたい」と何度も訴えるようになった
優里には女性弁護士が担当になった。「一緒に頑張ろう!」と励まし、優里の話を聞いて共に涙を流し共感しては励ます女性弁護士と接見するうちに優里は弁護士の面談を楽しみにまつようになった。弁護士がカウンセラーの先生を連れてきた
毎日(何時間も)説教されたら、それも心理的虐待だと言ってくれた。優愛に(優里の眼の前で)暴力を振るうことも私のDVだって言ってくれた
カウンセラーの先生は、私が子供の頃、親に虐待されていないかどうか聞いてくる…ない、と言うと少し首をかしげた。親は私に手をあげたことはない。それは本当のことだ。みんながそれを聞くのはどうしてだろう
優里は二人の専門家から治療を受けて、少しづつDVについて学んだ
初めてお会いした時、私が雄大を批判的にいうと、優里さんは「そんなふうにさせた私の方が悪いんです」と返ってきた。雄大と自分との間に境界線が引けていないと感じました
彼の思いとうりに謝らないと、許してもらえなかった。どう謝ったらいいか、答えをみつけるのが大変だったと仰ったので、それがまさにDVなんだとお話しました
心理カウンセラーは優里雄大に「洗脳」されPTSDで解離性障害と診断した。記憶障害もPTSDのためと診断された
部活では厳しい指導をしてくれる。中学校も高校も厳しい指導は当たり前だと思っていた…怒られるということは期待されているということ。何も言われなくなったらおしまいだということを部活を通して学んでいたから
優里は雄大の3時間の説教。暴言。優愛ちゃんに対する「暴行」は「愛」で期待されているからと思い込んでいた
部活のことを思えば、なんて思った私がバカみたい。家であんなに両親に優しくしてもらえたから頑張れたんだ
洗脳されやすい性格
- 生真面目
- 頑張り屋さん
- 依存的
- 自己肯定感がひくい、もしくは高すぎる
- アイデンティティが確立されていない
- 自分を客観視できていない
弁護士先生や支援してくれる人や記者の方の中でも、私に対して、私に対して怒りの感情をぶつけてこないのはどうしてだろう、と思う時がある。拘置所の職員さんでも、いくら仕事とはいえ私がやったことを考えると、雑に扱われて当然だと思うのに、丁寧に対応してくれる
弁護士とカウンセラーたちの面談、職員たちの親切な対応により優里は感情が取り戻され、表情も柔らかくなってきた
泣くな、怒るな、騒ぐな、へらへらするな、ふてくされるな、愛想よくしろ、楽しくないなら何もしてやらないぞ、少しできたくらいで喜ぶな。あの人からそう言われてきた。じゃあどんな顔してどんな態度をとればいいんだろうかと考えつづけた。その結果、相手に調子を合わすか、真顔でいることがいいと学んだ
船戸優里ビフォー&アフター
拘置所にいる間、優里は本を読み漁った。優里は自分を客観的にみれるようになり罪と向き合うようになった
罪を償うために、絶対に必要なことは自分の悪いところ、、ダメなところを知って、弱い自分を受け入れることだ。今回一番の原因は、私自身、自分のことを何もわかっていなかったからだと思う。私が自分の性格がこうで、こういう状況の時こうする人間だとか、もっともっと自分に必要なことを知っていれば、こんなことにはなってなかったと思う
歪んだ認知
裁判で「優愛に朝あげていた食事はどれくらいの量か」という質問に対して
板チョコをご飯代わりに一枚あげたことはない。板チョコは一枚280カロリーである。量=カロリーだと思って、朝、お菓子をあげる時は、平均これくらいをあげていましたよ…実際はカロリーメイト二本で200カロリーの日もあれば、ガトーショコラを一切れのときもあったり、菓子パン400カロリー分くらいの日もあった
「週何回くらい朝ご飯をあげてましたか」
私は週何回くらいという質問が苦手ですごく難しい
「お風呂はどうしてた」
優里は答えが浮かばす適当なことを話した
優愛が毎日お風呂に入っていたか、自分が毎日お風呂に入っていたのか、それはわからない
「あなたは身体をはって止めたことが一度でもありましたか」
優里は答えられず「ゔ 」とつまった
私は優愛のために必死だけど、優愛からすればそうではなかった
雄大の洗脳は優里の脳を崩壊させ優里は記憶が抜け落ちている
私は、まだ全部のことを思い出せてない
結愛へ
優愛にしつけなんか必要なかったんだと思う。本当にしつけが必要だったのは私たち親だ。優愛は賢いから、親のしていることを見て覚えて自然に同じことをしているだけ。親がちゃんと挨拶を当たり前にしていたら厳しく教える必要なんてなかった
優愛に「嘘をつかない。適当なことを言わない」と言ったて、私たちができていなかった。自分たちができていないのに子供にやらせるなんて無理に決まっている。それを暴力暴言を使い、脅したり恐怖で言うことを聞かせるなんてありえないことだ
私も優愛も「相手の気持ち、俺の気持ちを考えろ」と言われ、必死に考えた。でも一番相手の気持ちを考えていなかったのはあの人だ
優里は雄大に離婚届けを突き出し夫婦は離婚した
洗脳を解くのは難しい
優里の受けた「洗脳」はマインドコントロールである
優里は雄大を神のように崇拝していた
雄大は教祖で、優里は信者である
マインドコントロールは自分で選択したように操作するため簡単には解けない
雄大の公判で証言台に立ったときには、土下座して謝れば良かったと語った